自分らしい相撲を取るために。より強くなるために。彼女たちは今日も土俵に入る!

2017.08.02

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ゲスト・日本大学相撲部 女子部員/写真右から、今回の放送のヒロイン・鳥井本聖奈さん、副主将の松尾清香さん、主将の兼平詩織さん。


スポーツ界で、芸術の世界で、さらには料理やビジネスの世界で。今、新しいステージへ挑戦し続ける人がいます。この番組では卓越した才能と努力で、常識を覆す彼ら彼女らの"運命の日"までを濃密に取材します。ウェブでは放送内容をさらにお楽しみいただけるよう、ゲストたちのさらなる素顔にせまっていきます。


今回は、数々の力士達を世に送り出してきた日本大学の相撲部で、切磋琢磨している女子部員達にフィーチャーします。相撲と言えば男だけの勝負の世界。実はそんな固定観念が、覆されつつあるのをご存知でしょうか。1997年に初めての全国大会が開催されたのを皮切りに、体重別の階級制で行われる女子の新しいスポーツとして、現在では世界中に競技者が増加中。日本女子相撲連盟では、オリンピック競技入りを目指して、国内に限らず、国際相撲大会の開催にも励んでいます。そして、国内の女子相撲の強豪校のひとつと言えるのが日本大学の相撲部。男子と共に練習に励む3人の女子アスリートたちの胸のうちとは――?

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兼平志織(かねひらしおり)さん・文理学部4年生・主将


――兼平さんは女子の主将。43人いる相撲部員のうち、女子はわずかに5名ですが、少数精鋭の女子相撲界の中でも知らない者はいない存在として、幼い頃から試合で結果を出してきました。昨年行われた第17回全国選抜女子相撲大会では中量級(65キロ以上80キロ未満)で優勝、無差別級での準優勝を始め、幾つもの大会で優勝をしています。


兼平:主将に選ばれた理由は自分でも分からないんです。背が高いからでしょうか(笑)。相撲は子供の頃からやっていましたが、実は高校を卒業した時点で一区切りつけようと思っていました。というのも高校を卒業したら、警察官になりたかったんです。ちなみに警察官になる夢は、今も諦めていません。それでも高校時代は、両親や周りからは「このまま大学へ行って相撲を続けるんだよね?」と期待されていて、そんなみんなからの期待に対して、「相撲はもういいよ」って、少し抵抗というか、意固地な気持ちにもなっていて......(笑)。それでもやっぱり続けようと思ったのは、副主将をしている清香(松尾清香さん・4年生)の存在が大きいです。
私は青森県、彼女は九州と出身は違うのですが、女子相撲は競技人口が少ないので、清香とは交流がありました。初めてできた同い年の相撲友達だし、ライバルでもあったし。その清香が「大学でも一緒に相撲やろうよ!」って。その言葉で腹をくくれたというか......。高校を卒業してからさらに4年、土俵で戦おうと日大に入部と進学を決めました。今、清香とは寮で一緒に生活しています。相撲からプライベートのことまで何でも分かり合える、親友以上の存在ですね。本人を目の前にすると、恥ずかしくてそんなことはあまり言えないんですけれども(笑)。厳しい練習も試合も、清香がいたからこそ乗り越えてこられたと思います。


――これまで数々の国際試合、国内試合で結果を残してきた兼平さん。自らの相撲をこう分析します。


兼平:私の相撲は猪突猛進型。技を器用に使いこなすタイプではなく、対戦相手に向って、ひたすら前へ前へと進む闘い方が特徴だと思います。大学に入ってからは、体重を15キロ増やして階級を変えました。入学した時は61キロでしたが、現在は76キロです。体力がつき、今のほうが自分らしい相撲を取れていると思いますね。体が出来上がったことで、精神的にも自信がつきました。

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松尾清香(まつおさやか)さん・文理学部4年生・副主将


――主将の兼平さんが絶大な信頼を寄せる、副主将の松尾さん。身長は153㎝と決して大きいほうではないですが、小学生の頃から大会で優勝経験を持ち、昨年の第4回全国学生女子相撲選手権大会でも軽量級(50キロ~65キロ未満)で優勝しています。


松尾:私の場合は体格的に大きな相撲を取るのが難しいので、相手の下に潜り込むことが重要だと考えています。まずは相手のまわしをしっかり取ってから、ぶれない有利な形を取り、そこから前に押したり、投げたりと、技から勝負へ持ち込んでいくのが理想の相撲なんです。頭を使いながら体を動かしていきたいんですけど、まだまだ体から先にぶつかっていきがちで、そこは今後の課題かな、と考えています。


――子供の頃から相撲一筋の生活を送ってきた松尾さん。中学・高校も相撲を続けるために、実家から離れた学校へ通いました。そして日大の相撲部に進学を決めたのは、こんな理由がありました。


松尾:男子も女子もトップレベルという環境は、やっぱりモチベーションが上がります。女子寮があることや、稽古場に土俵が二面もあるのも、他の大学では考えられない状況なんです。それでも入学したての頃は、想像以上のレベルの高さに体がついていけず、「稽古で泣いて、試合で笑え!」の部訓通りに、何度も泣きました。私も、同い年の志織(兼平さん)がいてくれたからがんばれたと思います。
今は後輩を指導する立場にもなりましたが、人へのアドバイスって、そのまま自分にも跳ね返ってくるんですよね。上級生になって、それまでは自分一人だけのものだと思っていた相撲が、「みんなで作り上げていく相撲」なんだなと、見方が変わった気がしています。女子相撲は競技の歴史が浅いので、全国でも本格的な指導者がまだ少ないのも課題のひとつ。今は目の前の試合に取り組むことに必死ですが、今後は後輩の育成も考えていきたいと思っています。


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鳥井本聖奈(とりいもとせな)さん・スポーツ科学部2年生


――そして今回の放送の主人公でもあり、兼平さん、松尾さんの強豪に続くホープとして期待されているのが、2年生の鳥井本さん。高校時代には、世界ジュニア女子相撲選手権の団体戦と無差別級で二冠に輝いた実績の持ち主で、昨年は2つの大会で、1年生ながら準優勝を収めました。取材日も、男子学生を相手に土俵内で稽古に打ち込んでいる姿が印象的でした。


鳥井本:男子と一緒の練習で、学べることはたくさんあります。私の弱点は、立ち合いの時に自分が前に出る角度へ体を持っていきにくいことなんです。そこで今は、自分の相撲の形を作る練習をしているんですけれども、女子同士だと100対100の力で組み合うから、形を作る前に勝敗が決まってしまう。力のある男子が相手だと、自分が形を作るところまで力を受け止めてもらえるので、"どうすればいい相撲がとれるのか"と、頭で考えながら稽古ができるんです。


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――鳥井本さんは、兼平さんと同じく青森県の出身。兼平さんは幼い頃から憧れの先輩だったと言います。


鳥井本:そうですね。同じ県の中で対戦することもあり、強くて憧れの存在でした。今は同じ女子寮で生活しています。女子寮ではみんな、相撲の話もしますけど、本当にくだらない話でも盛り上がっていて。音楽を聴いて一緒に踊ったり、TVを見たりとか。お笑い系も好きですし、『YOUは何しに日本へ?』もたまに観てます(笑)。相撲は奥が深いスポーツで、自分らしい形を取るのは本当に難しい。私の場合、強くなるためにはもっと体重も増やしたいし、今は体作りで足りていないところを稽古で補っています。あと2年ある学生生活の中で、自分の相撲を追求していけたらと思っています。


――相撲にかける女子達の熱い青春。強豪校ゆえのプレッシャーや、ライバル校の選手との戦いの結果はいかに? オンエアは8月6日&13日です。本放送のヒロイン・鳥井本さんの行方、そして4年生の兼平さん&松尾さんにとっては最後になる学生選手権までの過程と『運命の日』の結果を、ぜひご覧ください!


【番組概要】
番組名:「運命の日 ~ニッポンの挑戦者たち~」
放送局: BSジャパン BS7ch 全国無料放送
放送日時: 毎週日曜 夜10時放送
ナビゲーター: 小泉孝太郎
番組公式HP: http://www.bs-j.co.jp/official/unmeinohi/

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