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『必死すぎるネコ』のフォトグラファーに聞く、ネコを可愛く撮影するための3つのテクニック

ライフ

テレ東プラス

2019.11.10

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巷のネコ好きに大人気の写真集『必死すぎるネコ』。何かに必死になりすぎているネコたちの、かわいい姿だけを集めた写真集です。その人気からシリーズ展開され、『2020必死すぎるネコ カレンダー』、『必死すぎるネコ 〜前後不覚 篇〜』がリリースされました。

今回は本著のフォトグラファー・沖昌之さんの撮影に同行して、可愛くネコを撮影する方法について伺ってきました。

【テクニック1】スマホやカメラは絶対に出してから近付く!


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──撮影するときは、いつも今日のような格好なんですか?

「そうですね、撮影の時はスウェットなどパジャマみたいなパンツを履いてます。前は普通のパンツだったんですけど、屈むことを繰り返していたらびりっと破けてしまったことがあって(笑)。出来るだけ撮るときのストレスを無くしたいので、いつもこういう動きやすいパンツですね。『屈むのが嫌だな』と思っちゃうと、ちょっとした時間差で撮り損ねることもあるんです。だから、TV番組などにキレイめの服で出演すると、『沖さん、どうしたの!?』と知っている人にいじられますね(笑)」

──いつも何時くらいから撮影を?

「季節によって違うのですが、日の出くらいの時間からですね。夏場は午前5時くらいで、秋になると少し遅くなります。その時間にネコが朝食を食べていることが多いんです。ただ、ご飯を食べている時に撮影するのは避けています。僕らも食事中に声をかけられるのは嫌じゃないですか。それに食後は毛づくろいで舌を出したりするので、その時の方が豊かな表情の写真が撮れるんです。活動的になって遊んだりもしますしね」

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──先ほどから気になっていたのですが、ネコがいても撮らないのはなぜですか?

「休憩していて動かないと思ったら撮りません。『疲れたな』とか、『暑いな』とか思っているかもしれないので、無理に付き合わせたくないんですよ。僕が写真を撮ることで不快に思っているネコもいるかもしれないですけど、なるべくそう感じて欲しくないなと思って」

──ネコの気持ちに寄り添いながら撮影されているんですね。

「猫の日常を撮らせてもらっているので、出来るだけストレスを感じて欲しくないんですよね。無理に何かをやらせたくないので、寝ているだけの写真もありますし。そのスタンスは、ネコを撮るようになってからずっと変わらないですね」

──沖さんのようにネコの自然な姿を撮りたいと思ってスマホを出すと、いつも逃げられてしまうのですが?

「ネコは注意深いので、カメラをバッグから出そうとすると、その音や動きにびっくりして逃げてしまいます。だから、スマホやカメラは、ネコのところに行く前から出しておくのが良いと思います。撮影の設定をしていつでも撮れる状態にしておけば、ネコが動いたとしても、何とかシャッターは切れると思います」

photo_20191110_03.jpg▲(c) Masayuki Oki

──近づくときにも、何かポイントはありますか?

「猫は人をよく見ているので、気負って近づくと絶対に逃げます。でも、近所のおばちゃんがすごいスピードで自転車に乗って来ても、逃げないんですよ。それはなぜかというと、ネコが今まで経験していることだから。最初は驚いたかもしれませんが、何度か経験しているなかで『これは何にも心配がないんだ』と安心して、動かなくなったんじゃないかな。初対面で良い写真を撮ろうと気負わずに、何度かネコのいるところに通った方が良いと思います。そのうちにネコも安心して、自然な表情の写真が撮れるようになりますよ」

──沖さんは、良い写真が撮れずに焦ったりすることはありますか?

「動きが無くて待っていることは多いですが、焦ることは無いですね。こっちが撮りたいと焦ると、『絶対にやってあげない』と裏をついてきそうな気がします(笑)。ネコは何も知らない風に見せているけど、聴覚、嗅覚、視覚などを駆使して、色々な情報から『何もしない』という選択肢を選び取っていると思うんです。耳をパタンパタンさせたりしていて、『こっちの話を聴いてるやん』と思うこともありますし(笑)。良い写真が撮れなくても死ぬわけじゃないですから、『撮れなかったけどネコ可愛いな』で良いと思うんですよね」

【テクニック2】ネコと目線を合わせた「ローアングル」が基本


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──撮影するときに気を付けた方が良いポイントを教えてください!

「気をつけるのは、ネコよりもむしろ背景です。ごちゃごちゃと片付けていないものが写っていると、そっちの方が目立って気になってしまいます。例えば、アスファルトの上で撮影するときでも、ちょっと向きを変えれば背景がシンプルになったりするので、撮影画面の全体を見ながら撮った方が良いと思います」

──たしかに、余計なものが映り込んでいることがよくあります。撮影する角度については、どうすれば良いのでしょうか?

「僕は基本的にローアングル(低い視点から撮影)で、ネコと目線を合わせて撮影しています。ネコは人間よりもかなり小さいので、立ったまま撮影すると、ネコの後頭部が写ってしまったりするんです。それに、普段の人の視点と変わらないので、『それいつも見てるし』と感じるのかなと。写真の良さは"人の見ていない視点で画を作れる"ことだと思います。ローアングルで目線を合わせれば、ネコの見ている世界が分かるんです。ただ、上からの方が可愛い場合もあるので、ネコの性格や動きによって違いますね。例えば、上目づかいになりがちなネコだったら、上から撮ったほうが可愛いですよ」

photo_20191110_05.jpg▲このアングルで撮影すると、下のような写真に

photo_20191110_06.jpg▲(C)Masayuki Oki

──なるほど、女性を上から撮影すると可愛く見えるのと同じような。

「結局ネコは可愛いので、どう撮っても可愛いんですよ。なので、僕以外の誰が撮っても、基本的に可愛いんです(笑)。でも、ローアングルで撮影するのはしんどいじゃないですか。低い位置から撮影するために、腰を下ろしたり、泥で服を汚しながら撮るのは、恥じらいもあるでしょう。それを僕はなんとも思わなくて、それよりもネコをちゃんと撮りたいと思うわけです。四つん這いになっているのを笑われても、『ああそうだよね、笑うよね』ぐらいの感じですね」

──そうやって撮影しているからこそ、飾らないネコの姿を撮れるんですね。

「道路の真ん中で僕みたいな180cm以上のヒゲ面が寝転んだりしているのを見たら、『うわっ』となると思いますよ。朝から僕みたいな人がカメラをぶら下げていたら、周りの人からしたら恐怖じゃないですか(笑)。なので、会う回数が多い人には挨拶をしたりとか、積極的に話しかけるようにしています」

【テクニック3】ネコの表情を3倍可愛く見せる「夜明け前」


photo_20191110_07.jpg▲このタイミングで撮影すると、下のような写真に

photo_20191110_08.jpg▲(c)Masayuki Oki

──沖さんはネコの次の動きを予測しながら撮影していると思うのですが、どんなところに注目すればいいのでしょうか?

「例えばあそこにいるネコは、少し前から身構えて体を細かく前後に動かしていました。身体の動きや表情、目線の先にある対象物などを観察しながら、『動きそうだな』と思ったらカメラを向けます。初めてのネコで分かる場合もありますが、何度も通ってネコの癖や性格を知ることが大切ですね。観察しているうちに、『この子はいつもこの場所で匂い付けするから構えてみよう』などと思えるようになるんです」

──何度も通うことが大切なんですね。

「通っていると、ネコの性格が分かって動きが読みやすいんです。『この子たちが会うとこうなるよね』など、ネコのコミュニティを知った上で、動きを予見してシャッターを押しています。あと、ネコたちは季節によって過ごしやすい場所や時間帯が変わってくるので、常にネコの気持ちになって空気を読むようにしています。人の空気を読むのは苦手ですが(笑)」

photo_20191110_09.jpg▲このネコを撮影すると、下のような写真に

photo_20191110_10.jpg▲(c)Masayuki Oki

──ネコの後ろ姿しか撮れないことがよくあるのですが、おすすめの撮影テクニックはありますか?

「そんな人にオススメなのは、ネコの正面に先回りすることです。ネコは同じスピードで横を歩かれると、『ついてくるなよ』とすごく嫌がります。一方で、最初から居たものに対しては、そこまでストレスが無いみたいです。なので、少し道を迂回してもいいから、ネコの正面にまわっておけば、真正面からの写真が撮れます」

──なるほど! それなら誰でもすぐにできそうですね!

「これは座っているネコについても言えます。立ち上がって次の動作へ移るときに、身体の向いている方に歩き出すじゃないですか。いきなり反転して後ろに歩くことはないので、ネコの正面にいれば、次の動きを捉えやすいと思います」

photo_20191110_11.jpg▲(c)Masayuki Oki

──沖さんの写真に真ん丸の目をしたネコがいて、とても可愛かったのですが、あれはどうやって撮っているのですか?

「ネコは暗いところにいると瞳孔が開くので、目が真ん丸に見えるんです。ただ、撮影できる時間帯が限られていて、基本的には夜明け前ですね。フラッシュを使わないので、写真がブレやすいのですが、地面に肘をついて何とか固定して撮っています。ネコが動かないことを祈りながらの撮影になりますが、耳が頻繁に動くので多めに撮った方が良いと思います。ちょっとでも動くと、ブレた写真になってしまうので」

──最後に、ネコを上手く撮れずに悩んでいる人に向けて、メッセージをいただけますか。

「1回だけの撮影ではなくて、もう少し期間を長く考えた方が良いと思います。『この子は何もしない』と1日で決めるのではなくて、通っていくうちにその子の好きなことや場所、嫌いなことが分かり、何時頃にご飯をあげる人がいるなどの背景が見えて来ます。その中で、たまに良い瞬間に出会えるかもしれないし、もしそれが撮れなかったとしても、『見れたしラッキー』と思えれば良いんじゃないですかね。撮ることだけに執着するとつらいと思います。それよりも、ネコといる時間を楽しむ方がいいような気がします」

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『必死すぎるネコ 〜前後不覚 篇〜』
出版社;辰巳出版
著者:沖昌之

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【プロフィール】
沖昌之
猫写真家。1978年神戸生まれ。家電の営業マンからアパレルのカメラマン兼販売員に転身。初恋のネコ「ぶさにゃん先輩。」の導きにより2015年に独立。猫専門誌『猫びより』(辰巳出版)の「必死すぎるネコ」など連載多数。『ぶさにゃん』(新潮社)、『残念すぎるネコ』(大和書房)、『明日はきっとうまくいく』(朝日新聞出版)、『にゃんこ相撲』(大空出版)など著書多数。2017年刊行の代表作『必死すぎるネコ』(辰巳出版)は5万部突破のベストセラーに。

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