衝撃の貼り紙で話題の和牛酒場「コンロ家」の”和牛一筋”メニューが居酒屋とは思えなかった

「お客様は神様ではありません。また、当店のスタッフはお客様の奴隷ではありません」。
その衝撃の張り紙がSNSで話題になったのは2018年の夏。
「おい、生ビール」1000円
「生一つ持ってきて」500円
「すいません。生一つください」380円
上記のようにスタッフに対する客の態度によって値段を上下させるという試みに、賛否の嵐が吹き荒れた。それが東京都内に5店舗を展開する和牛酒場「コンロ家」だ。
茶目っ気たっぷりのジョークか、皮肉めいた社会風刺か。いずれにせよ面白いお店に違いない......ということで、足を運んだのは2018年9月にニューオープンしたばかりのコンロ家の渋谷店。料理の評判も上々だが、果たしてどんなお店なのか。
遊び心あふれるデザインにワクワク

現れたのは風情たっぷり、昔ながらの雰囲気あふれる大衆居酒屋。

「いらっしゃいませ」。
入り口をくぐると、笑顔で出迎えてくれる店員さん。一見、よくある小規模の居酒屋かと思いきや、着席して辺りを見回すと一般的な居酒屋とは違う様子に気づく。

予約席に置かれているのは、「神降臨」とマジックで書かれた手づくりのダンボール。

家電製品の説明書と雑誌に見えるこちら、中身はなんとメニュー表。しかも、これらはほんの一部に過ぎない。「お客様は神様ではありません」の張り紙に負けず劣らず、店内には遊び心あふれるデザインが随所に施されている。
ディテールにこだわったメニューの数々
気になることは山々だが、まずはワインの飲み放題をオーダー。コンロ家では100種類以上もの樽ワインとビール、スパークリングワインの飲み放題を30分290(にく)円、以降は1分ごとに10円というユニークな値段設定で楽しめる。


醸造所からインスパイアを受けたという樽の並びは、まさに圧巻。樽から直接ワインを注げるのも楽しい。コンロ家では、こうした「体験」を提供することにこだわっているという。
一番人気の「ボノス」は、チリ産の高品質なブドウからつくられた赤ワイン。ずっしりとしたフルボディの一杯は、アフターテイストも実に豊かだ。
続いて注文したのは「和牛エキス入りクリームソースのバーニャカウダ」(980円)。


これは美味しい。シャキシャキと新鮮な野菜もさることながら、クリームのまろやかさが半端ないって! それもそのはず、他店と比べて生クリームを惜しみなく使っているのがこのメニューのウリだ。


こちらは「黒毛和牛のすじ煮込み(温玉入り)」(680円)。じっくりと煮込んだホロホロの黒毛和牛は、噛み締めるだけでジュワッと肉汁が弾ける。
とろとろの温玉をくしゅりと崩して、黄身に絡めてみてもいい。温玉に負けないように濃い口の味つけに仕上げていて、そのハーモニーは抜群だ。


満を辞して注文したのは、和牛酒場の真骨頂「本日の黒毛和牛のタタキ」(1180円)。シンプルに潔く、肉の旨味で勝負した一品。A4ランク以上の黒毛和牛または神戸牛だけを扱うという、お店のポリシーを体現している。
一口食べると、上質な味わいにおののく。この値段に収まっているのは、独自の仕入れルートを持っているからだとか。

女性に人気のパスタもある。「黒毛和牛のペンネボロネーゼ」(1180円)のおしゃれなビジュアルは、SNS映えも間違いなし。
弾力あるペンネの食感と、なによりボロネーゼのソースがいい。黒毛和牛の肩肉をメインに挽肉を加え、2時間ほど煮込んで濃厚な味わいに仕上げたという。原料となるトマトソースももちろん自家製だ。
こうしてお酒や料理を食べていると、ディテールにこだわったメニューの数々に「居酒屋とは思えない......」と面食らう。友人や同僚と賑やかにテーブルを囲むだけでなく、一人でしっぽり箸をつつくのもいい。さらには人気の和牛鍋のほか、和牛の油で揚げた鳥からやフライドポテトなど、"和牛一筋"を貫く姿勢にも驚きを隠せない。
「お客様は神様ではありません」と強気な態度はもしかしたらメニューへの自信からきているのかもしれない...。自信あふれる味を堪能しに今夜はここで一杯してみるのはいかがだろうか。
【取材協力】
「大衆和牛酒場 コンロ家 渋谷店」
住所: 東京都渋谷区渋谷2-6-8 ST青山ビル1F
電話番号: 03-6427-2718
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