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塩分をとりすぎると高血圧になる?「主治医が見つかる診療所」レギュラー医師の循環器内科医・秋津壽男先生に健康相談!

ライフ

テレ東

2018.4.27 主治医が見つかる診療所

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10年以上愛されて続けてきた知的エンターテイメントバラエティ「主治医が見つかる診療所」。この番組では、現役で活躍中の医師たちが出演し、医療に関するさまざまな情報を分かりやすく解説してくださいます。


同番組のレギュラー医師に、読者から寄せられた健康情報についてお聞きしている「主治医の小部屋」。今回は、循環器内科医の秋津壽男先生に相談してみました。


Q:塩分のとりすぎは「生活習慣病のもと」といわれますが、そもそもなぜ塩分をとりすぎるのは体によくないのでしょうか? 一方で、これからの季節は汗をかくことも多いので、適度な塩分補給も大事といわれています。上手な塩分とのつきあい方を教えてください。


「まずは、なぜ塩分が人間にとって必要か、というお話をしましょう。私たち生き物は、海の中を泳いでいたところから丘にのぼり、両生類から爬虫類、ほ乳類へと進化してきました。私たちの血の濃さは、海水の塩の濃さに近いんです。だから、今でもうがいをするときや目を洗うときなどは、普通の水よりも生理食塩水のほうが馴染みがいいんですね。


ところが、ほ乳類は海から離れてしまったために、そう簡単には塩分をとることができません。アフリカのゾウなんかは、岩塩のある洞窟まで行き、塩をなめていたりします。それくらい大事なものだから、せっかく摂取した塩分を簡単に尿として排出しないように、ほ乳類には腎臓の中でもう一度塩分を回収するシステムができたのです」(秋津先生、以下同)


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「江戸時代に塩田ができて大量に塩が手に入るようになるまでは、塩は非常に貴重なものでした。ただ、今は簡単に手に入りますから、あらゆるものに塩分が濃くなっています。今の日本では、塩分が足りないという人はまずいません。日本食は世界的にもよい食事と言われていますが、欠点は醤油を使いすぎること。例えばお弁当についているソースやお醤油を使わなくても、塩分をとりすぎているんです。病院に入院した時に出される食事は味が薄いと感じるでしょう? あれが(本来人間に)適切な塩分の食事なんです。


だから、今はケチケチして塩分を体の中で溜めておかなくてもいいのだけど、体質は簡単には変わらないため、私たちは摂取した塩分を体に溜めてしまいます。その残った塩分は水分を吸い寄せるために、血管の水分が増える、つまり血液の濃度が薄くなるんです。それが高血圧やむくみの原因になります。


塩分をとりすぎたら、体外に出す手段は汗か尿しかありませんから、水分を摂取することは大事です。ですが、尿を作り塩分を出すときには腎臓に負荷がかかるため、腎障害を起こしやすくなります。水分さえとれば塩分を摂取してもいいというわけではなく、やはりはじめから塩分を控えることが大切なんです」


―― 一方で、夏な熱中症対策として、適度な塩分補給も大事といわれます。


「今は、会社員の方でも夏は冷房の効いた電車やオフィスにいることがほとんどです。汗をかきませんから、追加で塩分をとる必要はありません。夏に追加で塩分の摂取が必要なのは、肉体労働をしたりスポーツして大量に汗をかいたりする人、あるいは冷房のない部屋で過ごす高齢者の方くらいです。そうではない人は、夏でも減塩を心がけてください。汗をかくことで必要な塩分が放出されることが問題なのですから、逆に冬場であっても大量に汗をかく人は塩分の補給が必要です」


Q 30代の会社員ですが、健康診断で高血圧と診断されました。高血圧になるメカニズムとその弊害、対策について教えてください。一方、妻は低血圧です。こちらのメカニズムと弊害 、対策についても教えてください。


「高血圧の最も大きな原因は、先ほどお話ししたように、塩分が水分をひきとめて血液量が増えることです。他には血圧を調節するホルモンのバランスが崩れることによるもの、緊張・興奮・ストレスによるもの、そして遺伝的なものが考えられます。


なぜ、高血圧になるとまずいのか。庭に水をまくホースを思い浮かべてください。高血圧はホースに大量の水が勢いよく流れている状態です。そのため、実はすごく調子がよくて元気になるんです。若くて高血圧の人は、朝からバリバリ働き、仕事のパフォーマンスも高かったりする。
ただ、庭のホースであれば、そのうち膨らんだり破れたりしても取り換えればよいですが、人間の血管は交換ができません。ホースが膨らむ状態が、いわば高血圧による大動脈瘤。ある日パン!と破れて中の水が飛び出す状態が、大動脈破裂です。死ぬまで血管が耐えてくれればいいのですが、残念ながら40歳、50歳くらいになるとこれまでのダメージが積み重なり、血管事故を起こしてしまうんです」


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「高血圧は男性のほうが多いのですが、それは「子育てをしている間は長生きしてほしい」という神様のサービスなのか、女性ホルモンがある間は動脈硬化があまり進まないんです。ところが、50歳過ぎて女性ホルモンがなくなると、女性も男性と同じように、動脈硬化になりやすくなります。スタートが遅い分、女性のほうが脳血管事故が少なく、長生きするんですね。


一方で、低血圧というのは、高血圧のまったく逆で、血圧を調整するシステムがうまく働かない状態です。走ったり、緊張したり、日常生活の中で血圧は変動しますが、上の血圧が普段から70~80くらいまでしか上がらない人を低血圧といいます。脳に血が巡らないので、立ちくらみを起こしたり、ぼーっとしたりします。ただ、その分、実は長生きするんです。
長生きしたければ、低血圧でぼーっとしていればいい(笑)。まさに、太く短く生きるのか、細く長く生きるのかが、ここで決まるんですね。


若い頃にダイエットをして低血圧になった女性でも、年齢を重ねて体重が増えれば血圧は上がりますし、60歳をすぎて高血圧になる人もいます。低血圧では、立ちくらみで倒れる際にけがをしたりしない限り、死に至ることはほぼありません。そのため、あまり研究が進んでおらず、高血圧の薬が200~300種類あるのに対し、低血圧の薬は2種類くらいしかありません。


低血圧を治したければ、高血圧の予防と反対のことをすればいいんです。塩分を多く摂取し、太り、ストレスをかける...(笑)。例えば朝起きてすぐシャワーをあびたり、顔をパンパンと叩くと血圧は上がります。立ちくらみで倒れたときは、横になり頭に血が戻ってくれば治ります。


私は低血圧の人には1日1つ梅干しを食べることを勧めています。塩辛いものを食べると腎臓に負担がかかりますし、将来、年をとって塩分制限が必要になったときに急に薄味に戻るのは難しいでしょう。でも梅干し1個ならやめればいいですし、ただ塩を舐めるより栄養もあります」


人間にとってなぜ塩分が必要なのか、高血圧と低血圧のメカニズムがよく分かりました。秋津先生、非常に分かりやすいお話をありがとうございました。


今回話を聞いた秋津先生も出演する「主治医が見つかる診療所」は、毎週木曜夜7時58分から放送中です。次回放送をお楽しみに!レギュラー医師の皆さんの「主治医の小部屋」の特集もまだまだ続きます。

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。

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主治医が見つかる診療所

主治医が見つかる診療所

医者や病院の選び方、病気に応じた治療方法…医療に関する様々な疑問に、スタジオに集結した現役医師たちが一挙お答えします。新しいスタイルの“医者を選べる”知的エンターテイメントバラエティ番組です。

放送日時:テレビ東京系列 毎週木曜 夜7時58分

出演者

【司会】草野仁、東野幸治  【アシスタント】森本智子(テレビ東京アナウンサー) 【ゲスト】 秋津壽男(循環器内科)

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