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血液検査で脳腫瘍はわかるのか? 気をつけるべき”初期症状”

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テレ東

2019.8.14 主治医が見つかる診療所

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「主治医が見つかる診療所」(8月15日木曜夜7時)は、皆さんが知りたい医療の疑問に、第一線で活躍する医師たちが優しく答える知的エンターテイメントバラエティ。病院の選び方のコツや今すぐできる健康法など、最新情報を交えて発信しています!

今回のWEBオリジナル企画「主治医の小部屋」では、同番組のレギュラー・上山博康医師に、「もしかしたら脳腫瘍を疑うべき?」という視聴者の疑問に答えていただきました。日常で起きたらすぐに受診したほうがよい症状に注目してみましょう!

頭痛のほか、てんかん発作に要注意


Q:50歳女性です。最近起床時に頭痛がするようになり、それが脳腫瘍の症状の一つにあてはまると聞き、受診すべきか迷っています。脳腫瘍は血液検査でもわかるというのは本当なのでしょうか。また、脳腫瘍に関して、すぐに病院で検査したほうがいいと思われる症状があれば教えてください。

――上山先生、血液検査で脳腫瘍の有無がわかるのでしょうか。

「基本的に血液検査ではわからないですね。転移性脳腫瘍や特殊な下垂体異常によるホルモン産生性の腫瘍(下垂体腺腫)であればわかることもありますが、まずその前に症状が現れます。下垂体腺腫の典型的な症状は、巨人症(子ども)や先端巨大症(成人)など。最近、女性お笑い芸人が治療したことで広く知られるようになりましたが、下顎などが肥大して顔つきが変わったり、手足が肥大したり、体幹部が肥満になったりする病気です。

もう一方の転移性脳腫瘍は体のがんが脳に転移したもので、見つかったときには最も進行した状態のステージⅣに分類されるいわゆる末期がんです。あまり積極的な治療を行わないケースも多い状態です」

――血液検査だけでは診断が難しいことも多いのですね。

「ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏らが、2018年に血液中からアルツハイマー病の原因となる蛋白質 "アミロイドβ" を検出して測定する方法を確立し、血液検査で将来アルツハイマー病になる可能性が示唆されると話題になりました。現状ではわからないことも、将来的にはいろいろなことが血液検査でわかる時代が来るかもしれません。

がんの存在を示す腫瘍マーカーもそうです。今明らかにわかっているのは、大腸がんの一部などで高値になるCEAと、最も顕著にあらわれる前立腺がんのPSAくらいで、その他の腫瘍マーカーは増加しているからどうということはわかりません。これらもさらに研究が進むことが期待されています。

話は逸れますが、がんについては血液検査以外にもいろいろな検査方法が出てきています。中でも期待しているのは "線虫" という小さな生物。がん患者の尿を好む性質があるので、集まるようであれば、がんがあると考えられるわけです。においでがんを発見する "がん探知犬" による検査も体に負担なくできて、がんの早期発見に貢献しそうです。ただし問題なのは、こうした基礎研究には国からの助成がないということ。防衛費にお金をかけるくらい、ぜひ国民の健康を守ることにも関心を寄せてほしいですね」

shujii_kobeya_20190814_02.jpg画像素材:PIXTA

──ところで、相談者は起床時の頭痛を気にしているようですが...。

「寝ているときに脳圧(頭蓋内圧)が上がる人は、頭痛で目が覚めることが多い。ただそれが、睡眠時無呼吸症候群で酸素が足りなくて脳が腫れているのか、ビタミンA過剰症で脳圧が亢進しているのか、脳腫瘍があるのか、原因はさまざまです。急激に脳圧の亢進をきたしたならば、脳腫瘍は悪化した状態といえるでしょう」

──脳腫瘍にも良性と悪性があるようですが、どのような違いがあるのですか。

「良性・悪性は腫瘍の性質のことをいっています。植物に例えると、良性腫瘍はユリやヒヤシンス、チューリップのような球根から育つ植物。球根を取り除いてしまえば、翌年に生えてくること(再発)はありません。一方の悪性腫瘍は根を張り、駆除してもいくらでも生えてくる雑草タイプ。土をコンクリートに替えても生えてくるものもあり、中にはタンポポのように遠隔転移するものもあります。
再発を防止する治療として、一般的には腫瘍を臓器ごと切除する方法が取られたりするわけですが、脳の場合はそれができないということが他の臓器とは違う点だといえます」

──脳腫瘍の場合、頭痛のほかに注意が必要な症状はありますか。

「てんかん発作ですね。脳腫瘍において、てんかんは成人の男女ともによく見られる症状で、脳の一部が異常興奮することで起こります。40〜50代になって初めてあらわれたのなら脳腫瘍を疑ったほうがいいでしょう。

脳というのはコンピュータの基盤とよく似ています。脳で出血があると、血液中の蛋白質などは白血球が処理しますが、ヘモグロビン(鉄)は美味しくないので置き去りにされてしまいます。これでは基盤の上に安全ピンが置いてあるのと同じ状態、通電してバチっとしますよね。それが脳で起こるのがてんかんです。
ちなみにてんかんは、一回起こすと、脳にてんかんの病巣をつくります。すると定期的に発作が起きたり、体調が悪いときに反復したりするようになります。そのため、コンデンサの役割をする痙攣(けいれん)止めの薬(抗てんかん薬)を飲む必要があるんですね。

さらに痙攣に関していうと、子どものときに熱性痙攣(高熱とともに起こす痙攣)を起こしている人は、思春期以後に痙攣発作を起こすリスクが高いことがわかっています。これについてはさまざまな報告がありますが、その一つが、出生時、産道を通るときに約6割が頭蓋内出血を起こしていたというもの。それが治らないまま残ってしまうと発作という形であらわれるようになりますが、どうして残るのかという研究はまだ進んでいないのが現状です。思春期以降に痙攣発作が起きる背景には、もっと別の病気が隠れていることも考えらえます。

ともあれ、頭痛や痙攣が起きたら、迷わずすぐに専門医を受診して検査してください。そこで脳腫瘍が見つかれば、助かる可能性は十分にあります」

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──上山先生、ありがとうございました!


【上山博康医師 プロフィール】
社会医療法人禎心会脳疾患研究所所長。1973年北海道大学医学部卒業。秋田県立脳血管研究センター、北大医学部脳神経外科講師などを経て、1992年から旭川赤十字病院脳神経外科部長。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医。
2012年4月から現職。著書に「すべてをかけて命を救う」(青春出版社)、「闘う脳外科医」(小学館)など。

今回お話を伺った上山先生も出演する「主治医が見つかる診療所」(木曜夜7時58分から)は、今後も皆さんが知りたかった健康情報をお届けしていきます。

※この記事は上山博康医師の見解に基づいて作成したものです。

そして、明日夜7時58分放送! 「主治医が見つかる診療所【脳の老化防ぐ睡眠法&がん予防する3大ビタミン新常識】」では...。

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医師が乗って患者のもとに駆けつけるドクターカーに密着取材するほか、間違った睡眠だと、認知症になるリスクが健康な人の5倍以上! 最新研究でわかった「認知症になる睡眠・ならない睡眠」、脳卒中やガンの予防が期待できると大注目「ビタミンの新常識」、病院をいくつ回っても治らなかった「危険な痛みの見分け方」など、様々なテーマでお届けしていく。

出演者
【司会】草野仁、東野幸治
【アシスタント】森本智子(テレビ東京アナウンサー)
【ゲスト】敦士、大桃美代子、水前寺清子、ダイアモンド☆ユカイ、山根良顕
※五十音順
【番組主治医】秋津壽男(循環器内科)、上山博康(脳神経外科)、中山久(内科・リウマチ科)、姫野友美(心療内科)※五十音順

出演者続き
【ゲスト医師】石原新菜(漢方内科)、坪田聡(睡眠専門医)、野地雅人(脳神経外科) ※五十音順
【ゲスト管理栄養士】赤石定典(管理栄養士)

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主治医が見つかる診療所

医者や病院の選び方、病気に応じた治療方法…医療に関する様々な疑問に、スタジオに集結した現役医師たちが一挙お答えします。新しいスタイルの“医者を選べる”知的エンターテイメントバラエティ番組です。

放送日時:テレビ東京系列 毎週木曜 夜7時58分

出演者

【司会】草野仁、東野幸治  【アシスタント】森本智子(テレビ東京アナウンサー) 

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