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最近話題のマタハラ、実際どんな被害があるか? 駆け込み相談所の専門家に聞いてみた

ライフ

テレ東プラス

2020.2.17

matahara_20200217_00.jpg画像素材:PIXTA

ここ最近、TVなどでよく見るようになったのが、マタニティハラスメント(マタハラ)関連のニュースです。働く女性なら、「いつ自分の身に起こるのか?」と不安に思っている方も多いはず。男性にとっても、家族がマタハラによって解雇となり、一家の収入が減るとなれば他人事ではありません。

解雇以外にも不当な扱いを受けることがあるマタハラですが、実際に過去にはどのような被害の実例があったのでしょうか? マタハラ被害者などによって立ち上げられたNPO法人「マタニティハラスメント対策ネットワーク(以下、マタハラNet)」の宮下浩子代表理事に話を伺いました。

上司から一言、「同僚に迷惑がかかるんだから、一人ひとりに謝れ」


──何をされたらマタハラなのか、わからない人も多いと思います。まずは、マタハラの定義について教えてください。

「マタハラとは、働いている女性が妊娠・出産・育児をきっかけに、職場で精神的や肉体的な嫌がらせを受けること。さらには、妊娠・出産・育児を理由とした解雇や雇い止め、自主退職の強要といった不当な扱いを受けることを指します。こうした扱いを受けることは、流産や早産の原因にもなりえるのに、マタハラnetへの被害相談は後を絶ちません。2015年11月に厚労省が発表した調査では、(妊娠した女性のうち)正社員の5人に1人、派遣社員の2人に1人がマタハラ被害を受けたとの結果が出ています。ただ、マタハラには法律上の定義がないため、実態を伴った法整備をはじめとする対策が急務です」

matahara_20200217_01.jpg画像素材:PIXTA

──マタハラNetに相談に来た方は、どんな被害を受けているのでしょうか?

「相談の半数以上が、解雇や自主退職の強要といった不利益扱いに関するもので、その次に多いものが心理的ハラスメントです。不利益扱いに関しては、"正社員から非正規雇用へ切り替えられ、給料が数十万下がった"というケースもありますし、"つわりで休みを取ったら『休めていいわねえ』と嫌味を言われた"ことで心身を病んでしまったケースもあります。雇用は継続されたとしても、夜勤の免除が認められなかったり、必要な配慮をしてもらえなかったりと、肉体的に辛い思いをしている女性も多くいるんです」

──何か印象に残っている被害の事例はありますか?

「妊娠期間中の被害としては、『妊娠しているのに長時間立ちっぱなしや休日出勤させられた』、『なにかあったら責任取れないという理由で一方的にクビにされた』、『切迫流産で休んでいる間に退職通知が届いた』、『妊娠したことで一緒に働いている同僚に迷惑がかかるんだから、一人ひとりに謝れと言われた』といったものがありました。妊娠初期に出血が続いても会社を休ませてもらえず、結果的に流産したら、上司から『バチがあたったんだね』と言われたケースもあります」

──そんな扱いを受けたら、精神的ダメージも相当大きいですよね。

「流産してしまった結果、自分を責め続けている方もいらっしゃいます。無事に出産されても、当時のフラッシュバックに未だに苦しめられているという方も多いです」

妊娠前にもマタハラが...。復帰しても不当な配置転換を強制


matahara_20200217_02.jpg画像素材:PIXTA

──産休や育休中のマタハラもあるのでしょうか?

「数多くの相談が寄せられています。例えば、『保育園が決まって復帰予定で社長との面談に出向いたら、産休前の役職と給与はなかったものになっていた。会社の言い分は、「会社組織が変わって新体制になっただけ」というものだった』、『出産前の入院中に自宅付近まで押しかけて退職強要、転職時の不利をほのめかされ、出産直後に強制的に解雇された』といった内容です」

──そんな会社だと、復帰したところで理不尽な扱いをされることは目に見えていますね。

「会社復帰後に受けたマタハラとしては、『半ば強制的に、正社員からパート社員へ変更させられた』、『不当な配置転換に異議を申し立てたら、契約書に判を押さないと保育園に提出する就労証明を出せないと言われた』などがあります。また、妊娠前のマタハラとしては、『2か月に1度程度、上司から妊娠してないか確認されるだけでなく、体外受精や人工授精をおこなっているかも聞かれた』、『内定式の社長あいさつで、女性の方は妊娠しないでくださいと全員に向けて言われた』などがありました」

──どの事例も、「妊娠したら用済み」といった扱いですね。

「実はわたし自身、17年前に妊娠を理由に解雇されて裁判を起こしたことがあるのですが、そのときは『マタハラ』という言葉こそなかったものの、当時と今とで社会で起きていることは変わっていません。この実態を多くの人に知ってもらうことで、今の子どもたちが大人になるころには、『マタハラって何? 昔はそんなひどいことがあったなんて信じられない』という考えが当たり前の世の中になっていればと願っています」

──理想の世の中をみんなでつくっていきたいですね。今日はどうもありがとうございました。

マタハラは、これから妊娠する人、今まさに妊娠中の人に限らず、家族やパートナーを支える男性にとっても大きな問題。「自分は結婚していないから関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、みんなが気持ちよく働ける会社とそうでない会社のどちらがいいかと言われたら、きっと前者がいいと思うはず。そのために今自分にできることを、今一度考えてみたいですね。

【取材協力】
マタハラNet

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