地下アイドルの実態。ファンを取り合い、個人的につながる子も。「事務所にお金を請求され、親が100万円払った子もいました」

――ファンとのエピソードで、印象に残っていることは?

「一時期、身体を壊して休んでしまったことがあるんですけど、私が居ないのに、ずっと私の色のペンライトを持ってライブに来てくれていた人がいたんです。代わりがいくらでもいる世界なので、休むのって結構不安なんですけど、待ってくれる人がいる、帰る場所があるというのはすごく嬉しかったですね。復帰してからの誕生日のイベントでは、会場が自分のカラーのペンライトで埋め尽くされ、ファンの方がいろんなものを用意してくれて…そういう光景には満たされるものがあります」

記事画像
――推しが喜んでくれたらファンの方も嬉しいし、そんな風に距離が近いのも地下アイドルの魅力ですよね。

「そうですね。やはり距離が近いので、事務所に禁止されていても、ファンと個人的に連絡先を交換して、つながるアイドルもいます。普通はファンがアイドルに猛アタックすることが大半だと思いますが、逆にアイドルがファンの人を好きになってしまうというパターンです。事務所を辞める直前のタイミングでコンタクトをとって、辞めてからつながる子もいました。
私はファンの方をそういう目で見たことはありませんが、若くて優しいファンはそれだけでかっこよく見えることもあって、好きになってしまう気持ちはちょっとわかります。清潔感がある人も、かなりポイントが高いです。
ファンの中にも、つながることを狙って応援する人はいますし、アイドル側も普通に異性として好きになってしまう子もいれば、"色恋営業"じゃないですけど、戦略的にやっている子もいると思います」
――でも、ファンと個人的につながると、トラブルになることもあるのでは?

「実は、個人的につながっているかどうかに関わらず、ライブ会場でファンとトラブルになるケースは、結構多いです。何か気に食わないことがあると、人のせいにして自分を正当化する方もいて…。アイドルも一人の女の子なので、理不尽なことを言われたら傷つきます。
時々、いい大人が感情的になって、10〜20代の子に声を荒げるということもありますが、成人男性が大きな声を出すだけで、女の子にとっては恐怖。ファンとしては『自分はそれだけ応援しているんだ』という気持ちがあるのかもしれませんが、人に対してちゃんと気遣いができる人なら、アイドル側も邪険にしません。アイドルも人間なので、思いやりを持って接してほしいです。
そしてアイドル側も、ファンに対して『自分に時間とお金を割いてくれている』という感謝の気持ちを持つべきです。お互いに思いやりをもって、一緒に楽しめたらいいのにと思います」

――Tさんの今後の展望を教えてください。

「事務所に入るとどうしても視野が狭くなりがちで、事務所の中の世界が全部になってしまい、私も一度精神的におかしくなってしまいました。私はたまたま相談できる相手がいて、『この事務所はおかしい』と気づくことができましたが、もしも気づけないままだったら、今もここで結果を残さなきゃと思い込んでいたと思います。
でも、地下アイドルになったことを後悔はしていません。のし上がっていくのは難しかったけど、いろんな人と出会えたし、事務所に入って仕事をするという経験ができたので、結果的には所属して良かったと思っています。
結局どこの事務所にもメリット・デメリットがあって、相性もあると思います。私は今の事務所に疲れてしまったので辞めますが、一度フリーになっていろんなお仕事に挑戦し、最終的には、芸能のお仕事だけで生活するのが目標です。裏方のお仕事にも興味があるので、勉強してみたいです」
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
x
x