伝統の職人技が続々!アメリカ人が、日本一の生産地で「桐箪笥作り」を学ぶ:世界!ニッポン行きたい人応援団
製作期間1週間! 本場の桐箪笥作りに挑戦
「桐の蔵」に戻ったロジャースさん。いよいよ、気密性の高い桐箪笥作りに挑戦することに。
今回作る箪笥は、引き出しが三段。貴重な新潟県津南産の桐を使います。帰国してからも自分で作れるようにと、桑原さんが特別に図面を引いてくださいました。アメリカに持ち帰れるようサイズこそ小さいものの、桐箪笥作りの技術が詰まっています。
図面に従い、まずは本体を作ります。直角になっているかチェックを受け、本体が出来上がると、気密性の意外な秘密が明らかに。引き出しを入れるスペースは気密性が高く、空気の逃げ場がないと引き出しを収納できません。そのため、棚の奥に空気穴を作り、引き出しの出し入れをしやすくしています。

ここからは、引き出し作り。歪んでいると気密性が出せないため、直角を意識するのがポイントです。ロジャースさんも意識はしていましたが「これほど気を使っているとは……」と驚いた様子。「桐箪笥職人は直角命です」と桑原さん。
引き出しを完成させたら、最も重要な引き出しの仕込みへ。引き出しを少しずつ鉋で削り、桐箪笥ならではの気密性を生み出す作業です。鉋を入れすぎて隙間を開けすぎると、ここまでの作業が台無しに。少しずつ削っては引き出しを入れて、確認を繰り返します。
鉋がけの回数は349回、引き出しを出し入れすること41回。ピッタリ入りましたが、進さんから「まだ大きいんだわ、ここが」と指摘が。理想は髪の毛1本ほどの隙間ですが、それでは湿度の関係で開かなくなることもあるため、髪の毛より少し隙間を開けた方が良いそう。さらに少しずつ鉋をかけ、ようやくOKが出ました。

すべての引き出しの仕込みが完了したら、引き出しはそれぞれ大きさが微妙に違うため、間違いがないよう番号のスタンプを押します。そして、引き出しを収めて気密性をチェック。三段目の引き出しを入れると、他の引き出しが出てきました! 指導してくれた進さんも「良かったよ〜」と一安心。喜びのハグを交わします。桑原さんにも仕上がりを見ていただき「グレート!」とお褒めの言葉をいただきました。
ここまで一つの失敗もなく進んできましたが、まだ完成ではありません。これから塗装と金具の取り付け作業が待っています。
まずは、塗装前の白木と塗装後の色の違いを確認。そして、塗装前に必ず行うことが。茅の根を紐で束ねた「宇造り」で、桐の表面に傷をつける「目立て」の作業です。木目には柔らかい層と硬い層があり、宇造りで柔らかい層を削り、木目の美しさを引き出します。
目立てをしたら、塗装に移ります。使用するのは、京都産の砥の粉と呼ばれる土が原料の水性塗料。桐箪笥は呼吸をするため、シンナーやラッカーなどの油性塗装では呼吸ができず、中に入れた衣類が蒸れてカビが生えてしまうのです。
さらに砥の粉塗装には、桐を紫外線から守る役割も。刷毛を使って塗り、乾かしたら仕上げにツヤ出しの蝋を満遍なく塗り込んでいきます。最後に表面を軽く布で拭いて、塗装は終了。ロジャースさんはつるつるになった表面を触り「ビューティフル!」と感動! 自分で作った箪笥の引き出しにも、砥の粉塗装を施します。
ここでロジャースさんから、「本体は『焼き桐塗装』で行いたいのですが…」とお願いが。焼き桐塗装とは、木材の表面を火で焦がして色付けする技法で、木目が模様のように浮き上がるのが特徴。今回桐の蔵を訪れ、初めて箪笥を焼く塗装方法を知ったロジャースさん。この機会に挑戦することに。
最初は、バーナーを使ってお手本を見せていただきます。端が燃えやすいため、燃えたら息で消すか軍手をはめた手で消すそう。もし燃えてしまったら、1秒以内に対処。2秒放置すると形が変わってしまうとか。ちなみに桑原さんは息を吹きかけながら作業し、進さんは手で消していたとのこと。
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焼き桐塗装の方法を教えていただいた後は、アドバイスをいただきながら限られた時間で練習を繰り返し、いよいよ本番へ。ここまでの製作期間は1週間。もし火を1秒以内に消火しなければ、形が変わり、また一から作り直しに。ロジャースさんの表情にも緊張の色が走ります。
内部を焦がさないよう引き出し部分に蓋をして、焦がす作業をスタート。桑原さんたちが見守る中、燃えないよう慎重に炎を当てていきます。
そして、全ての焼きが終了。「不安でしたが、問題なく終えてホッとしています」とロジャースさん。専用ブラシがついた掃除機で箪笥の周りについたすすを取り除くと、美しい焼き色が。延焼防止の蓋を外すと、表面だけが焦がされ、本体には損傷が一切見当たりません。見事、焼き塗装仕上げは成功!
続いて、最後の金具つけ。すると、桑原さんからサプライズが! 「溜色漆桜蒔絵」という、会津の蒔絵職人が作った最高級の金具を用意してくださったのです。漆の上澄みにある上質な「溜色」を使用し、桜蒔絵の桜の花には光り輝く螺鈿貝が使われたこの金具、もう作れる職人がいないそう。
桑原さんが持っているのも、この3枚がラスト。桐箪笥を愛してくれているロジャースさんにならと、大切に保管していた金具を使わせてくださることに。貴重な金具をいただき、ロジャースさんは感動で目を潤ませながら感謝を伝えます。
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金具を取り付け、ロジャースさん渾身の桐箪笥が完成! 細かい柾目が美しい引き出しに、上品に輝く漆の金具。焼き塗装で浮き立つ木目は躍動感にあふれ、引き出しに隙間はなく、気密性もバッチリ。焼き桐と砥の粉のコントラストが素晴らしい桐箪笥になりました。
桑原さんからも、「合格です!」「素晴らしいです」と太鼓判が。
ここで桑原さんから、油箪(ゆたん)のプレゼントが。油箪とは、繊細な桐を汚れや日焼けから守る専用のカバー。完成記念にと、今回作った箪笥に合わせて特別に注文してくださったのです。「ソービューティフル! 感謝でいっぱいです」と大喜びのロジャースさん。
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別れの時。ロジャースさんが皆さんに、ワイオミング州の名産「カウボーイコーヒー」と竹製のカップ、帽子をプレゼントすると、桑原さんは、帰国してからも桐箪笥作りができるようにと、砥の粉塗装に必要な道具一式と立鉋をくださいました。しかも立鉋の箱には、ロジャースさんの名前入り。立鉋を持っていなかったロジャースさんは、「一番欲しかったものです」と大感激!
最後にロジャースさんは「今回は貴重な体験をさせていただき感謝申し上げます。桐の蔵の職人さんたちの元で修業ができたことはとても光栄なことです。帰国してからも心の中では皆さんと一緒に作業しているつもりで頑張ります」と、感謝の気持ちを綴った手紙を読み上げます。
桑原さんも「ロジャースさん、本当に長い間ご苦労様でした。あなたは素晴らしい箪笥職人です。私たちはあなたのことを忘れません」と伝え、ロジャースさんとハグを交わして別れを惜しみました。
「桐の蔵」の皆さん、本当にありがとうございました!
箪笥を通してさまざまな出会いと学びがあったニッポン滞在。帰国を前にロジャースさんは「人生の半分を過ごしたような濃密な時間でした。ここで学んだことを生かして、今後も桐箪笥作りに挑戦したいと思います」と語りました。
ロジャースさん、またの来日をお待ちしています!
月曜夜6時25分からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!
▼「そばの師匠に直接感謝を伝えたい!」
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そして、全ての焼きが終了。「不安でしたが、問題なく終えてホッとしています」とロジャースさん。専用ブラシがついた掃除機で箪笥の周りについたすすを取り除くと、美しい焼き色が。延焼防止の蓋を外すと、表面だけが焦がされ、本体には損傷が一切見当たりません。見事、焼き塗装仕上げは成功!
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桑原さんが持っているのも、この3枚がラスト。桐箪笥を愛してくれているロジャースさんにならと、大切に保管していた金具を使わせてくださることに。貴重な金具をいただき、ロジャースさんは感動で目を潤ませながら感謝を伝えます。

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「桐の蔵」の皆さん、本当にありがとうございました!
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ロジャースさん、またの来日をお待ちしています!
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