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ホストクラブを束ねるカリスマ経営者に習う「ビジネスで成功する方法」

ライフ

テレ東プラス

2019.8.29

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東京の繁華街・歌舞伎町に「ホストの学校」があるのをご存知だろうか?

これは元々、ホストのコミュニケーション向上を目的としたセミナーで、心理学やNLP(人間心理とコミュニケーションに関する学問)を取り入れた、接客技術向上のためのプログラムとして展開。今では経営者やマネジメント職に就く人も、このセミナーを受講しているという。2018年から女性向けの講習もスタート。すぐにでも実践できる内容で、毎回多くの参加者が集まっている。

今回は「ホストの学校」で講師を務める、巻田隆之さんにインタビュー。ホスト業界最大手の「グループダンディ」で最高執行責任者を務める巻田さんに、その波乱万丈なエピソードもお聞きしながら、ビジネスの場面で使えるコミュニケーション術を教えてもらった。

女性が求めているのは「恋愛」より「ビジネス」!?


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──「ホストの学校」は今まで男性向けに開催してきましたが、女性向けの講習はどんな目的で開催しているのですか?

「女性の社会進出により、優秀な女性経営者やマネジメントを行う方が増加していく反面、人間関係や日々の生活で満たされない気持ちを抱いている方がたくさんいらっしゃいます。僕らの業界は女性の皆さまのおかげで成り立っていますので、そういう方のストレスを解消してもっと活躍できるように、その満たされない気持ちの原因について理解してもらうという目的があります。そしてこの講座を通して、ホストクラブに対して『怖い』とか『騙される』など、マイナスのイメージをお持ちの方々に『安心感』を伝えたいというのが一番の目的です。私自身、たくさん女性に迷惑をかけてきたので、このセミナーで少しでも恩返しが出来ればと(苦笑)」

──女性向けにはどんなテーマで開催してきたんですか?

「ホストクラブということで恋愛講座もありますが、社会的に成功するための目標達成の講座、集客のためのコミュニケーション講座、従業員のマネジメントについての講座など、ビジネス寄りのものもあります。ニーズが多いのは、部下や上司との組織的なコミュニケーションについてですね」

──特に力を入れて教えているのは、どんな内容ですか?

「自分を愛せない自己肯定感の低い女性が多いようですので、コミュニケーション術を学ぶことで、自信を持ってもらえるような内容にしています。来店されるお客様のなかには、どんなに成功していても『お金を払わないと自分と一緒にいてもらえない』と感じている方がいらっしゃいます。自分に自信を持つことで、仕事や異性とのプライベートな時間をより楽しんでいただきたいですね」

──自己肯定感を高めるにはどうすればいいのですか?

「毎回プログラムの序盤で語っているのですが、コミュニケーションとはどういうことなのか、まず考えてもらっています。コミュニケーションは、他者との意思疎通だと勘違いしている方が多いのですが、まず『自分との対話』が大事です。感情的に満たされていない、『イライラ』や『怒り』の状態で他者とコミュニケーションを取っても、決して上手くいきません。まずは『自分の機嫌をとること』を意識したほうがいいと思います。自分の好きなものに囲まれて感情的に満たされていると、自己肯定感は自然と高まります。そういったことを説明するだけでは伝わりにくいので、参加者に実践的なワークの時間を設けて、自発的に気付いていただけるようにしています。潜在意識へどのようにアプローチ出来るのか、それを毎回意識していますね」

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──潜在意識へアプローチするというのは、どういうことなのでしょうか?

「『今日のセミナーでレベルアップ出来るように頑張ろうね』と言っても、人の心を動かすことは出来ません。自分で気付くことで、はじめて『やってみよう』と感じるんです。そのためセミナーの中には、あえて皆さんに気付かれないよう、象徴的な内容を潜り込ませています。例えば、レベルアップの象徴でいうと、ドラゴンクエストの人気キャラクターに『スライム』がいます。モンスターとして作品に登場していますが、その存在を改めて考えてみると、スライムを倒すことで主人公が成長する『レベルアップ』みたいなイメージがあるわけです。このような潜在的に感じられるメッセージを、セミナーの中にたくさん散りばめており、自発的に気付いてもらうことで効果を高めたいと考えています」

「価値観」を知ることが結婚に直結する!?


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──先ほど、自分とのコミュニケーションの話が出ましたが、自分を知るためにはどうすればいいのでしょうか?

「まず自分の価値観を知ることが大切なのですが、セミナーでは『価値観の導出』というプログラムを行なっています。『恋愛で大切なことは何ですか?』などの質問に答えるだけなので、実践しやすいかもしれません」

──どんな風に実践すればいいのでしょうか?

「あまり深く考えずに、『お金』『ときめき』『癒し』などの簡単なキーワードを、10個紙などに書きます。直感的にどんどん書いていくのがポイントです。10個のフレーズが出来たら、それをインスピレーションで優先度順に上から並べていく。パッ、パッ、パッ、と『潜在意識に聞いてくれ』という感じで。これを行うことで、自分の中で漠然と抱いていた価値基準が明確になります」

──たしかに自分が何を大切にしているのか、よく分からない部分もありますね。

「そうなんです、自分の価値基準を本当に理解していなかったり、自分の価値基準がそのまま相手に当てはまると勘違いしているケースも多くあります。相手に喜んでもらえると思って『ドキドキ』や『ワクワク』の体験を提供しても、相手は『落ち着き』や『癒し』を求めている場合があるわけです」

──価値観を共有することが、コミュニケーションの成功につながると。

「成功例でいうと例えば、車を心底好きな友人がいるんですけど、彼が雨の日に愛車で彼女とドライブしていたらしいんですね。信号待ちの時に『来週のデートどうする?』と何気なく彼女に聞いたとき、『洗車行こう!』と言われて結婚を決めたそうです。これは、車を大好きな彼の価値観を、彼女がしっかりと理解していたということですね」

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──ステキなエピソードですね。恋人同士はともかく、夫婦間では色々と価値観が食い違う場面も多いと思うのですが。

「"結婚あるある"のような感じになりますが、恋愛では『恋人気分』や『スキンシップ』が大切だと思っていても、結婚になるとお互いの価値観が変わることも多くあります。彼氏と彼女の関係なら上手くいっていたのに、結婚してから『収入』や『キャリア』が上位にきたりして、関係が上手くいかなくなるわけですね。『人の価値観は変わりやすい』ということを、しっかりと頭に入れておくことも重要かもしれません」

──価値観がコミュニケーションの中でとても重要だということがよく分かりました。この方法はビジネスでも使えますか?

「もちろんです。『仕事で大切なことは何ですか』という質問に対して、同じように直感で答えて、キーワードを上位から並べてみるとよいでしょう。恋愛と同じく、仕事についての価値観も人それぞれなので、自分のそれを明確にしておくことは大切です。また、面接や研修などで相手に同じ質問をして、その回答(価値観)に寄り添うことを意識すれば、良い結果につながりやすいと思います」

──ホストクラブを経営する上でも、これは意識しているのでしょうか?

「それは言うまでもありません。例えば面接で『仕事に求めていることはなんですか?』と聞いたりするのですが、『お金』や『職場環境』など、人によって答えはバラバラです。休みがちゃんととれるのか、保険がちゃんと適用されるのか、そういったことを優先する人もいますね。ホストの業界は店舗間での競争が激しく、良い人材を採用できるかどうかで売り上げが大きく変わってきます。そのため、良いホストを採用し、他店舗に引き抜かれないよう、従業員の価値観に即した環境を提供しています」

地方のボーイをカリスマ経営者に変えた「リフレーミング」


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──コミュニケーションの場面で、嫌な同僚や上司もいたりすると思うのですが、そんな時にはどうすればいいのでしょうか?

「まず、相手と折り合いをつけるべきなのかが問題になってきますが、上手く付き合って行こうとするなら、『リフレーミング』という方法が有効です。物事に対する捉え方、枠組み(フレーム)を変えると、その意味が変わってくるんです。例えば、野球の観戦中に雨が降ってきたとき、観客は『最悪の雨』と感じるかもしれませんが、負けているチームは無効試合になる可能性もあるので『恵みの雨』だと感じます。このように、立ち位置、枠組み、物差しが違うだけで同じ出来事でも捉え方が全く変わってくるんです」

──なるほど、それをどのように使えばいいのでしょうか?

「これは、恋愛の例になりますが、『優柔不断で結婚を決めてくれない彼氏』は、『真剣に考えているので慎重になっている彼氏』とも捉えることができますよね。職場であれば同僚や後輩が仕事で失敗して落ち込んでいるときに、ずっと慰めているわけにもいかないので、『次にいくために良い経験ができたね』とフォローするなど。私たちが開催しているセミナーでは、ネガティブな表現をポジティブな表現に変えるワークも行っています。リフレーミング辞典という本が出ていたりもするので、そういった本を読むことも勉強になるかもしれません。その際に気を付けて欲しいのは、嫌なことがあった時に無理にポジティブにする必要はないということです。『ちょっと視点を変えたら元気になれるかも』ぐらいに考えて、人生を楽しく生きるコツとして意識してみてください」

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──巻田さんも自分にリフレーミングをかけたりすることもあるのですか?

「少し昔話になっちゃいますけど、30歳のときに自分に大きなリフレーミングをかけたことがあって、そのおかげで今の自分があります。僕は20歳から29歳までこの街でホストをやりましたが、当時かなりの売り上げがあったんですね。歌舞伎町のなかでの立ち位置も良くなり、かなり天狗になっていました。自分より偉い人が来ても強気に振舞うことがカッコいいと思っていたんです。そんなことを繰り返しているうちに多くの敵を作って、この街から逃げなきゃいけないような状況になってしまいました」

──歌舞伎町からどこへ逃げたのですか?

「1年間札幌に住みました。それまでは1ヶ月に何百万円も給料をもらっていましたし、道を歩いていれば『おはようございます』と色々な人に言ってもらえるような立場でした。だけど札幌では、誰にも何も言ってもらえない。勤め先もまともになかったので、キャバクラの呼び込みをやっていて、雪の中で通る人に声をかけるのですが、まるでゴミくずのような扱いを受けるんです。それまでの生活との落差がありすぎて、頭がちょっとおかしくなっていたというか、夢か現実かも分からなくなるくらいで。もちろん、色々な人に迷惑をかけた自分が悪いんですけど、世の中をとにかくずっと恨んでましたね。『あいつが悪い』『騙された』とずっと思っていました」

──そこからどうやって現在の立場まで登りつめたのか気になります。

「ターニングポイントは、自分の好きな漫画『三國志』を読んでいるときでした。ヒマ潰しに何気なくページをめくっていたのですが、主人公が悲嘆している場面で思わず手が止まりました。ある登場人物が主人公に語っていた台詞に心を打たれたんです。『神様があなたに大きな成功を任せたいとき、まずはその体を苦しめて、心を苦しめて、今あなたを鍛えてくれているんですよ』と。それを自分の境遇に重ねあわせたときに、全てが腑に落ちて、『神様は俺に何かをやらせようとしている』とリフレーミングをかけることができました。例えば、富士山にはいきなり登れないですから、そのための筋力なのか、装備なのかが必要になってきますよね。だから、『いまは辛いけど、俺はいずれ大きな何かを成し遂げるんだ』って自分に言い聞かせていました。そこからですね、『人生って結構楽しいかも』と思えるようになったのは。ネガティブなことが起こる度に、僕は自分に都合良くリフレーミングをかけるようにしています(笑)」

──リフレーミングの大切さが分かるお話ですね。最後に今後の目標やビジョンを教えていただけますか?

「今は初級編ということで講座を開いていますが、将来的には1週間以上の長期的なセミナーで、NLPの基礎が学べるようなコースも開きたいと考えています。女性向けということでいうと、現在お母さんたちの心のケアをするボランティアなんかも行っているので、もっと多くの人をサポートできるように活動を広げていきたいなと。僕は歌舞伎町をラスベガスやブロードウェイのような、『大人が安心して遊べる街』にしたいんです。そして、学歴がない、運動が出来ない、金がない、コネがない若者でも、『成功をつかめる場所』にしたい。それが僕の夢ですね」

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【プロフィール】
巻田隆之
1972年生まれ。スタッフ1,200名、店舗数40を超える巨大ホストクラブグループ「groupdandy」の最高執行責任者として店舗開発や組織マネジメント、人材育成の為の研修など幅広く活動する傍らNLPを学び多数の資格を取得。2012年より「ホストの学校」を開校し、自ら校長として講義を行う。

【取材協力】
クラブ 愛本店
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-22-5叙々苑第2ビルB1F
電話番号:03-3208-6435
http://www.aidakanko.com/ai1.html

※この情報は、2019年8月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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