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“カメ止め”の上田監督&人生初取材の主演・大澤数人さんに、『スペシャルアクターズ』の見どころを聞いてみた

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テレ東プラス

2019.10.5

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昨年、興行収入31億円を突破した大ヒット映画『カメラを止めるな!』(以下"カメ止め")。そこでメガホンを取った上田慎一郎監督による、劇場長編第二弾『スペシャルアクターズ』がいよいよ10月18日に公開されます。

本作品は「緊張すると気絶する役者VSカルト集団」という対立を軸にした痛快エンターテインメントです。1,500名の応募者から選ばれた15人の個性的な俳優たちが、抜群のチームワークを発揮。"カメ止め"を彷彿させる二転三転のストーリーで、思わず何度も観たくなる快作に仕上がっています。

今回は全国ロードショーを間近に控えた上田監督と、10年間の役者人生で現場経験はわずか3回という主役の大澤数人さんにインタビュー。撮影中のエピソードなど、色々と伺ってきました。




2作品に共通するのは、作品の設定と現実が重なるリアリティ


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──上田監督、全国公開に向けて現在の心境は?

上田「"カメ止め"の時もそうですけど、公開する前はいつも不安とワクワクが半々です。じっとしていると不安が膨らむので、とにかく出来ることをどんどんやるようにしています。メディア出演や取材、ビラを配りに行ったり、SNSなどで積極的にPRしたり。とにかく出来ることをやるだけですね」

──本作品は"カメ止め"に通じるところがあるのでしょうか?

上田「本作もワークショップを経て、無名の俳優たちで作った映画になっています。出演者は一般の方があまり見たことのない顔ぶれなので、そうした俳優たちの魅力に出会えるのは、"カメ止め"との共通点だと思いますね」

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──主演の大澤さんは長編映画の主演は初めてとのことですが、現在の心境は?

大澤「......緊張してます。全国公開前で緊張してますし、この取材も......」

上田「彼は人生初の取材なんですよ。記念すべきことなので、それもぜひ書いておいて下さい(笑)」

──それは......映画のように気絶しないよう、どうかリラックスしてください(笑)

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──試写で作品を拝見させていただき、出演者のキャラクターがとても活き活きと感じられました。

上田「売れない無名の役者が映画の中でも、『売れない無名の役者』をそのまま演じているので、映画としての嘘が一つなくなっています。『カメ止め』にもそういったドキュメンタリー性があって、あれは37分のワンカットゾンビ映画を撮影する物語でしたが、僕らもそれを実際に撮影したわけです。同様に今回の作品では、『緊張すると気絶する』設定の主人公を、本当に今まで無名の数人(大澤さん)にあてています。ごめんね、無名とか言って(笑)」

大澤「......いえ(苦笑)」

上田「彼が商業映画の長編に抜擢されて、ものすごい緊張とプレッシャーの中で演じているので、それが本編の主人公の『緊張すると気絶する』という設定にも重なるわけです。(大澤)数人は今35歳で、僕と同い年なんですけど、10年間の役者人生で役者の仕事を3回しかやっていないんですよ」

大澤「......はい、恥ずかしながら(苦笑)」

──それは緊張して当然です。でも、それが作品の見どころにもなっているんですね。気絶するシーンはかなりリアルに感じました。

上田「数人は、この作品の中で常に戦っているんです。大きなプレッシャーを背負う中で何とか芝居を続けている状況だったので、それが役を超えた彼のドキュメンタリーになっています。そこが、まず見どころじゃないですかね。それから繰り返しになっちゃいますけど、今まで見たことのない個性的な俳優たちの魅力に出会えるのは、この作品ならではの楽しさだと思います。見終わった後に『俺の推しはこいつや』とケンカなんかをしてもらえると嬉しいですね(笑)」

──作品全体のテーマについても教えてもらえますか?

上田「主人公がプレッシャーを乗り越えていく話であり、父親との葛藤を乗り越える物語にもなっていますが、それは自然とにじみ出てきたものです。元々そういうことをやろうと思っていたわけではありません。とにかく2時間弱を思いっきり楽しんでいただきたいと思って作ったエンターテインメント作品です」

上田監督「撮影の前半はちょっと怖かった」


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──撮影期間中で特に印象深いエピソードを教えてください。

上田「数人に関して言うと、現場経験が少ないのでかなり緊張していたと思うんですよ。なので、数人の大好きなチョコレートを、撮影中のカットの合間に必ずといっていいほど食べさせていました。それで心を落ち着けて撮影に臨んでいたのは印象深いですね」

──チョコレートでお気に入りのものがあったりするのですか?

大澤「......ダースです(笑)」

上田「そうそう、撮影中にはダースを10箱ぐらい買ってプレゼントしました。無いときはちょっとパニックになってたみたいですけど(笑)」

大澤「......そうですね(苦笑)」

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──大澤さんが印象に残っていることは?

大澤「......クランクインって言うんですか? 一番最初のときに、撮影場所の部屋で『大澤さんです!』みたいな紹介があったので、思わず端っこに逃げました(苦笑)。でも、すぐに真ん中に引き戻されちゃって。それで『どうしよう、どうしよう』となっているところに、監督が『大丈夫、大丈夫』と声をかけてくれて、『ああ優しい人だな』と思いました」

上田「そうだったっけ!?(笑)」

──試写会でも、監督が大澤さんを気遣って、背中をさすっていた姿が印象的でした。本作品の演出面で何か気を付けていたことなどありますか?

上田「今回のメンバーは、キャラクター的にそのままで面白い人を多く選んでいるので、現場にきて緊張したり、萎縮したりしてしまうと、その人の良さが出ません。なので、その人を普段の状態に戻すことは意識していましたね。特に序盤はみんな緊張していたので、そういうことが多かったような気がします」

──大澤さんに対しては?

上田「数人に関しては、緊張している役を演じるので、適度に緊張していた方が良いんです。リラックスしていると場面としておかしくなってくるので、あえてプレッシャーをかけたりしたこともありました。『失敗するなよ〜』みたいに(笑)。それは心を鬼にしてですけど」

──緊張でいうと、本編でも主人公が使っていた、柔らかい感触の「リラックスボール」が気になりました。あのボールは本当にリラックスできるんですか?

大澤「......よく覚えていません。......たぶん、揉まずにはいられなかったんだと思います」

上田「台本に書いていないシーンでも、かなり揉んでたよね(笑)」

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──大澤さんが、監督によく言われていたことは?

大澤「(しばらく考え込んで)......『大丈夫?』ですかね(笑)」

上田「数人については、緊張するキャラの良さを出しつつ、『これだけはやって欲しい』みたいなこともあるんですよ。でも、その演技をリハーサルで固めすぎると段取りっぽくなるので、それをどうやってリアルな演技として馴染ませるのかというのは難しかったですね。どこまで声をかけて演技の説明をするのかは、数人に限らず全員に対して気をつけていたことかもしれません。例えば、『お茶を飲んでセリフを言って下さい』と伝えるときに、『右手でお茶を飲んで、その後でセリフを言う』と細かく伝えると、作業になっちゃうじゃないですか。どこまで伝えて、どこまで伝えないかということは、気をつけていましたね」

──大澤さんから見て、上田監督をすごいなと思ったのはどんなときですか?

大澤「シーンの撮影前に、監督がどういう風に演じるのかを見せてくれることがあったのですが、その演技がとても上手でした」

上田「それもすごく気をつけているというか、本当はあんまりやりたくはないんですよね。あれは、彼が「リラックスボール」を躓いて落としてしまう場面だったかな、その演技が最初すごく下手だったんですよ(笑)」

大澤「......すいません(苦笑)」

上田「なんか自分から落としにいっているみたいな感じで(笑)。『階段を踏み外した感じで、その拍子に落としてしまうとか、そういうプランを考えてきてくれないと現場で時間がかかるから』という風に言ったのは覚えてますね。やっぱり僕がやっちゃうと、『これが正解なのか』と思っちゃうじゃないですか。だから、『例えば』という感じでいつもやってはいるんですけど」

──大澤さんから見て、上田監督の好きなところはどんなところですか?

大澤「......怒らないことです」

上田「現場で怒鳴ったことは今まで一度も無いんじゃないかな。現場には怒鳴る人を入れたくないですね。ただ、今回はスタッフで『初めまして』の人が多かったので、前半は上手く歯車が合わなくてピリピリしていたかもしれません」

大澤「......そうですね、前半はちょっと監督が怖かったような気がします」

上田「ホントに? 怒ったことないから、俺が怖いってことはないと思うんだけど(笑)

「よーい」と「スタート」の間に大ヒット映画を生み出す秘訣が!?


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──本作品を作る上で、参考にした映画はありますか?

上田「いっぱいあります。撮影前のワークショップの時に、出演者全員でこういうテンション、こういうエンターテインメントを作りたいということで、色々な作品を観ました。本作品は、スパイ映画、コンゲームもの(騙し騙されのミステリー)、ヒーロー映画の要素を盛り込んでいるので、主にその3ジャンルの作品を参考にしています。スパイ映画でいうと、『ミッション:インポッシブル』や『キングスマン』を観たり。コンゲームものでいうと『スティング』とかも。あと、新興宗教団体を描いているので、それも観ようとしたんですけど、エンターテインメントとして描いている作品は日本では少ないんですよ。なので、『愛のむきだし』とか、『教祖誕生』とかも観たりしましたね」

──ちなみに"カメ止め"のときには、どんなジャンルの作品を参考に?

上田「"カメ止め"はゾンビもので、バックステージもので、時間が行ったり戻ったりする非直線系のストーリーでした。このうち、非直線系では『パルプ・フィクション』や『桐島、部活やめるってよ』ですかね。この3つの"好き"を詰め込んだものです」

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──監督自身は、どんな映画作品がお好きなんですか?

上田「個人的に一番好きな映画のジャンルというのは決められないですね。映画に関してはかなり雑食だと思います。各ジャンルに好きな映画があって、観ない映画のジャンルの方が言える感じです。動物もの、恋愛もの、歴史的なもの、文学的な作品はあまり観ませんね」

──本作品も含めて監督の作品には笑えるシーンが多いと思うのですが、意識されているのでしょうか?

上田「笑いについては、自分にとっての世界の見方というか、捉え方が喜劇的なんだと思います。自分の身に何か不幸が起こっても、それを笑いながら話す人間なので。シリアスなことをシリアスなまま描くということが、性分的に出来ないんじゃないかな」

──最後に、上田監督が作品づくりで大切にしていることを教えてください。

「まず、自分がその映画を楽しむことです。自分が観客として観たときに一番観たいものを作るというか。自分が映画館に観に行ったときに、『うわー最高の映画やん』と思える映画を作ることは、いつも胸に刻んでいます。あとは、ギリギリまで粘るということですかね。『よーい、スタート』でカチンコを鳴らしてシーンが始まるんですけど、『よーい』と『スタート』の間でアイデアが浮かぶこともあるんですよ。その時には、『よーい』と言ったあとで『すいません、一旦止めます!』と止めて変更したりします。なので、本当にカチンコが鳴る直前まで映画を良くすることをやめないというか。脚本もそうですし、編集も締め切りのギリギリまで、もっと良く出来ないか足掻いてますね」

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──大澤さん、人生初の取材はいかがでしたか?

大澤「......緊張しました」

上田「これから舞台挨拶とかたくさんあるけど大丈夫かな(苦笑)」

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『スペシャルアクターズ』
監督:上田慎一郎
10月18日(金)丸の内ピカデリー 他全国ロードショー




【プロフィール】
上田慎一郎
監督・脚本・編集・宣伝プロデューサー。1984年生まれ、滋賀県出身。中学生の頃から自主映画を制作し、高校卒業後も独学で映画を学ぶ。2009年、映画製作団体PANPOKOPINAを結成。国内外の映画祭で20のグランプリを含む46冠を獲得。
2015年、オムニバス映画『4/猫』の1編『猫まんま』の監督で商業デビュー。妻であるふくだみゆきの監督作『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)ではプロデューサーも務めている。「100年後に観てもおもしろい映画」をスローガンに娯楽性の高いエンターテイメント作品を創り続けている。
劇場長編デビュー作『カメラを止めるな!』は動員数220万人以上、興行収入31億円を突破し、2018年の最大の話題作となったことは記憶に新しい。本年8月16日に中泉裕矢、浅沼直也との共同監督作『イソップの思うツボ』が公開。
主な監督作:短編映画『ナポリタン』(16)、『テイク8』(15)、『Last WeddingDress』(14)、『彼女の告白ランキング』(14)、『ハートにコブラツイスト』(13)、『恋する小説家』(11)、長編映画『お米とおっぱい。』(11)。

大澤数人
役者。1984年生まれ。愛媛県出身。『スペシャルアクターズ』では主人公の大野和人役。

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