牛すじの煮こごりに、粗挽き牛入りコロッケ! ホルモンの町のまかない飯:昼めし旅~あなたのご飯見せてください
毎日食べる「ご飯」、おいしいお店を紹介するグルメ番組は沢山あるけど、実際は一体どんな人がどんなものを食べているのでしょうか? ニッポンの「リアルなご飯」にスポットをあて、「あなたのご飯見せて下さい」を合言葉に、リポーターが旅を敢行する「昼めし旅」(毎週月~金曜 昼11時40分~)。時には観光スポット、時には田舎、そして地元の駅前や商店街など、芸能人や番組スタッフが様々な場所へ旅をしながら、その土地ならではのお昼ご飯や人気店、魅力的なご飯を紹介します。
7月12日(木)の放送は、岡山県津山市でご飯調査。津山市は江戸時代から織田信長の家臣・森蘭丸の弟・森忠政が築城した津山城の城下町として栄えてきました。
レポーターのやしろ優さんが見つけたのは、「幸せホルモンあふれる旅。津山市」という津山市のポスター。津山市は、7年前に津山ホルモンうどん研究会がB-1グランプリで団体2位をとったのをきっかけに、全国的にホルモンの町として知られるように。
今日はこのホルモンの街で、どんな素敵なご飯に巡り合えるでしょうか?
姉弟で営むカフェ風精肉店のお昼ご飯は?
観光案内所で紹介してもらったのは、映画『第48作 男はつらいよ 寅次郎紅の花』のロケ地にもなったという城東むかし町。まずはそこを目指して歩いてみることに。
すると、一見おしゃれなカフェのようなお肉屋さん「山本精肉本店(MEAT&DELICAヤマモト)」を発見!
お邪魔すると、コロッケなども販売するフードスペースもあり、早速やしろさんはおすすめの「山ちゃんコロッケ」(140円/税込)を味見!
粗挽き牛が入っているコロッケは、「クリームコロッケかっていうくらい柔らかくておいしい」とやしろさん。
中世の頃から牛・馬の流通拠点だったという津山。
ご主人の山本栄作さんと、そのお姉さんである明美さんが切り盛りしているこのお肉屋さんのショーケースには、聞いたことのないお肉がズラリと並びます。
「ヨメナカセ」は、仕込みが大変で嫁が泣いていたということから名づけられた、牛の血管。「干し肉」は、肉に塩を振って天日干ししてあるもの。「煮こごり」も牛のものは珍しいそう。お店のご厚意で、こちらも味見することに。
牛すじのアキレス腱の煮こごりは、「味が濃そうだけど、おいしい牛の味もすっごい出てて。羊羹みたいに食べてますけど(笑)」とやしろさん。豪快な食べっぷりにお店の明美さんも「気持ちいいな、食べ方!」と笑顔。
そこで例のお願いを...。
「あなたのお昼ご飯見せてくださ~い」
知人からいただいたというカレーがあり、昨夜は辛くてマヨネーズを入れて食べたという明美さんでしたが、お昼ご飯もそのカレーだそう。
「それでよければ」とOKしてくれました!
料理が好きな友人が作ったというカレーは醤油麹とひよこ豆、鶏肉が入っていて、コクがあります。神社のお祭りのリハーサルで集まりがあり、そこで振る舞われたカレーの残りを鍋ごともらってきたという豪快さです。
夫婦によく間違えられるというお二人ですが、実際明美さんは、弟の考えていることがなんとなくわかるそう。栄作さんもうなずきます。
「1回ケンカをするとめんどくさいことになる」そうですが、そんなやりとりから二人の仲の良さが伝わります。これからも、津山のおいしいお肉屋さんとして、姉弟仲良くがんばってくださいね!
焼き肉屋さんのホルモンまかない飯!
続いて向かったのは、ポスターに描かれていた歴史の街。
昔ながらの情緒あふれる建物が並ぶ、城東重要伝統的建造物群保存地区にやってきました。
江戸時代の城下町として栄えたこの地区。長屋形式の建物には「虫籠窓」と呼ばれる虫かごが由来の塗り壁の窓や、犬除けとされた「犬矢来」という防護柵などがあり、当時の雰囲気そのままです。
歩いていたお父さんに声をかけると、やしろさんが気になっていた家の方でした。
「この丸いのはなんですか?」と家の前にあった車輪を指すと、「大八車の輪っか(車輪)」という返事。大八車とは、江戸時代から昭和初期にかけて米などの荷物運搬に使われたもので、「子どもの頃には現役で家にあった」とのこと。
家は船宿だというお父さん。近くにある吉井川は交通手段として高瀬舟が使われていたそうで、このあたりは船宿が多いのだとか。
街並みの関係で前の家とほぼ原形が同じなのだといいます。窓も大正時代の葉ガラスです。
これから夕飯の買い物に行くというお父さんについていこうとして断られてしまったものの、家の中を少し見せてくれました。
城下町の古物コレクターのお父さんは、茅葺き屋根を手入れするために使われる「刈込鋏」や、茅葺き屋根の芽をたたいて揃える道具「コテ」など、いろいろな古物を集めているそう。家にはたくさんのコレクションが。「物を大事にせにゃいけん」とお父さん。
たくさん見せていただいたものの、ご飯調査は叶わず! 残念です。
ロケは苦戦し、すっかり夜に。どうしてもホルモンが食べたいということで、やしろさんは焼肉屋さんを訪れることに。見つけたのは、「焼肉 千恵」の看板。
お店に撮影許可をもらってお邪魔します。
さすがホルモンの街、メニュー表ではサーロインよりもホルモンが先に並んでいます。
創業60年を超える老舗焼肉屋「千恵」は、ご主人の坂藤巧さんと女将さんの晴美さん、甥っ子の仁彦さんの3人で切り盛り。お昼や夜ご飯にはまかないを食べるそうなので、早速お願いを...。
「あなたの夕ご飯見せてくださ~い」
もう食べてしまっていましたが、お店のご厚意で「ちょっと焼いてみますから食べてください」と特別にまかないを作っていただけることに!
ハラミをとったあとに骨に残った部分、そずり。これはいつもアルバイトのみんなで食べる部位だそう。このそずりを、切った玉ねぎと合わせて焼きます。牛のタンも先のほうは使えないのでまかないに使います。ハツ(牛の心臓)、スジ(横隔膜)も1人前に足りないものはまかないに。すべて鉄板で焼き、たれで味付けを。醤油ベースの秘伝のたれはちょっと甘めのお味です。
焼肉の煙を浴びながら、「最高なんですけど、この煙! これだけでごはんがいける」と大興奮のやしろさん。
こちらが焼肉店「千恵」のまかない。お店で出さない部位やあまりもので作られているのに、これで1人前とボリューム満点です。
そのままでもおいしいですが、丼ぶりにご飯を盛ってその上に乗せると豪華な焼肉丼の完成!
こちらも、お肉の歯ごたえと甘めのタレがご飯に合います。
「これをまかないで食べられる言うたらアルバイトは喜びます」と仁彦さん。晴美さんも、元気でいられる秘訣は毎日のお肉だといいます。
「どんなお店にしたいとかありますか」と尋ねると、仁彦さんが「最後においしいと笑って帰ってくれたら」そう率直な思いを語ってくれました。
これからもお客さんみんなに愛される焼き肉屋さんを続けてくださいね!
「テレ東プラス」では、毎週1回、「昼めし旅」から学べるまかない飯を紹介していきます。ルーティーンばかりで昼飯、夕飯に悩んだら...ぜひ一度、「昼めし旅」をのぞいて見てくださいね。