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取得希望者が急増中。故人と遺族のケアを行う「海洋散骨アドバイザー」ってどんな資格?

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テレ東プラス

2020.3.15

故人の遺骨をお墓に納めず、海に撒いて見送る「海洋散骨」のニーズが年々増えている。それに伴い、「海洋散骨アドバイザー」の資格を求める人も急増しているという。これはいったいどんな仕事なのだろうか......?

海で故人を見送る「海洋散骨」ってどんなもの?


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近年、事情があって代々のお墓に入るのを望まない人や、墓じまいによってお墓そのものを手放す決断をした人などの間で、「海洋散骨」の選択肢が広がっている。

海洋散骨とは、お骨を粉骨して船で沖合まで運び、船上から海に撒く葬法。株式会社ハウスボートクラブの村田ますみ社長がこの事業をスタートしたのは、2007年のことだった。

「きっかけは、闘病の末に亡くなった私の母が、思い出ある沖縄の海に散骨してほしいと望んだことでした。当時(2003年)は散骨を手掛ける業者はほとんど存在せず、知人に頼んで船を出してもらいましたが、こうした見送り方は今後、社会に求められるようになるのではないかと考えたのが始まりです」

初年度こそ6件の受注にとどまったが、村田さんは本を出版するなどして海洋散骨の周知に尽力。その結果、希望者は急速に増え、2019年には600件以上の受注があったという。

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ルール整備のために日本海洋散骨協会を設立


なお、対応エリアは関東に限らない。村田さんはこれまで、九州や沖縄、さらにはハワイなど、顧客の希望に合わせて各地の海へと飛んできたという。

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こうしてニーズが広がるにつれて、海洋散骨を手掛ける事業者も少しずつ増加。こうなると、漁業を生業とする人たちとのトラブル防止や、環境保全のためにも、ルールの整備が必要となる。

そこで村田さんは2014年に、一般社団法人日本海洋散骨協会を設立。初代代表理事を務め、様々なガイドラインの制定に着手した。具体的には、遺骨の粉骨化を義務づけるほか、散骨場所についても「人が立ち入れる陸地から1海里以上離れた洋上」と定めた。

また、船着き場にはレジャーやお祝い事でやってくる客も多いことから、参加者にはなるべく喪服を避けるよう呼びかけるなど、海洋散骨の啓蒙のために配慮を徹底。昨今、海洋散骨を希望する人が増えているのも、そうした努力の賜物というわけだ。

受験者が急増中の「海洋散骨アドバイザー」とは?


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海洋散骨の認知度が進むにつれ、同協会が認定する「海洋散骨アドバイザー」の資格も注目されるようになってきた。これは一体どのような資格なのか?

「思いがけないトラブルから故人やご遺族を守るために、葬送に関する法規やマナー、船舶や海洋の知識、自然環境への影響、ご遺族の心のケアなど、海洋散骨に関する体系的な知識を持つ専門家を認定する検定になります。海洋散骨アドバイザー、海洋散骨シニアアドバイザー、海洋散骨プロデューサーと、知識量と難易度によって3つの資格があります」

海洋散骨アドバイザーの検定試験は2カ月に1度のペースで実施されているが、毎回、特別な宣伝をしなくても多くの受験希望者が集まる、ひそかな人気資格となっているという。

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受験者は送られてきたテキストをベースに知識を養い、試験当日の講義と筆記テストを経て、認定に至る。

「ただし、誤解しないでいただきたいのですが、海洋散骨アドバイザーの資格を取ったからといって、すぐに仕事になるわけではありません。これはあくまで、海洋散骨や葬送に関する知識を正しく啓蒙できる専門家を認定するものです」

散骨アドバイザーが実際に海洋散骨を受託した場合、所定の紹介手数料が支払われることはあるようだが、資格を取ればすぐに仕事になるわけではなさそうだ。

「もちろん、実際の現場にはこうしたアドバイザーやプロデューサーの資格を持つスタッフが大勢活躍しています。まずはこの検定を通して、正しい基礎知識の習得と啓蒙を目指していただきたいですね」

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村田さんによれば、海洋散骨を経験した人たちからは毎回、「いい思い出になった」、「故人も喜んでくれていると思う」などと、喜びの声が多数寄せられるという。これも、正しい知識を持った専門家のサポートがあればこそ。

時代に合わせた新しい故人の見送り方を学ぶために、散骨アドバイザーを目指してみるのもいいかもしれない。

【取材協力】
海洋散骨のブルーオーシャンセレモニー
一般社団法人日本海洋散骨協会

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