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新世代チョコレート”ビーン・トゥ・バー”の草分け、代々木公園「Minimal」に行ってみた

グルメ

テレ東プラス

2019.7.3

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「ビーン・トゥ・バー」というチョコレートの製法をご存知だろうか。カカオ豆の仕入れから加工、製造、販売までをチョコレートブランドがワンストップで手がけるスタイル。このような製法はワインやコーヒー、クラフトビールでも一大ブームを巻き起こしたが、それがチョコレートの世界にも広がりつつある。

このビーン・トゥ・バーを日本に広めた草分け的存在が、チョコレート専門店「Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル)」。店内では"試食し放題"のクラフトチョコレートが販売され、国際的な賞も数多く受賞している。

今回は、そんな日本のチョコレート業界のニューウェーブとして熱視線を浴びる、Minimalにお邪魔してきた。

原材料はカカオ豆と砂糖だけ。素材の味で勝負した"引き算"のチョコレート


千代田線代々木公園駅から徒歩6分の場所に、Minimalの富ヶ谷本店はある。隠れ家のような店内に入ると、そこに広がるのはウッド調のスタイリッシュな空間。ガラスで覆われた仕切りの奥には工房がある。

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Minimalの創業者である山下貴嗣さんによると、その名前の由来はミニマルミュージックやミニマルデザインの"ミニマル"で、"最小限の"という意味が込められているとか。

山下さんによると、従来のチョコレートはいわば"足し算"の論理で作られているという。油やミルク、香料、乳化剤などをカカオに足していくことで、美味しさが追求されているわけだ。一方で、ビーン・トゥ・バーは"引き算"の論理。Minimalでは素材のポテンシャルを最大限に活かすために、基本的にお店に並んでいるチョコレートはカカオ豆と砂糖だけで作られている。

Minimal_20190703_04.jpghttps://www.instagram.com/p/Bt-BpCygybp/

「チョコレートの原材料における最小限はカカオ豆です。私たちは、北緯と南緯20度以内の赤道直下の国で栽培された豆の品質やキャラクターにこだわり、仕入れから製造までワンストップで行うことで、南国のフルーツカカオの豆がもつ多様な香りを感じるような素材本来の味わいを引き出すことをコンセプトにしています」

この"引き算"の論理を如実に感じられるのが、Minimalの試食コーナーだ。なんと、ブランドの顔である板チョコレートが試食し放題。「採算は度外視して、まずは実際にチョコレートを食べてもらうことを大切にしています」とのことで、さっそく試食させてもらった。

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まずは最もベーシックな「NUTTY(ナッティ)」。カカオ濃度は70%。カカオ豆と砂糖だけを使用し、シンプルに仕上げた一品だ。

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口に運ぶと思わず目が丸くなった。市販品では体験したことのない、豆そのものを感じるザクザクとした食感。なにより、味わいがまるで違うのだ。深みのあるアーモンドやローストナッツ、チョコレートの複雑で豊かな香りが広がり、カカオ豆の奥深さを感じることができる。

「私たちのチョコレートでは"カカオ豆の割合""豆の煎り具合""豆の挽き具合"という3つのアプローチを組み合わせて、素材の味わいを引き出します。最適解を探すのは一筋縄ではいきませんよ。試作の積み重ねでしか質は担保できませんので、ひたすら味見をします。『この味を際立たせるために浅煎りにして香りを残そう』『ここは深煎りにしてコクを強くしよう』など、ああでもないこうでもないと議論を繰り返します。データを見ると、去年にレシピをつくり直した回数は3117回でした(笑)」

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こうして出来上がったチョコレートは逸品揃いだ。

カカオ80%の「HIGH CACAO(ハイカカオ)」は、ローストナッツのような香りと深いコクを味わえる一品。ビターチョコレート並みのカカオ濃度だが、苦味はあまり感じない。適切な豆を適切に処理すれば、カカオ分を強めても甘みは表現できるのだ。

ハイカカオと同じ豆を使いながらも、まるっきり別物に仕上げているのが「CLASSIC(クラシック)」。こちらはカカオの割合を65%にとどめ、浅煎りかつ細かく挽くことでなめらかにしている。ミルクは一切入っていないにも関わらず、ミルクチョコレートのような味わいとバニラのようなアフターテイストを楽しめる。

Minimal_20190703_08.jpghttps://www.instagram.com/p/BjW-GBmjupD/

面白いルーツを持つのが「'Arhuaco(プライム アルアコ)」。コロンビアの先住民族であるアルアコ族が栽培した豆を使っており、2017年の国際品評会では金賞を受賞した豆だ。洋梨をソテーしたかのような芳醇な香りと、カカオバターによって表現した柔らかな甘みを堪能できる。

世界中の人に好まれ、誰の口にも合う。「チョコレートはメディアだ」――という哲学から生まれたのが「Collaboration(コラボレーション)」。タンザニアの豆を使い、青リンゴのようなフレッシュな風味を実現した。がん患者のための施設・マギーズ東京と提携しており、売上はドネーションされる。

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ほかにも、ベトナムの豆をベースにした「FRUITY(フルーティー)」では、香料に頼ることなくカカオ由来の香りでミックスベリーのような果実味を表現。トリニダード・トバゴの豆をベースにした「SAVORY(セイバリー)」は、ドライミントやハーブのような余韻がスッと残る。インドネシアの豆から生まれた「SEASONAL(シーズナル)」は、パッションフルーツにも似た酸味と甘みが楽しめた。

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さらに、Minimalのチョコレートは、ワインや日本酒、コーヒーなどにも良く合う。おすすめの食べ合わせはスタッフが熟知しているので、ぜひお店で聞いて、よりディープなチョコレートの世界を楽しみたい。

チョコレートの奥深さに触れられる「体験型店舗」


"引き算"の論理とともに、Minimalがもう一つ大切にしていることがある。それが、体験型の店舗づくり。空間から接客まで、Minimalというブランド、そしてビーン・トゥ・バーという新たなチョコレートを体験できるようにデザインしている。

たとえば、フロアを囲うカウンターは、店内のどこにいてもスタッフに話しかけられるように導線を意識している。スタッフは興味を持ったお客に対し、チョコレート一つひとつの特徴や裏側のストーリーを説明する。ただ、そこに細かいトークマニュアルは存在しない。自分の舌で感じたことを、自分の言葉でリアルに伝えるスタイルだ。

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各種チョコレートを紹介したアーティスティックなデザインの本、Minimalの最新ニュースに触れられる"新聞"も。

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さらに店内では、チョコレートの面白さを体験できるワークショップも開催されている。

「実際に豆からチョコレートを作ったり、コーヒーとのペアリングセミナーを開いたりしています。小さな店内にテーブルをぎっしり並べるので、参加できるお客さまは1回につき10名前後。効率は悪いかもしれませんが、一過性のブームで1万人が1個ずつチョコレートを買うよりも、100人に100個ずつチョコレートを買ってほしいと思っています。お客さまの生活に根づき、愛され続けていくお店になりたいですね」

Minimal_20190703_15.jpghttps://www.instagram.com/p/Bd4ztKbHFT4/

イートインコーナーでは店舗限定メニューも提供している。なかでも固定ファンが多いのが、チョコレートを使った月替わりのスイーツだ。

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こちらは5月限定のクレープ。柔らかい生地のクレープでレアクリームチーズをサンドし、チョコレートがまぶしてあった。全体にかかったジュレは、ココナッツウォーターとライムがベースで作られたもの。さらにバジルオイルも一緒に添えられています。ザクザクとしたチョコレートの食感とともに、高級感のあるジュレの酸味がアクセントを与えている。

これにアイスクリームを絡めて食べるのもたまらない。グラッパという蒸留酒から作られたアイスには、カカオニブのプラリネが入っていた。複雑な風味を一皿に表現した、オーケストラのようなスイーツだ。

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ドリンクには人気のチョコレートスムージー「ショコラトル」をチョイス。ベースとなっているチョコレートはハイカカオで、ココナッツのような風味を活かしながら、ちょっぴりビターに仕上げている。大人のための一杯だろう。

Minimalを訪れて感じられたのは、新たなチョコレートの潮流だ。スーパーで買う市販品とも違えば、パティシエやショコラティエの作った高級チョコレートとも違う。土地や農家によって味わいが左右される豊かな食体験が、Minimalには待っている。


※この情報は、2019年7月3日時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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