”探しても見つからない”そばの名店。知る人ぞ知る「ら すとらあだ」に行ってみた

中野坂上の閑静な住宅街にある「ら すとらあだ」は、知る人ぞ知るそばの名店。そば好きのみならず、様々なレストランを食べ歩くフーディーたちがこぞって訪れるというその店は、探してもなかなか見つからないという噂があります。どんなお店なのか気になりますよね? というわけで、実際に行ってきました!
そりゃ見つからないわ...民家のドアにしか見えない店の入り口

中野坂上駅から「ら すとらあだ」へと向かうこと約5分。地図アプリを頼りに歩いていると、どんどん住宅街の中へ進んでいきました。どうやら店らしき場所へ到着したものの、その外観はどう見ても民家です......。
軒先にはてんとう虫の描かれた小さな明かりが。民家のドアにしか見えませんが、ここが入り口のようです。ドアを開けても、やはり誰かの家に来たような普通の玄関。しかし、靴を脱いで部屋へ入ると、そこからはめくるめくそばの世界が広がっていたのです。
粋な"そば前"に舌鼓。そばに辿り着くまでも楽しめる

この店の主人、日比谷吉弘さんは、そば教室に通ったことをきっかけに、27歳でそばの道へ。亀有「吟八亭 やざ和」、芝「案山子」、神田「眠庵」など数々の名店で経験を積み、この店をオープンさせました。豊富な経験と独自の解釈で、ほかにはないそばと料理のフルコースを生み出しています。
「ら すとらあだ」はメニューがないおまかせスタイル。お酒と旬の料理をゆっくり"そば前"として楽しんだ後、そばを食べる粋なフルコースです。そば前8皿、そば7皿にデザートを加えた全16皿は、材料や気温によって一番おいしい状態で提供されるため、その日によって内容は違います。
今回は特別に、行かないと食べられない、一期一会の貴重なメニューの一部をお見せしちゃいます!
1皿目は温かいお出汁。香りも旨味も最上な、3年熟成の本枯れ節の薄削りを使用しているそうです。胃にやさしく染み渡ります。
さまざまな野菜のおひたしは、出汁にこだわったシンプルな味。産地直送の野菜をふんだんに使った料理に、旬を存分に感じられます。
コースの中盤で出てくるのが、そばがき。そばの香りを堪能するのに、最適な食べ方なのだそうです。この日は宮崎県・高千穂産のそば粉を使用していました。
牛の小腸ともやしのお椀。かつお節と白醤油のかえし出汁で、臭みがなく、牛の脂の旨味が口いっぱいに広がります。
幅が変われば味も変わる!? そばの概念まで変わる!
料理の数々を味わっていると、つい忘れてしまいそうですが、「らすとらあだ」はそば屋。コースの最後には、6種類のそばが用意されていました。さまざまな産地のそばを、昔ながらの石臼で挽き、手打ち蕎麦にして出すというこだわりよう。そばの味に合わせた仕上げができるのが、手打ちならではの魅力と言えます。
風味豊かで歯ごたえも感じられるそばは、産地ごとのそばの違いをはっきりと感じられる逸品です。めんつゆも出て来ますが、塩で食べると、そば本来の味がわかっておすすめだとか。ここにしかないそば体験に、今までの概念が変えられます。この店の主役、そばをすべてお見せしちゃいましょう!
福井県・山室産の十割そば細切り。定番の細さですが、石臼手挽きならではの香り高い仕上がりです。
沖縄県・宮古産の外二そば細切り。"外二"とは、そば粉を十割、さらにその二割に他のつなぎを入れて打つそばのことです。こちらは、粗挽きで甘さが引き立ちます。
うどんのような太さにびっくり! 岩手県・八幡平産のそばを1年ほど寝かせたものを太打ちに。噛みごたえがあるので、じっくり味わえます。
島根県・三瓶産のそばを細切りで。こちらは、そばの実を皮ごと挽いた「挽きぐるみ」が特徴。そばの実の歯ごたえが楽しい。
こちらは、先ほどの島根県・三瓶産の挽きぐるみを、平打ちに。同じそば粉でも、打ち方を変えるだけで味わいも香りの感じ方も変わることに驚きます。
島根県・三瓶産の挽きぐるみを先ほどより幅の狭い平打ちにして、冷やかけにしたもの。薄削りの鰹節の出汁がさっぱりとしています。天かすは、新潟にある天ぷらの名店「にい留」のものを使用。かぼちゃの花が華やかに彩ります。
店主のそば愛がうかがえるフルコースに満足!
民家にしか見えないお店の中には、至福の時間が待っていました。クラフトビールや日本酒も充実しているので、お酒と料理をゆったりと楽しみながら過ごすのがおすすめです。
多くの料理は、出汁の味で旬の素材の良さを活かす洗練された味。そばはそれぞれ個性が感じられど、強すぎる癖はなく、スルスルと入っていきました。お酒を嗜みながら、のんびりと味わっていると、食器なども美しく、料理を引き立ててくれることに気づきます。
無駄に飾り立てず、おいしいそばのために全力を尽くす。そんな店主のそば愛に溢れたフルコースは、ファンが多く予約困難なのも納得です。ぜひ一度、体験してみてください。
【取材協力】
ら すとらあだ
住所:東京都中野区本町2-41-2
電話番号:03-6276-8364
定休日:日・月・火
※要予約。
※この情報は、2019年8月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。
