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テレ東プラス
▲photo:Ju Junyong
高円寺にある「白&黒」は、食事メニューも充実している写真バー。お奥にあるテーブルフロアでは、月替わりで写真の展示が行われています。ご自身も写真家として活躍するマスターに、写真とお店についていろいろお伺いしました。
商店街の一角にアート感満載の看板が
JR中央線高円寺駅北口から約2分、にぎわいのある商店街のど真ん中にそのお店はありました。
▲中通り商店街からちょこっと右へ曲がると羽生生先生のイラストが
カッコいいイラスト! お店にゆかりのある漫画家の羽生生純さんの作だそうです。看板からしてアート・カルチャーの街・高円寺らしいワクワク感を醸し出してくれます。
ではさっそく、2Fへ。▲戸口にも羽生生先生のイラスト。そして写真展のお知らせカードも
▲お酒がズラッと並ぶカウンターの向こうに展示エリアが
展示は月替わりで、プロからついこの間カメラを始めたばかりの人まで、さまざまな写真が楽しめます。
そもそも、写真とBARの組み合わせをなぜ思いついたのか。店主のJu Junyongさんにお話をきいてみました。▲店主であり、写真家でもあるJu Junyongさん。後ろの写真もこのポートレートもJuさんの作品
写真の仕事を求めて写真BARに
──なぜ写真+BARなのですか?
「もともと写真の仕事をやりたくて韓国から日本に来たから。98年に知り合いに『高円寺のテナントが空くからやってみる?』って言われて、じゃあやってみようと。それで、『店をやりながら写真の仕事をやるなら、どうしたらいいんだろう?』と考えて、写真BARにしました。すると、編集者さんや写真家さんが集まって、本当に写真の仕事がくるようになったんです」▲Ju Junyongさんの写真展の様子。撮影もご本人
──なるほど~ナイスアイデアです! 98年というと、まだ日本に写真BARがほとんどない頃ですね。革新的! ときに、韓国でも写真のお仕事を?
「私が韓国にいた90年代はまだまだ写真の仕事が少なくて。今みたいに雑誌がいっぱいなかったから、ポートレートを撮っていた程度ですね」▲Ju Junyongさんの作品
──昔の韓国はそんな感じだったのですか。意外です。では、そもそもなぜ写真を始められたのですか?
「小学生の頃に、家にあった親父のカメラを見て『撮ってみたい』と思って。昔はフィルムでしかもマニュアルだったから、あまり上手に撮れなかったんです。それで高校や大学は写真部に入ったり、写真をやっている人のところに通ったりして勉強しました」
──小学生でカメラに興味を持つとは、才能ありまくりですね! ちなみに、好きな写真家は?
「アーヴィング・ペンっていうファッション・広告写真の人が好きですねー。日本だと土門拳さん。でも、写真家が好きっていうのはあまりなくて、人それぞれ『この人のこの写真が好き』という感じです」
▲Ju Junyongさんの作品
頑張る人に貸したいスペースがある
▲Ju Junyongさんの作品
──ここで展示をやりたいと思った場合、審査はありますか?(と、ここで奥様の矢澤浩子さん登場)
「写真展示はいつも募集しています。この雰囲気を理解してくれる方にお貸ししているので、作品を持ってきていただければマスターと一緒に拝見します」(浩子さん)
──作品はどれくらい持っていけばいいのですか?
「1枚ペラッとだと判断が難しいので、ある程度の枚数があった方がいいですね」(浩子さん)
──私のような素人は難しいでしょうか。
「プロかどうかはあまり関係ないです。一所懸命さで決めているので。ただ、さすがに何を撮っているか分からないくらいの方にはアドバイスをさせていただき、『また持ってきてくださいね』と送り出しています」(浩子さん)
──なるほど。では、電話とかメールでは決められないのですね。
「そうですね。私たちがその写真を展示したいかどうかというのもありますが、なによりご本人が、このお店をどう感じるかというのが大事だと思うので。とにかく一度、お店を訪ねて来てください!」(浩子さん)
──了解しました! まずは写真見がてら、飲みに来ます。
プロの写真家さんと写真を見ながら語らうという、豊かな時間が過ごせるお店。「もしかしたら将来ここで展示を!」と夢が膨らみます。目も舌もワクワクする写真バー、皆さんにもおすすめです!
【取材協力】
「写真BAR白&黒」
住所:東京都杉並区高円寺北3-22-7 プラザ高円寺 2F
電話:090-2244-4696
営業時間:18:30~26:00
定休日:日曜日
※この情報は2020年3月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。