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悲劇そして感動...”旭山動物園”のベテラン飼育員に密着:運命の日~ニッポンの挑戦者たち~

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BSテレ東

2018.3.20 「運命の日」~ニッポンの挑戦者たち~

スポーツや芸術、ビジネスなど、様々な世界で新しいステージへ挑戦し続ける人たちがいる。

彼らは卓越した才能と努力で、自身の運命を切り開くことができるのか?
その"運命の日"までに密着取材した心が熱くなるドキュメンタリー「運命の日~ニッポンの挑戦者たち~」。
ナビゲーターを小泉孝太郎が務める。


-23℃、真冬の旭川市。ここに世界中から多くの人々が訪れる場所がある。


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日本最北端の動物園、旭山動物園。寒さをものともしない動物たちに人々は釘付けになる。
そしてその動物たちを陰で支えているのが飼育員の皆さん。彼らは旭川市役所の職員であり、多くが地元旭川の出身。
ヒグマなどの猛獣を担当しているのは大西敏文。大西は、国内でも例の少ない希少動物の繁殖に次々と成功している。


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生まれくる命の一方で救うことができなった命もあったという。極寒の動物園で動物たちが迎える運命の日とは?


北海道のほぼ中央に位置する旭川市。ここ旭山動物園は年間およそ150万人の人が訪れる人気スポットだ。寒い日には-20℃を下回るが、お客さんたちは雪景色の中の動物たちの姿に夢中だ。氷点下の寒さの中、動物たちはどのように暮らしているのだろうか。


数千人の人々が列を成し、登場を待っているのはキングペンギンの行進。


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南極に暮らす彼らにとってこれくらいの寒さはへっちゃらだ。このかわいらしいペンギンたちの姿がSNSで世界中に拡散され、多くの外国人観光客が旭山動物園を訪れる。


旭山動物園では18名の飼育員が働いている。エゾヒグマ、アムールトラ、ユキヒョウなどの猛獣を担当する大西。
動物たちが大きな声で威嚇して恐ろしく思えるが、実は彼らもこちらのことが怖いのだという。そしていかに彼らの気持ちを汲み取り、寄り添ってやれるかが大切なのではないかと大西は話す。だからこそ、扉の開け閉めや掃除一つを取っても、動物たちに余計なストレスがかからないように注意を払う。


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旭川出身の大西は子どもの頃から動物が大好きで、旭山動物園には何度も足を運んだ。成長した大西は迷わず旭川の市職員の仕事を選ぶ。最初は用務員として6年間中学校に勤務。2006年には念願叶って旭山動物園の飼育員となる。
特に好きな動物はいるのか尋ねてみると、特定の動物を好きにならないようにしてはいるが、自分が繁殖した動物にはやはり思い入れがあるとのこと。実は大西は2016年、2017年とユキヒョウ、アムールトラ、アムールヒョウなどの繁殖に成功している。これは国内でも非常に珍しいケースだ。


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出産の際、非常に神経質になる動物のために大西は木製の産箱を作り、中は暗く、落ち着いて出産出来る環境を整える。今では旭山動物園の人気者、アムールトラのナージャとソーンも、大西が作った産箱で生を受けた。


しかし中には悲しい出来事もあった。ユキヒョウの担当になって1か月。大西がユキヒョウの気持ちを汲み取る間もない時期に出産を迎えることとなってしまった。慌てて産箱を作ったが、産箱に慣れる時間が十分でなかったため落ち着かず、寒さなどの原因で生まれたばかりのユキヒョウが死んでしまったのである。次の朝、産箱を見てみると、肉食動物である母親は我が子を食べてしまっていた。残されていたのは頭蓋骨と背骨だけ。それを回収する時の切なさと落ち込みは今でも大西の中に深く残っている。物言わぬ動物たちの気持ちくみ取ることの難しさ、大切さが身に染みた。


だが嬉しいことに、翌2016年、ユキヒョウは産箱にも慣れ、もう一度元気な赤ちゃんを産んでくれた。物言わぬ動物たちだが、自分の作った産箱で出産し、子を育ててくれたと言うことが、動物からの「これでいいんだよ」という答えなのではないかと話す。


旭山動物園には女性の飼育員もいる。飼育歴18年のベテラン・佐藤和加子(37歳)だ。


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北米に住むシンリンオオカミは彼女の担当する動物の一つ。集団で鹿などを捕獲して暮らすシンリンオオカミ。旭山動物園ではアルファというリーダーを中心に群れで生活している。野生に近い環境で暮らしている彼らだが、個体同士の関わり方など、見れば見るほど分かってくるので面白いと佐藤は語る。中でも一番好きな行動は遠吠えだそう。


そしてここ旭山動物園では彼らの遠吠えを必ず聞くことができる時間帯があるとのこと。それは閉園間際の午後3時15分。園内に閉園アナウンスが響くと、オオカミたちは一斉に動き始める。そして遠吠えを始めるのだ。

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遠吠えは、縄張りの主張や遠くの仲間とのコミュニケーション手段だという。そしてこの遠吠えは、近々訪れる動物たちの運命の日に非常に重要な役割を果たす。動物園の夜を彩るイベント「雪あかりの動物園」。静まり返る夜の動物園で夜行性動物の姿を堪能してもらおうというものだ。目玉は闇夜に響くオオカミの遠吠え。


次回の「運命の日」では、「雪あかりの動物園」を紹介する他、旭山動物園が抱える問題に迫る。

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番組情報INFORMATION

「運命の日」~ニッポンの挑戦者たち~

「運命の日」~ニッポンの挑戦者たち~

今、新しいステージへ挑戦し続ける人がいます。 時にスポーツ界で、芸術の世界で、さらには料理やビジネスの世界で。 この番組では、そんな彼ら彼女らの〝運命の日〟までを濃密に取材。 主人公はその卓越した才能と努力で、これまでの常識を覆すことはできるのか? 誰にだってある〝運命の日〟に迫ります。

放送日時:BSジャパン 毎週日曜 夜10時

出演者

ナビゲーター:小泉孝太郎

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