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「日本に住む」ことを選んだ外国人にスポットをあてる「ワタシが日本に住む理由」(毎週月曜夜9時)。伝統文化や伝統工芸、四季折々の光景、和食の味、日本人の性格など、日本人が気づかないニッポンの魅力を、彼らの生活ぶりとあわせて紹介します。
4月9日(月)の放送に登場したのは、アメリカ出身で日本在住9年のショーン・コリガンさん。アメリカの豪雪地帯、マサチューセッツ州ボックスフォードからやって来たショーンさんは、故郷と同じように雪深い秋田県北秋田市で暮らしています。
秋田弁に苦労しながらも、秋田人の温かさにほっこり
ショーンさんにとって、日本に触れるきっかけとなったのは15歳の頃に見たコミック「ドラゴンボール」。ショーンさんは「アメリカのコミックは1話で全部解決するけど、『ドラゴンボール』はキャラクターが少しずつ強くなっていく」と、日本のマンガの魅力を語ります。
17歳で日本語の個人レッスンを受け始めたショーンさんは、19歳の時にはマサチューセッツ州立大学で日本語を専攻。初来日して北海道大学で1ヶ月間の留学生活も体験しました。留学中は「アメリカでは高級品のヒツジの肉を、安く美味しく食べられる」ジンギスカン料理にハマったとか。さらに、21歳の時にも再来日して兵庫県の関西学院大学に1年間留学しました。
日本への興味を深めていったショーンさんは、大学卒業後の2010年に「JETプログラム」で北秋田市を訪れます。JETプログラムとは、小中学校で外国人たちが生きた英語を教えるカリキュラムの一つ。JETプログラムに応募した当初、ショーンさんは赴任先として留学経験のある北海道や兵庫県を希望したものの、決まった赴任先はなぜか北秋田市でした。
知らない土地に少しだけ不安を感じながら北秋田市に降り立ったショーンさんですが、すぐに日本の雪国の虜に。その理由を「人が本当に親切」と明かします。
また、秋田弁は日本人でも聞き取るのが難しいものですが、ショーンさんも北秋田市に来たばかりの頃は秋田弁に苦労した様子。「どんなに一生懸命聞いてもまったくわかりませんでした」「大学で日本語を4年間勉強したのに...(笑)」と、当時の戸惑いを冗談交じりに語ってくれました。
神秘的な樹氷を見て「どう言葉で表わせばいいかわからない」
「寒いけど、やっぱり人の心が温かい」という北秋田市。その居心地の良さに魅せられたショーンさんは、JETプログラムの任期を終えた後も日本に残ることに。2016年から北秋田市の教育委員会でJETプログラムコーディネーターとして働き、現在は秋田美人の妻と双子の息子と暮らしています。
また、秋田人の温かい人柄と同じくらいショーンさんのお気に入りになっているのは、美しい大自然。雪が降り積もった北秋田市を歩きながら「自然に恵まれているところが大好き」「田んぼと山の風景の移り変わりをずっと見ていたい」と、土地の魅力をにこやかに語るショーンさん。VTRの中では、伝統行事の「葛黒の火まつり」や秋田内陸縦貫鉄道の車窓から眺める雪景色、マタギの発祥とも言われる北秋田市阿仁なども案内してくれました。
そんなショーンさんが大好きな風景の一つとして挙げたのは、森吉山の樹氷。現地を訪れたショーンさんは「神秘的でどう言葉で表わせばいいかわからない」と感慨深げに話しました。