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テレ東
衣替えの季節です。冬に大活躍したフェイクムートンのコートや、ダウンジャケット、夏場は使わない羽毛布団など、家で洗えるものは自分で洗って、クリーニング代は押さえたいですよね。実はこれ、自宅で洗えるものもあるんです!
生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時28分~放送中)では、毎回さまざまな専門家がレギュラー出演。番組で「お洗濯のコツ」をご紹介してくださる、ライオン株式会社お洗濯マイスターの大貫和泉さんに、衣替えの時期にぴったりの自宅でできるお洗濯のコツをうかがってきました。
ゴールデンウィークは衣替えの絶好日和!
衣替えや冬物の寝具の収納は終わりましたか?
「衣替えは、可能であればゴールデンウィークが終わるまでに行ったほうがいいんです。洋服を食べる害虫がゴールデンウイーク明けの時期から成虫になり、干している衣類に卵を産み落とす可能性があるためです。その前にキレイにしておきたいですね。とは言っても、気候が安定しないと、まだこのセーター着るかも......としまえないですよね」(大貫さん、以下同)
衣替えの第一歩として、まずは家で洗えるもの、洗えないものをしっかり分別! 家で洗えないコートやセーターはクリーニングへ! 残りの衣類もまとめて一気にやりたいところですが、「もう着ない」「もしかしたらまだ着る?」などに分類して、もう着用しないものから順に手をつけたほうがよさそうです。
まずは洗濯表示をチェック!
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年間携わってきた"お洗濯のプロ"である大貫さんは、「下記のどれかの表示がついていれば、自宅で洗えるんですよ」とアドバイス。まずは、衣替えする洋服の洗濯表示をチェック! 下記のような『家庭洗濯』できる表示があるものは、洗濯に挑戦してみましょう!
衣替えの前にしっかり汚れを落とす!
「どんな衣類も共通しているのが、衣替えの前にしっかり汚れを落とす!です。皮脂汚れが残ってしまうと時間と共に酸化して黄ばみになったり、ホコリなどがついて黒ズミになってしまう可能性があります。ちょっと面倒くさいのですが、しまい洗いの時は、前処理を忘れずに行うことが重要です」
★しまい洗いのポイント
(※標準コースで洗える衣類の場合)
襟、脇の下など部分的に黄ばみが出ている場合は、液体酸素系漂白剤を塗布してから、通常のお洗濯をします。広範囲に黄ばみができている場合は、40度程度のお湯に、洗濯1回分の洗剤と液体酸素系漂白剤を洗面器に入れて、衣類を漬け置きし30分から2時間。その後は、洗面器の液ごと洗濯機に入れて他の衣類と一緒に洗えばOK!
「皮脂汚れはもちろんですが、白ワインなどぱっと見わからなくても、来シーズンに着ようとしたら、大きなシミが残っていた!というお話もよく聞きます。危ないなと思ったら、液体洗剤や液体酸素系漂白剤を塗布してから通常通り、お洗濯しておきましょう」
皮脂汚れや食べこぼしは、シミになるだけじゃなく虫食いの原因にもなってしまうので、ここは面倒くさい!と言わないで、しっかりと前処理を!
ダウンコートも家で洗える!
この冬流行したフェイクムートンやロングカーディガン、さらにダウンコートも自宅で洗濯可能なものも。どのご家庭にもありそうな冬物衣類の洗い方や干し方のポイントをご紹介します。
★ダウンコート・フェイクムートンの洗い方
洗濯表示を必ず確認! 家庭洗濯できるものなら、オシャレ着用洗剤でやさしく洗いしましょう。
1. 洗濯表示を確認する。
2.オシャレ着用洗剤を使う。
3.気になる汚れがあれば、オシャレ着用洗剤を塗布する。
4. やさしく洗う。
ライトダウンは、ファスナーやボタンを閉じ、畳んで洗濯ネットに入れ、洗濯おけにオシャレ着用洗剤を手洗い濃度に薄めた洗剤液の中で、やさしく押し洗いする。洗濯おけの水を入れ、同様に押し洗いする操作(すすぎ)を2回行う。ダウンコートが洗濯おけに入らない場合は、洗濯機をおけ代わりにして、手洗いする。
フェイクムートンはファスナーを閉じ、畳んで洗濯ネットに入れ、手洗い、弱水流、ドライコースでお洗濯する。
洗濯ネットは畳んだコートがぴったり入るサイズを使用。あまり小さいと洗浄力が弱くなる。
5.脱水は洗濯機で1分程度または、バスタオルで挟んでタオルドライ。
6.風通しの良い場所で陰干しを。
ダウンコートは、ある程度乾いてきたら、身ごろや袖を両手ではさむようにして軽くたたきながら、中の羽毛をほぐす。
「『家庭洗濯』可能なマークがついていれば、ご自宅で洗えます。襟や袖口に汚れがあるか確認。ファンデーションなどの汚れなどがあれば、オシャレ着用洗剤を塗布して、容器のキャップの底で軽くたたき、洗剤をなじませましょう。絶対にこすらないでくださいね!」
「手洗い」「弱水流」モードで洗うと、まったく濡れていない部分があったりします。こうならないためにはどうすれば良いのでしょうか。
「上に浮いたままお洗濯が終わってしまうんですね。浮きやすい衣類は、洗濯機に水が溜まったら、洗濯機を止めて衣類を手で沈めてから洗濯をスタートさせましょう。特にフェイクムートンは浮いてくるので、必ず一回沈めてくださいね」
しかし、ダウンコートは例外だと大貫さん。
「ダウンコートは水鳥の羽根なので、洗濯機でお洗濯しても浮いたまま洗濯が終わってしまいますので、必ず手で押し洗いしてください。洗った後は、1分くらい脱水をかけても良いのですが、メーカーによっては洗濯機での脱水NGの商品もあるので、衣類についているタグや、洗濯表示の裏などに記された注意書きも確認しておきましょう。洗濯機での脱水NGな場合は、バスタオルで挟んでタオルドライをしましょう」
ダウン類は乾きにくいので、2~3日かけてゆっくり乾燥。ギュっと握って水分が手につかなくなるのが目安だとか。ここで半乾きのまま保管してしまうと匂いやカビが発生する原因になるので、しっかりと乾かしたいですね。
★ロングカーディガンの干し方
ハンガーを3本使ってM字干しに!
「ロングカーディガンなどの丈の長いニットをそのままハンガーにかけて干すと、濡れた重みで丈が伸びる、ハンガーの跡がつく、ポケットの型崩れなどがおこります。ハンガーを3本使ってM字干ししましょう。その時、ハンガーにタオルを巻いておくと、すべり止めやハンガー跡の防止にもなります」
★もこもこのルームウエア
もこもこがへたってしまっては台無し。洗濯後、干す前にタオルで毛並みを整えましょう。
「上下別々の洗濯ネットにいれて洗ってください。さらに柔軟剤も入れるとより肌触りがよくなります。洗濯が終わったら、乾いたタオルで毛並みを整えてください。伸びやすい素材なので、平干し用ネットの使用をおススメします」
★制服やスーツ
テカリ防止効果の洗剤でお洗濯して、テカリを抑えましょう。
「テカリ防止用効果のあるオシャレ着用洗剤を使って、洗濯機の手洗いコースや弱水流コースでやさしくお洗濯してください。洗うことによって、テカリが目立ちにくくなりますよ。干す時は、肩幅に合わせたハンガーにかけ、袖やズボンの裾に丸めたタオルを入れて乾かせば皺にもなりにくいので、アイロンをかけないでそのまま着ることができます」
来シーズンに気持ちよく着るためにも、この衣替えが頑張りどきですね。
衣替えワンポイントアドバイス
さらに、大貫さんからワンポイントアドバイスをいただきました。
「衣類をしまう時にいれる防虫剤、みなさん衣類の下にいれたり、衣類で挟んでしまったりされる方もいらっしゃいますが、防虫剤は一番上に置いてください! 防虫剤は、その成分が気体になって下のほうに広がっていきます。ですから、衣類の一番下に入れると、効果が全体に行きわたりません。
さらに、収納ボックスやタンスの中にぎっしり衣類を詰め込まないで、隙間をつくると防虫効果がよりあがります。また、衣類を重ねて収納するのではなく、本棚形式で立てていれたほう取り出しやすいですよ」
今までクリーニングに出すしかなかったコートやスーツ、さらにはカシミアのニットなども、「家で洗える」ものが増えてきています。そして、オシャレ着用洗剤があれば、思った以上に簡単に自宅で洗濯できそうです。クリーニングに出そうと思っていた衣類の洗濯表示を見て『家庭洗濯』できるマークを確認したら、挑戦してみてはいかがでしょうか。
取材協力:大貫和泉さん。有消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきた「お洗濯」のプロ。お洗濯に役立つ情報を発信中! オススメ洗剤などの情報もチェック!
オフィシャルHP:https://lidea.today/
大貫さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時28分からのOAも要チェックです!