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自分にあう漢方薬の見つけ方とは!?「主治医が見つかる診療所」レギュラー医師の漢方・丁 宗鐵先生に健康相談!

ライフ

テレ東

2018.5.23 主治医が見つかる診療所

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病院の選び方のコツや今すぐできる健康法など、知りたかった医療のあれこれに答える、知的エンターテイメントバラエティ「主治医が見つかる診療所」。毎回テーマに沿った情報を、第一線で活躍する医師たちがさまざまな角度から解説しています。


さて、今回はレギュラー医師として出演中の漢方専門医・丁 宗鐵先生への質問です。皆さんは薬局で買う漢方薬にこんな説明文があるのを見たことはありませんか? これを読むと自分に合った漢方薬の見つけ方がわかります!


Q:風邪のひき始めに効くと聞いて、薬局で「葛根湯」を購入しました。すると、添付文書に「体力中等度以上」という言葉があるのを発見。これってどういう意味なのでしょうか?

「人はそれぞれ病気に対する反応性や経過に違いがあります。漢方医学では、その人が持つ体力や病気の起こり方、病気に対する抵抗力などから体の状態や症状を見極めて、その人に合った治療を開始します。これを「証を立てる」というのですが、このとき陰陽・虚実・寒熱・気血水などの"ものさし"を用いて、総合的に証を見立てていきます」(丁先生、以下同)


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「質問の「体力中等度以上」というのは、この証の中でも、体力の充実度や病気に対する反応性のバロメーターとなる「虚実」に関係する言葉です。簡単に表すため虚実の証を"体質"という言葉に言い換えると、体質には実証・中庸・虚証があり、中間の中庸を健康な状態と捉えます。これが体力中等度ということですね。


実証は、気力・体力が過剰になっている状態で、病気に対する抵抗力が強く、回復力にも優れているタイプ。ただし、体力に自信がある分、病気に無頓着で、気づいて病院へ行った頃には重症になっていたということも少なくありません。エネルギッシュで声に張りがあり、徹夜も平気。食欲旺盛で食べるのも早いですが、1食ぐらい食事を抜いても問題なく活動できます。実証に傾きすぎると、糖尿病や通風、心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こしやすくなります。


一方の虚証はというと、気力・体力が低下していて疲れやすく、病気に対する抵抗力も弱いため、寝ついてしまうこともしばしば。しかし、体調の変化に敏感な分、こまめに休んだり病院へ行ったりするので、意外と大病にならないことが多い傾向があります。痩せ気味か水太りの体型で、青白く冷えに弱いところがあり、体温も血圧も低め。寝食が乱れると活動性に大きく影響します。このタイプは精神的ストレスに弱く、胃腸の病気や感染症にかかりやすいので注意が必要です。


こうした体質の違いがあることを知っておくと、市販薬を選ぶ際の基準にもなるんですね。「体力充実」とあれば実証の人、「体力中等度以上」とあれば中庸〜実証の人、「体力中等度またはやや虚弱」とあれば中庸〜虚証の人、「体力虚弱」とあれば虚証の人に向いていると考えれば、自分に合った漢方薬も探しやすくなります。


話は少し変わりますが、実はこうした虚実の考え方は、社会や子どもの育て方にも当てはまります。例えば、小学校の給食の時間。5分で食べ終えて校庭に飛び出す子もいれば、時間いっぱいまでかけても食事が終わらない子もいます。前者は実証、後者は虚証体質の子どもなんですね。また、実証の子は集中力が高く、ムリがきくので、短期決戦の受験には有利だったりします。競争社会では自慢の子どもといえるかもしれませんね。
しかし、だからといって実証の子のほうが優れているのかといえばそうではありません。むしろ自分のペースがわかると、年齢とともに伸びるのが虚証タイプ。人間国宝になるような大器晩成型には虚証体質が多いのです。


虚実のどちらかに傾いた状態は、前回もお話しした「未病」の状態です。大事なのは中庸の体質に近づけるということ。体質は年齢や遺伝、生活習慣、食事などによって変化するのですが、特に現代社会では忙しい日常に振り回されて実証になりがちです。実証の傾向があると感じたら、疲れや病気を感知できなくなっていることを自覚して、ブレーキをかけることが大切なんですね」


Q:夏バテになりやすく、暑くなりかけると今年もこの季節が来たかと思ってしまいます。体質改善のために、食生活をどのように見直せばよいか教えてください。


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「病気や体調不良は日頃の生活習慣や食生活が原因であることが多く、不規則・不摂生な生活は未病を引き起こします。それを防ぐために、日本では江戸時代の頃から「摂養」という考え方があり、各人が普段から健康に気を配っていたんですね。摂養は養生・摂生・保養の3つの概念からなるのですが、そのうちの養生には漢方医学での重要な治療の一つ「食養」が含まれています。


食養とは、玄米菜食を中心とした伝統的和食を漢方的にアレンジした体によい食事や食べ方のことです。食養のポイントにはいくつかあって、代表的なものに、食べる時間に規則性を持たせること、甘味・辛味・酸味・苦味・うま味をバランスよく取ること、お腹を空っぽにして寝ることなどが挙げられます。食事はダシやスパイスで工夫した、塩分を控えた薄味の和食が基本と考えるとよいでしょう。


また、「個の医療」である漢方医学では、消化吸収能力にも個人差があると考えます。例えば、虚証体質の人は、もともと消化能力が低く体が冷えやすいので、消化のよい温かい食べ物が適しているんですね。質問の夏バテについても、体の冷えや胃腸機能が低下することで引き起こされることが多いですから、体を温める温熱性の食材を選ぶことが大切です。食物繊維や納豆、ヨーグルト、粕漬けなどの発酵食品もおすすめですよ。近頃は食材に季節性がなくなりつつありますが、基本的に夏野菜や暑い地域が原産の食材には、体を冷やすものが多くあると覚えておきましょう。それと、虚証の人はくれぐれも食べ過ぎに注意が必要です。


なお、冷たいものの取りすぎはもってのほか。体を芯から冷やし、未病の原因になります。暑いからといって冷えた飲み物をガブ飲みすれば、胃腸機能を低下させるだけでなく、新陳代謝や免疫力も低下させてしまうんですね。これは実証の体質であっても同じです。体の負担になることに変わりありませんよ」


――丁先生、ありがとうございました。漢方医学には先人の知恵や経験が詰まっていることがわかってきました。自分に合った体調の整え方についても教えてください!


今回お話を聞いた丁先生も出演する「主治医が見つかる診療所」は、毎週木曜夜7時58分から放送中。テレ東プラス編集部では、今後も健康にまつわるさまざまなお役立ち情報をお届けします。次回放送もお楽しみに!

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。

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番組情報INFORMATION

主治医が見つかる診療所

主治医が見つかる診療所

医者や病院の選び方、病気に応じた治療方法…医療に関する様々な疑問に、スタジオに集結した現役医師たちが一挙お答えします。新しいスタイルの“医者を選べる”知的エンターテイメントバラエティ番組です。

放送日時:テレビ東京系列 毎週木曜 夜7時58分

出演者

【司会】草野仁、東野幸治  【アシスタント】森本智子(テレビ東京アナウンサー) 【ゲスト】虻川美穂子、飯尾和樹、石田純一、内山信二、高畑淳子、元木大介 【医師】秋津壽男(循環器内科)、岡部正(内分泌内科)、上山博康(脳神経外科)、丁宗鐵(漢方)、中山久德(内科・リウマチ科)、姫野友美(心療内科) 【ゲスト医師】銅冶英雄(整形外科)、柱本満(糖尿病代謝内科) ※五十音順

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