• #
  • トップ
  • グルメ
  • カクテルの名は「無間地獄」。現役の僧侶に出会えるバー「VOW...

カクテルの名は「無間地獄」。現役の僧侶に出会えるバー「VOWZ BAR(坊主バー)」に行ってみた

グルメ

テレ東プラス

2019.6.6

vowz_bar_20190606_00.jpg
現役の僧侶がもてなす変わり種のバー「VOWZ BAR(坊主バー)」。仏教をモチーフにした珍しいメニューを楽しめるほか、僧侶の方から目からウロコのアドバイスをもらえる、人生相談の場としても人気を集めている。今回は、そんな坊主バーにお邪魔してみた。

テーマは「誰でも来られるお寺」。仏教を感じる空間で人生相談


四谷三丁目駅から徒歩3分。かつては花町として栄えていた飲み屋街の一角に、坊主バーはある。

vowz_bar_20190606_01.jpg
年季の入ったビルの2階に上ると、不思議と心清らかになる線香の匂いに包まれた。そして、その先には趣深い空間が。

vowz_bar_20190606_02.jpg

vowz_bar_20190606_03.jpg

vowz_bar_20190606_04.jpg
店内には仏壇が置かれ、曼荼羅(まんだら)や経典の書かれた掛け軸が飾られている。ふと窓際に目を向ければ、そこに連なっているのは大量のおみくじ。これはまるで......お寺?

「坊主バーのコンセプトは『誰でも来られるお寺』を作ること。現代では仏教と触れ合う機会は、お葬式や法事しかありませんよね。仏教は今生きている人のためのものです。バーは家に持ち帰れないような悩みを吐き出す場所でもあるので、そこで皆さんを楽にしてくれる仏教の教えを伝えられたらと思っています」

vowz_bar_20190606_05.jpg
そう語るのは、浄土真宗本願寺派の現役の住職・藤岡さん。僧侶と聞くと身構えてしまう人もいるかもしれないが、「仏教に触れてもらうために店内をカスタマイズしていたら、こんな感じになっていました」と笑う物腰は柔らかい。

坊主バーでは宗派を問わず、僧侶の方が日替わりで店に立つ。特に女性に人気なのが、仏教の教えに基づいたお悩み相談。恋愛・結婚相談はもちろんのこと、仕事、就職、命に病気といったデリケートな悩みにまで応じている。夜更けに始まる読経、お客への法話も好評で、現代人を先入観から解き放ってくれる仏教の教えに、ハッとなる人も多いとか。

vowz_bar_20190606_06.jpg
店内は2部屋で構成されており、休日はどちらも満席になるほどの盛況ぶり。座敷スタイルのエリアでは、瞑想会が開かれることもある。琵琶(びわ)を嗜まれる藤岡さんは、お客のリクエストに答えて弾き語りもしているそうだ。

vowz_bar_20190606_07.jpg
また、店内には仏教に触れられる仕掛けがチラホラ。おみくじを引いたり、仏教をモチーフにしたオラクルカードを楽しめたり。この日は写経に挑戦しているお客の姿も。

vowz_bar_20190606_08.jpg
カウンターの上に置いてあるこちらは「マニ車」。円筒形の部分をひと回しするだけで、読経をしたのと同じ効果を得られるとか。

「仏教の知識がない人にとっては、僧侶になにか聞いてみたくても、なにを聞いたらいいのか分からないと思います。なので、『これ、なんですか?』と会話のきっかけになるような、一風変わったものを積極的に置いているんです。最初は軽い興味本位でも、仏教に触れてもらえたら嬉しいですね」

https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/lifestyle/entry/2019/019293.html



人気のカクテルは「極楽浄土」と「無間地獄」。仏教をモチーフにした奇抜なメニュー


vowz_bar_20190606_09.jpg
お店の遊び心を前面に出しているのが、ドリンクをはじめとしたメニューの数々。メニュー表を見ると、ユニークな名前がずらりと並んでいた。

vowz_bar_20190606_10.jpg
こちらのカクテルは、その名も「極楽浄土」。仏教における清浄な世界の一つを由来としている。極楽浄土には蓮の花が咲いていると言われており、その色である赤・青・黄色をグラデーションで表現したとか。甘くフルーティーな味わいで、名前の通り極楽気分が楽しめる。

vowz_bar_20190606_11.jpg
地獄の真っ暗闇を表現したカクテルもあった。「無間地獄」というメニューについて、その由来を聞いてみると......。

「地獄は私たちの心の中にあります。地獄は自らが作っていると気づくことを教えてくれるのが、仏教の智慧です」

フードメニューも充実しており、中でも目を引くのが「精進料理」というシリーズだ。

「これは限られた食材でいかに美味しく料理できるかを模索したシリーズです。肉や魚は一切使わず、匂いが強くて精力がつくニンニクなども控えます。これは仏さまに汚い息を吹きかけてはならないという配慮と、精力は欲望を引き出すのでそれを抑えるためですね。このように与えられた条件下でメニューをひねり出すことは、私たちにとって大事な修行の一部です」

vowz_bar_20190606_12.jpg
こちらは「生麩のゴマ油炒め」。お麩というと蕎麦などに入っているふわふわの脇役を想像するが、侮るなかれ。米粉も含まれているため磯辺焼きのような仕上がりで、外はカリカリ、中はモチモチという豊かな食感を楽しめる。

vowz_bar_20190606_13.jpg
生麩を使ってうなぎの蒲焼きを再現したメニューもあった。ジューシーで甘じょっぱいソースを絡めた「うなぎもどぎ」は、お麩だと忘れかけるほど完成度が高い。

その他、お寺で作られた日本酒や焼酎も揃えている。現代では少なくなったが、お酒が薬と見なされていた時代、お寺で酒造することは珍しくなかった。こうした文化的な背景を学べるのも、坊主バーの魅力の一つだろう。

疲れた現代人にとって、仏教の教えは生きる上でのヒントになる。道に迷ってしまったときは、坊主バーを訪ねてほしい。その小さな駆け込み寺には、心を軽くする金言が、美味しいアルコールとともに待っているはずだ。

一緒に読まれています!

この記事を共有する

人気の記事POPULAR ARTICLE

    カテゴリ一覧