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「射美」「花陽浴」「ロ万」......一心に日本酒の道を歩む革命君に聞いた、今こそ飲みたい日本酒

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テレ東プラス

2019.10.29

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日本酒を手掛ける酒蔵は、国内に1,500軒以上。それぞれが、多彩な個性をもつ銘柄を手掛けている。

そんな数ある日本酒との出会いをサポートしているのが、「小さな酒蔵応援団」を名乗る地酒専門店「革命君」(東京都・小岩)だ。店主の齋藤哲雄さんは、日本各地の銘酒を発掘してきた、日本酒好きの間では知る人ぞ知る存在。胸に秘めた日本酒への熱い思いにおいて、業界内で右に出るものはいない。

今回は、齋藤さんを和食居酒屋「魚たも(うおたも)」にお誘いして、「革命君」のお酒も卸している同店で、おすすめの日本酒について聞いてみた。

sake_20191029_01.jpg▲地酒専門店「革命君」 店主・齋藤哲雄さん

齋藤さんが首都圏に最初に紹介して、一躍注目された日本酒たち


──齋藤さんと言えば、今や人気が高すぎて入手困難な「射美(いび)」(杉原酒造/岐阜県)の存在を広めたことで有名です。一時は廃業寸前だった蔵に、何度も足を運ばれたそうですね。

「『射美』は僕が急性骨髄性白血病で一時倒れていた前に見つけたお酒です。杉原酒造さんは闘病中、ずっと僕の生還を信じてくれて、復帰後も変わらずに『射美』を提供してくれました。その味わいは、『ありがとう』と全力で言いたくなるような感動的なもの。発売日に完売することも多い"幻の酒"ですが、出逢えた際にはぜひ味わっていただきたいです」

──「花陽浴(はなあび)」(南陽醸造/埼玉県)、「ロ万(ろまん)」(花泉酒造/福島県)を首都圏で最初に紹介したのも、齋藤さんだと伺っています。

「『花陽浴』は南国の果実のみずみずしさ、パインを思わせるような独特な香りやうまみを兼ね備えた"香味一体型"──というより、"花陽浴型"としか言いようのないオンリーワンのお酒です。当初は埼玉県内だけで取り扱われていたんですが、飲んでみたらものすごくおいしくて。『これはすごいものに出逢ってしまった!』と思い、蔵元さんにすぐ連絡して、東京でも扱わせてほしいと直談判しました」

sake_20191029_02.jpg▲「魚たも」では多彩な「花陽浴」を楽しめる

「『ロ万』を造っている花泉酒造さんは、僕が初めて知った当時は『花泉』という銘柄が人気で、地元でも店頭に並ばないと買えないくらいの蔵元でした。そのころから、僕の中ではアイドル的な存在ですね。その後、地酒専門店に勤めていたところ、営業の方にファンであることを伝えたら意気投合しまして、地酒専門店などへ限定流通させる『ロ万』の開発にも関わらせていただきました」

──「ロ万」を造ったメンバーの一人が、齋藤さんだとは知りませんでした。これはどんなお酒なのですか?

「最初に誕生したのが『一ロ万』。その後、季節ごとに『ロ万だぢゅー』、『七ロ万』、『十ロ万』などの限定品を出していきました。ちなみに、「だぢゅー」とは地元の方言で「この酒飲んみゃれ、うまいんだぢゅー」という言葉からとったもの。翌年からは定番商品の『ロ万』が販売されましたが、さらに蕾が花開くころに『花見ロ万』を発売するなど、少しずつラインナップを増やしています。いずれもやさしい甘みと旨味のハーモニーが絶妙で、温めてもおいしくいただけますよ。『かすみロ万』と『しもふりロ万』の上澄み部分だけを瓶詰した、"革命君ロ万"こと『ロ万Revolution』もあるんですが、これは闘病中に社長の星さんが『復帰したら造る』と約束してくださっていたもの。実現したときは本当にうれしかったですね」

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──闘病中の齋藤さんを支えてくださった酒蔵さんも、多かったと聞いています。

「入院したときに真っ先に駆けつけてくださった『若駒』(若駒酒造/栃木県)さんなど、多くの酒蔵さんに支えられました。『若駒』はラベルに描かれた馬のように、天馬空を行くオリジナリティのあるお酒です」

──病から復帰するうえで、酒蔵の皆さんとの絆が本当に支えになったのですね。

「そうですね。治療中で飲酒できなかった時期に出逢った『信州亀齢(しんしゅうきれい)』(岡崎酒造/長野県)の蔵元さんにも、本当に感謝してもしきれません。『長野の酒メッセ』でこのお酒の香りを嗅いだとき、自分が扱ってきたお酒に相通じるものを感じて、『闘病中の身だから今は飲むことができないけど、僕の勘でこれは絶対いいお酒だからお取引させてほしい』とお願いしたんです。しかし、復帰を目指していたものの体調が思わしくなく退職を決意したところ、"卒業"するその日に岡崎さんから自分宛てに『新酒のサンプルを送りたい』とお電話があったんです。そこで事情をお話して、自分の酒屋を開業するまでお取り置きしてほしいとお願いしました。約1年かかりましたが、その間ずっと蔵でサンプルを預かってくれて、ようやく飲めるようになったときには、想像以上の味わいに感極まるものがありましたね」

最近齋藤さんが新たに発掘した、オススメの日本酒とは


──齋藤さんの日本酒道に欠かせないお酒はありますか?

「初めて衝撃を受けたお酒は、『村祐(むらゆう)』(村祐酒造/新潟県)です。問屋で働いていた24歳のころに出会ったのですが、ドイツワインの世界観を表現した斬新な味わいに衝撃を受けました。"秘すれば花"の言葉がまさしくぴったり。先入観を持つことなく、目の前の日本酒を五感で感じることの大切さを教えてくれた一本です」

──最近出逢った銘柄の中でも、オススメのものを教えてください。

「一昨年の試飲会で出逢った『三春 五万石』(佐藤酒造/福島県)は大きなインパクトを与えてくれました。その味わいは、"キラキラと輝く粒子を思わせる甘味、透明感が交わりあっている様"とでも形容したくなるもので、自分にとってはダイヤの原石のように思えました。その他だと、OLをしていた蔵元の娘さんがUターンして、澄川酒造場で修業して造った『La+YACHIYO ROOM』(八千代酒造/山口県)。まさに、とっておきの"空間"でのひとときを想起させてくれる一本です。2019年に彗星のごとく現れたこの日本酒を、都内で最初に扱ったのは『革命君』なんですよ。常温保存できるものなら、『辨天娘(べんてんむすめ)』(太田酒造場/鳥取県)がオススメです。一切ブレンドすることなく、一つひとつの仕込みタンク順に"1番娘"、"2番娘"......と名前を付けて蔵出ししているこのお酒は、熱燗にするとおいしいですよ。僕自身、試飲の勉強をしていて気づかされることも多くて楽しいです」

sake_20191029_04.jpg▲それぞれに異なる味の辨天娘。燗をつけるとおいしいのでこれからの季節にぴったり

──最後に、齋藤さんの今後の目標を教えてください。

「一人でも多くの人に、自分がいいと思うお酒に興味を持ってもらえるよう、これからも情報を発信し続けたいです。あとは、自分がモットーとしている"日本酒のすそ野を広げる"の実現のためにも、自分の意思をついでくれる後継者にも出会いたいし、自分と同じく病気と闘っている人に希望を与えられるよう、"サバイバー"としてもひたむきであり続けたいですね」

【取材協力】

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「革命君」
住所:江戸川区西小岩3ー35ー7
定休日:日曜日(※日曜日以外は不定休)

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「魚たも」
主な日本酒銘柄:花陽浴、射美、流輝、ロ万、村祐 ほか

※この記事内の店舗情報は、2019年10月29日時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。

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