現役作詞家が語る音楽業界の裏事情...アーティストからクレームも?「修正が何回もきて嫌になることもあります(笑)」

――では、ちょっと話題を変えて…。作詞家になって一番うれしかったことは?

「やっぱり、アーティストさんがライブで歌ってくれて、会場のみんなが一丸となって口ずさんでくれたりすると、『あ~作詞家をやっていて良かったな』となります。さらにライブのMCで、アーティストさんが『この詞のここが素晴らしい!』なんて言ってくれたら、『もう生きてて良かった!』みたいな(笑)。
30年以上この仕事をしていると、大昔に作詞したものを再録してCDで発売したり、ベスト盤が出たりすることもあり、そうなると収入にもつながるのでうれしいですね」

――音楽業界に入ってみて、イメージと違ったことはありましたか?

「意外と枕営業はないのねと(笑)。私だけかもしれませんが、若い頃も、仕事をくれるプロデューサーやディレクターからのお誘いはなかったですね。でも、聞いたことがないわけではありません。イケメン俳優さんが歌手デビューし、その時に頼んだ美人作詞家と交際に発展したという話を聞いたことがあります。作詞家としても仕事が欲しいので、絶対に口を割らないし、お互い都合のいい関係みたいですよ(苦笑)」



サブスクの時代になり、収入が減ったことが原因で辞めた作詞家さんも多くいる


sakushika_20221119_02.jpg画像素材:PIXTA

――作詞家になる近道は、なんだと思いますか?

「今は断然、ネットで発表するのがいいと思います。米津玄師さんやYOASOBIなど、すでにネット発のアーティストはたくさんいますので、レコード会社はもちろん、音楽関係者もかなりチェックしています。曲が書けなければ、SNSで募集して頼んで、歌も歌えなければボカロで発表してみてはどうでしょうか」

――作詞家専門の事務所は存在するのでしょうか。

「あります。私も最初だけ、作家事務所に所属していました。当時はちゃんとした作家事務所しかありませんでしたが、10年以上前から作詞家、作曲家を束ねる作家事務所が乱立したせいで、素人作詞家が増えてきたように思います」

――作家事務所が増えた理由は?

「アニメのコンペ仕事が増え、新規参入が気軽にできるようになったからでしょう。小さな作家事務所が乱立した結果、素人作詞家も大量発生しています。いわゆる、コンペに参加しているうちに、運よく1曲だけ作詞家デビューしているような方たちですね。
本業がある方も多く、大手の広告代理店やテレビ局など、定期収入を得られる方は、副業でずっと続けていますが、学生さんなどは就職したりすると、結局そのタイミングで辞めるパターンが多いみたいですね」

――そうなると、作詞専門で続けているOさんのような方は…

「実はかなり少数です。私も30代でイケイケの頃は、このまま右肩上がりに収入も上がっていくと思っていましたが、40代になってガクっと仕事が減ってしまいました。今はコンペも全く通りません。
でも私のように、アニメや子どものうた、J-POPと何でも書く作詞家はあまりいないので、今後は演歌やムード歌謡などにもジャンルを広げて書き続けていきたいです」

――30年に渡って作詞家を続けるにあたり、今と昔で一番の違いはどこにあると思いますか?

「レコードやCDからサブスクの時代になったことですよね。あまりにも収入が減ってしまい、辞めていった作詞家さんも多いです。事務所を立ち上げて経営者になったり、弁護士に転職したり、海外移住して結婚したり…第二の人生も波乱万丈な方が多いので、やはり作詞家はエネルギッシュなタイプが多いのかもしれません」

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※11月20日(日)夜9時30分に公開する「テレ東プラス人生劇場」作詞家裏事情・後編では、気になるマネー事情を深掘りします!

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