• #
  • トップ
  • ライフ
  • 「私、くさい!?」ニオイ専門家に聞いた、残暑の時期に気を付け...

「私、くさい!?」ニオイ専門家に聞いた、残暑の時期に気を付けたい5つの体臭

ライフ

テレ東プラス

2019.9.13

taishu_20190913_00.jpg画像素材:PIXTA

夏の盛りは過ぎたものの、まだまだ暑い日が続いています。このような時期に気を付けたいのがスメルハラスメント。汗や皮脂が出やすくなるため、体臭がキツくなりがちです。

そこで、今回は著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか』を手掛けるなど、臭いと健康の問題に詳しい、内科医の桐村里紗さんにインタビュー。この時期に気を付けたい臭いと、その対策について話を伺いました。

汗をかかないようにするほど、汗臭はキツくなる


──この時期に気を付けたいニオイというと、やはり汗臭の印象が強いです。なぜ、汗が悪臭の原因になるのか、まずはその理由を教えていただけますでしょうか。

「汗にともなう臭いの原因は、人の皮膚や衣類にいる常在菌です。汗をかくと菌が繁殖しやすい高温多湿な状態になるのですが、汗の中にはミネラルなどが含まれるため、これを栄養源とする常在菌が爆発的に増殖するわけですね」

taishu_20190913_01.jpg
──なぜ常在菌が増えると、臭いが出るのですか?

「常在菌は活動する中で代謝物を出すのですが、これが酸性の物質のため、酸っぱい臭いがするわけです」

──常在菌は衣類にもいるということは、身体の汗をぬぐっただけでは臭いは消えないと。

「汗をぬぐった上で、服を着替えないと、臭いが弱まっても消えることはないですね。また、臭いの強さについては、その人の体質も影響しています」

──どのような体質の人は、汗がにおいやすいのでしょうか?

「スポーツなどをしていて、いつも汗をかいている人は、ミネラルが体外に出すぎないように、汗の中の塩分などを体内に再吸収しているんです。そういう人の汗は栄養が少ないから常在菌が繁殖しにくいですし、さらっとしていてすぐに乾きます」

──汗っかきな体質の人ほど、実は汗臭は強くないんですね。

「汗をかきやすいかどうかは、実は子供の頃の環境の差が大きいんです。寒冷地で育つと汗をかきにくく、温暖な環境で育つと汗をかきやすくなる。さらに、日常的に運動したり、入浴習慣がある人ほど、汗はかきやすくなりますね」

──それは汗腺が太くなったりするという。

「何というか、普段から汗をかいていないと、汗を出している汗腺がサボるんですよね。汗に含まれる塩分は血液からこされたものなのですが、汗をかかないようにしていると、、いざ汗をかくと塩分濃度が高くなりしょっぱくなります。でも、日常的に汗をかいていれば、血中の塩分濃度を保つために、自然と塩分の少ない汗になるんです。だから、冬場に汗をかく習慣がない人が、急に熱くなってかきはじめたときの汗が、実は一番しょっぱくてベタベタで、汗臭を発生させやすいんです」

──汗のケアをすべき場所はありますでしょうか。

「やはり脇の下は臭いがこもりやすいですね。あとは、足の匂いも汗が原因となっています。こちらは菌の種類やバランスが脇や全身と違って、イソ吉草酸アルデヒドという代謝物を出すのですが、納豆のような臭いがするんです」

──最近では抗菌や速乾性のインナーウェアなども市販されていますが、臭い対策にも効果があるのでしょうか?

「高温多湿が菌の繁殖する条件なので、汗はなるべく早く乾かした方が良いですね。最近では消臭繊維を取り入れた、臭いの成分を分解する機能を持つインナーもありますが、これも凄いオススメですよ。もちろん程度の問題はありますが、汗が乾いてしばらくすれば、臭いがしなくなります」

──抗菌をうたっているグッズやウェアなどはどうですか?

「常在菌は皮脂を分解し、汗と混ぜて乳液のような保湿剤を作っています。常在菌がいなくなるとアレルギーになったり、雑菌がつきやすくなって体臭が変化したりするので、できれば皮膚を殺菌まではしない方がいいんです。汗とその成分は水で洗い落とせるので、皮脂の分泌が多い部位だけボディソープなどを使い、しっかり洗い流してあげればよいのかなと」

──この夏は、使い捨てのボディシートで、汗をぬぐっている人も良く見かけました。

「この手の製品には殺菌成分が入っているものが多いんですよね。常在菌を殺さなくても、アルコールが入っていれば十分に臭いは洗い流せますので、成分表を見ながら使ってもらいたいです。オススメは臭い成分自体を分解する消臭スプレーですね。それも汗をかいてからでなく、あらかじめ衣類などに振りかけておくと、臭いの発生を抑えられますよ」

世の中の奥様が、家の中で一番キツいと思っている臭いは......


taishu_20190913_02.jpg
「夏は汗だけでなく、皮脂も出やすくなります。皮脂と汗がミックスされた臭いがミドル脂臭です。寝起きの枕に代表されるような、てんぷら油を使い古したような臭いがしますよ」

──枕が臭うということは、皮脂は後頭部から出ているんですか?

「主には頭、胸元、背筋は、皮脂の分泌量が多いですね。毛穴から出てくるものです」

──後頭部というとなかなかぬぐうことも難しそうです。

「最近では頭用の制汗スプレーが市販されているので、そういうものを使うのが良いかもしれません。皮脂は年齢とともに成分がかわり、酸化しやすくなります。この皮脂の原料となっているのが中性脂肪で、メタボな人ほど皮脂が出やすい状況にあるといえるでしょう。アルコールや油物、甘いものなどを過剰に摂取すると、中性脂肪が増えやすいので注意が必要です」

──よく油っこいものを食べると、血がドロドロになると言います。この状態で少しでも運動して汗をかいて、その始末をきちんとすれば、皮脂として体外に出る量を抑えることができるのでしょうか?

「そうですね、運動してエネルギーに代えてしまうというのはアリだと思います。ちなみに、女性は年齢を重ねるほど皮脂の分泌量が落ちますが、男性は年齢による変化がありません。つまり、女性より男性の方が皮脂にまつわる臭い、加齢臭やミドル脂臭は強くなります。さらに、女性ホルモンが皮脂の酸化を抑えているので、男性の方が加齢臭などの酸化した皮脂の臭いは強くなる傾向にあります」

──ということは、中性脂肪の多い男性ほど、ミドル脂臭や加齢臭はキツくなるわけですか。

「臭いの感度も女性の方が敏感なので、男性は気づいていなくても、実は周りの女性にとってスメハラになっていたというケースは多いですね」

──夫婦間だと、奥様の方が臭いに困っていると。

「寝起きの枕の臭いは、汗と皮脂の混合臭ですが、世の中の奥様が家の中で一番キツいと思っている臭いです」

ニンニクの臭いが消えるまでにかかる時間は......


──臭いのキツいものを食べると、汗が臭くなるという話も聞きますね。

「ニンニクや玉ねぎ、ねぎの臭いは汗から出ますね。アルコールも汗に混じるので、臭いの原因になります。これらの臭い成分は、完全に体外に排泄されるまで48時間かかると言われていますね」

taishu_20190913_03.jpg
──そんなにかかるんですか!

「最初は口や舌に付着した臭い、そして胃の中に溜まった臭いが食道からあがってくるのですが、それが消化されると臭い成分が血管に吸収されて、今度は汗から出てくるんです」

──えぇっ、口臭じゃなくて、汗からニンニクが臭っていたんですか......。それは気が付きませんでした。

「あとは、夏バテで胃腸が弱ると、腸内環境が悪くなって便が臭くなります。本来ならこの臭いは肝臓で無臭化されるのですが、ビールの飲みすぎ、ストレスなどが原因で働きが弱っていると、その匂いが血液に吸収されてしまうんです。これもやはり汗とともに体外に排出されてしまいます」

──臭いは全部汗に出るんですね。

「そうですね、血液から濾過されて、汗を介して皮膚ガスとして出ることになります。ストレスを感じる時に出るというSTチオジメタンも、やはり汗から来る臭いですよ。こちらはネギのような臭いがします。ただ、口臭に出るものもあります。よく胃が悪い時にキャベツが腐ったような口臭がするといいますが、これはジメチルサルファイドといって、腸内で発生したものが血管に吸収され、肺で排出されて呼気に混ざるんです」

──ストレスが臭いの原因になっているとは思いませんでした。

「人間は環境の変化が一番のストレスになるので、部屋の外と中の温度差が激しいこの時期は、特に危険ですね。自律神経が乱されて、胃腸が弱くなり、抗酸化作用も弱まって活性酸素などが出やすくなる。汗をぬぐったり、制汗スプレーを使うのもよいですが、根本的に臭いをケアするには、もっと長期的なライフスタイルの改善が必要です」

食後に歯ブラシをしただけでは、口臭はなくならない


──先ほど胃の残留物の匂いが、食道からあがってくるという話がありましたが、やはり口臭は食べたものによる影響が大きいのですか?

「口臭の8割は歯周病が原因ですね。日本人は患者が多く、20歳で7割、35歳で8割の人が歯周病と言われています」

taishu_20190913_04.jpg
──なぜ、日本人には歯周病患者が多いのでしょうか。

「日本人は歯磨きに歯ブラシしか使わないじゃないですか。それだけでは、4割の歯垢を落とし損ねているんです。歯間ブラシを使ってあと2割、水流洗浄器を使ってようやく9割の歯垢が落ちます。残りの1割は歯医者さんでないと無理ですね」

──歯垢が4割残っていては、歯周病の原因になるし、口臭もキツくなると。

「なりますね。歯垢は菌の塊なので、それが口臭の原因になるんです。あとは、食べ物の臭いは舌にもつくので、たまに専用のブラシで優しく撫でて落としてあげるとよいでしょう。ただ、口腔内の環境が良ければ、舌の臭いはそこまで気にならないので、基本は歯間ブラシや水流洗浄器を使うことです。特に、水流洗浄器はオススメですね。凄い臭いの水が出てきて、1度使ったら続けずにはいられなくなりますよ」

──水流洗浄ブラシを使うのと使わないのとでは、そんなに違うのですか?

「歯と歯茎の間のポケットは、歯ブラシではどうしても磨けないので、水流洗浄器を使うべきですね」

──やはり、食事のあとは口臭がキツくなるのですか?

「口臭については歯周病だけでなく、口腔内の病原性の無い菌が原因のものもあります。口の中には、健康な人でも約1000億個の常在菌がいることがわかっています。食事の後は唾液が出ているので、菌を洗い流してくれるのですが、唾液が出ていない時間帯は菌が増えるので注意が必要ですね」

──唾液が出ていない時間があるのですか?

「例えば、スマホに夢中のときは猫背になるので、自然と口が開いて口呼吸になるため唾液が乾きやすくなりますし、ブルーライトが交感神経を刺激することから唾液の量が減ります。プレゼンの前など緊張しているときも、口が乾きやすくなるのと同時に、ストレス臭が増える可能性がありますね」

一緒に読まれています!

この記事を共有する

人気の記事POPULAR ARTICLE

    カテゴリ一覧