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名物P佐久間が推す「いま小劇場で観るべき」コントユニット『テニスコート』

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テレ東プラス

2019.4.7

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『ゴッドタン』や『青春高校3年C組』などを担当する、テレビ東京プロデューサー・佐久間宣行氏が、「今こそ小劇場で見るべき」と推す3人組がいる。コントユニットの「テニスコート」だ。

神谷圭介、吉田正幸、小出圭祐の3人が武蔵野美術大学在学中の2002年に結成されたテニスコートは「笑い」を主軸に置くが、彼らはいわゆる"お笑い芸人"ではない。近年、小劇場に誌面やテレビまで、俳優、執筆、番組の脚本・演出など、マルチな活躍を見せる3人組なのだ。

果たして彼らは一体何を企み、"小劇場"をベースにしながら、オーバーグラウンドな活躍を見せるのか。結成秘話秘からお話を伺ってみた。

Tenniscourt_20190407_01.jpg左から、吉田正幸、神谷圭介、小出圭祐

「昔かたぎ」




"面白いほうが偉い"。歯車が狂いだした予備校のカリスマ時代


――みなさん武蔵野美術大学出身ということで。

神谷圭介(以下、神谷):はい。僕と吉田くんとは美大の予備校時代から一緒で。僕ら2浪してるんですよ......わりとキツい2年間でした。

――神谷さんは予備校のカリスマだったと伺ったのですが......

吉田正幸(以下、吉田):予備校のカリスマって(笑)

小出圭祐(以下、小出):恥ずかしい。

神谷:待ってください、そんなダサい肩書きイヤですよ。これはダメだ。

(しばし間を置いて)............いや、僕が(カリスマ)ではなくて。予備校の先輩にカリスマ的な人がいたんです。普通、美大の予備校で尊敬されるのって、実技がすごいとかなんですけど、そうじゃないんです。

美大を目指してるはずなのに、そのカリスマ的な先輩の影響で、「面白い方がエラい」みたいになって。やってることがだんだん"デザイン"とか"アート"ってことじゃなくなってきたんです。

――(笑)。

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神谷:その先輩のせいで、週一でネタ見せみたいなのがあって、吉田くんと披露してたんですけど。

――だいぶ謎ですね。お2人は予備校時代からネタ見せを。

神谷:しかも、1浪目の時ですからね。予備校の先生に怒られたんです。「ここは予備校だぞ」って。

吉田:目を見てね。目を見て怒られたときがあった。

神谷:それで、「そうだった」って気づいんたんですけどけどね。夏休みの自由課題みたいなのとか、予備校で合宿があったときにやる一芸とか、本来の美術的実力の注目度ではないところで目立つっていう。

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――なるほど。

神谷:でもデザインやアート作品を作ることと、自分が好きな「笑い」の感覚を分
けずに1つで考えた方が武器になりやすいぞっていうのは、そのときに思いました。

かつてすべてをゼリー状に表現した男・小出圭祐


神谷:それで大学に入ったら、吉田くんが小出くんを連れてきて。だいたい、演劇とかそういう面白いものは、小出くんから教えてもらったんです。一緒に演劇を観に行くにつれ、小劇場の感じが気になるようになって。遺恨を残しつつ、それまで所属していた映像制作グループから、演劇サークルに3人で移籍しました。

――遺恨......。特に触れずにおきますが、小出さんのエッセンスで、テニスコートが作られていったんですね。

小出:僕は予備校で1浪するところまで名古屋にいて、デザイン科を志望してはいたんですが、そんなにデザインは得意ではない気もしていて。

神谷:それこそ、小出くんと同じ予備校の人から話を聞いたときに、やっぱり異質な存在だったと聞きました。「名古屋河合(塾)に、全部ゼリー状で描くやつがいる」って。

――どういうことですか?

神谷:何を描いてもゼリー状になるって。

小出:たしかに、ゼリー状の表現をやろうとしてたけど、うまくはいかなかったです(笑)。

――みなさんそれぞれ予備校時代から頭角を表していたんですね......。

小出:評価されはしないところで、謎のこだわりを持ってました。課題をやりながら、違うかもなって思いつつ、映画とか観に行くうちに、テレビでやってる演劇を観て、「笑いがありつつ、お話があるっていいな」と思って。たまたま東京に来れたし、演劇はたくさんやってるから、いろいろ観にいってました。


神谷:「小出くんなんか観に行ってるなー」と思って、教えてもらってたら、今こんな感じになりました。

――神谷さんと吉田さんはもともと予備校カリスマコンビですが、小出さんはお2人の何に惹かれて?

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小出:何に惹かれた......?

神谷:そういうの多分ないと思います。

――(笑)。

牽制しあうことでガラパゴス的進化を遂げたテニスコート


吉田:僕は、大学入学当初、バリバリのおしゃれデザイナーになろうと思っていて。

神谷:2浪で入ったら、現役の人とかとうまくコミュニケーションできないはずだから、普通控えめなんですけど、吉田さんはめちゃくちゃアガってるんですよ。「こいつ大丈夫か?」ってくらいアゲでした。

吉田:まず目の前を歩いてるクリクリ坊主を手下に加えようと思って、声をかけたのが、小出くん。

神谷:子分としてちょうどいいと。

吉田:そう。小出くんを踏み台にしようとしたら、木が腐っていたっていうか......。

神谷:そこからは友達ができないっていう。翌日から小出くんがここ(背後)にいるんですよ。1度話しかけたもんだから、なんとなくずっと......いるんです。吉田くんが来たら、いるんですよ。喋んないんですけどね。

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吉田:一言も喋らないけど、いるんですよ。これは「怖い話」なんですよ。

神谷:半年くらい経たないとこちらに話しかけてくることはなかったですよね。なぜか金髪だったし。同じ予備校から上京した友達と集まる会のときにそういうノリだったんだっけ?

小出:集まる会って言っても、2人だよ。

吉田:2人......?

神谷:2人なの?

――サシですね(笑)。

吉田:僕と小出くんは学科が一緒で、最初に全員が自己紹介するときに、僕は1番後ろの席で、高みの見物をしてたんですよ。「この坊主、何ができんだ?」と思って見てたら......

小出:「脇を鳴らします」って。

吉田:その音が、ものすっごい爆音で。本当に卑猥な音だったんですよ。結構広い教室で、その場にいた100人くらいにショックがバーッと広がってました。

神谷:戸惑いと笑いが。

吉田:その日1番沸いてましたね。

神谷:手応えはあったの?

小出:1番ウケた。生涯で。それ以来ウケてない。

――(笑)。

神谷:だから、小出さんがいることで、他の人と喋りづらくなるというか。なんか、誰かとキャッキャッと喋ってるところを「小出くんに見られてるんじゃないか?」みたいな気持ちが。

吉田:浮かれた感じを出しづらくなっていったね。

――無言の圧があったわけなんですね。

神谷:気づいたらもう、ここしかいないみたいな。

吉田:別に、言わないんだけどね。「それおもしろいの?」って言われてるような気がしちゃうんだよね。

神谷:「あ、そういう感じなんだ?」とか、思われるのがイヤだから......結果、大学時代はテニスコートで一緒にいることが多かったと思いますね。

「ひとりごと」



互いに自意識を高めあい、牽制した結果、3人は内々で奇妙な進化を遂げた。こじれた自意識はとぐろを巻き、形を変化し、テニスコートという独自のユニットになったらしい。結成10数年経って、テレビ東京の佐久間プロデューサーに見初められることになるとはつゆしれず...。後編でマルチな活動の由縁、大いなる野望、そして佐久間プロデューサーとの出会いについて伺っていく。

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【プロフィール】
神谷圭介、小出圭祐、吉田正幸の3名からなるコントグループ。「テニスコートのコント」と題した自主公演を開催する他、書籍・雑誌などにイラストや文章の提供も行う。2016年よりNHK Eテレ「シャキーン!」に構成作家として参加。
Twitter:@tennis_court

【公演情報】
テアトロコントvol.35/4月26日(金)27日(土)
会場:ユーロライブ

立川流 あたらしい会8/4月29日(月・祝)
会場:お江戸日本橋亭

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