かき氷の聖地・奈良で大人気!「ほうせき箱」の美味しさの秘密をフランス人が学ぶ:世界!ニッポン行きたい人応援団
ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(毎週月曜夜8時)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。
今回は、フランス人の来日の様子をお送りします。
【動画】TVer:「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回
紹介するのは、フランスに住む「かき氷」を愛するトランさん。
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ニッポンの夏を彩る「かき氷」。その歴史は古く、遡ること平安時代。清少納言が執筆した「枕草子」に上品なものとして登場。当時は、削った氷に植物の樹液をかけただけの質素なものでしたが、氷の保存が難しく、一部の貴族しか口にできない貴重な食べ物だったといいます。
明治時代。文明開化により製氷技術が急速に発展。製氷所ができると、氷を売っていた村上半三郎という人物が、日本初のハンドル式かき氷機を発明。それ以来、全国各地にかき氷店が続々と開店し、庶民に親しまれるように。
トランさんは6年前に家族でニッポンに行った時、初めて食べたかき氷に衝撃を受けました。美味しいニッポンのかき氷をフランスの人たちにも知ってもらいたいと、帰国後、日本語の専門書などで作り方を独学。トランさんが営むカフェでは、5年前から夏季限定メニューにしています。
使用しているかき氷機は日本製の「初雪」。薄く削れて食感が軽くなるそう。氷は、カクテル用の氷を作る氷屋さんに特注で作ってもらっています。冷凍庫から出した後に10分ほど待ち、氷全体の温度を上げてから削ると、刃を傷めず、薄く食感が柔らかい氷に。
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氷が適温になったところで、自慢のかき氷を作ってもらうことに。刃の角度を調整して氷を薄く削り、こだわりのシロップをかけ、その上にさらに氷を。同じ工程をもう一度繰り返し、最後にシロップをたっぷりかければ、苺のかき氷が完成。
これまでに作ったかき氷のメニューは12種類ほど。パリのお客さんに大好評ですが、トランさんは「私のかき氷はまだまだです。シロップ作りは素人同然です」と話します。
ニッポンでかき氷を学んでフランスに広めたい、そんなトランさんをニッポンにご招待!念願の来日を果たしました。
向かったのは、“かき氷の聖地”奈良県。奈良には氷を祀る氷室神社があり、1600年前、神社の周辺に氷を貯蔵する氷室が点在。皇室との関わりも深く、かつてこの地で保管されていた氷が朝廷に献上されていたそう。
奈良市内はかき氷の激戦区で知られ、その数は30店舗以上。今回は、トランさん憧れのお店「ほうせき箱」店主の岡田桂子さんが受け入れてくださいました。9年前にオープンした「ほうせき箱」は、250席分の予約が数分で完売する人気店です。
人気の秘密は、奈良の厳選食材のシロップとエスプーマをかけたかき氷。エスプーマとは、食材やソースを泡状にする調理法。固定のメニューはほとんどなく、季節に合わせた食材で作っています。
これまで作ったかき氷は300種類以上。人気のわけは、種類の多さだけでなく、最後の一口までお客さんを飽きさせない工夫にあります。
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トランさんは「岡田さんにお会いできて光栄です。ワクワクで言葉が出ません」と感動! ちなみに店名の「ほうせき」は奈良に昔からある言葉で、素朴なおやつを意味するそう。
早速、「ほうせき箱」のかき氷を試食。ヨーグルトエスプーマのかかった、キウイのかき氷をいただきます。すだちシロップがかかった氷をヨーグルトエスプーマで包み、レモングラスゼリーと奈良のさくらんぼをトッピング。暑い夏にぴったりの、爽やかでさっぱりとした一品です。
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かき氷の中心には、味と食感に変化を出すため、レモングラスシロップとヨーグルトエスプーマを少々。そこにクラッシュしたレモングラスゼリーとキウイシロップをかけ、さらに氷をかけます。トランさんは「別の美味しさが隠れているなんて、楽しいかき氷です」と絶賛します。
かき氷には、冷えすぎた身体を優しく温める白湯がセットになっており、店内も26℃に設定、かき氷を美味しく食べられる環境にこだわっています。
ここで、トランさんのかき氷の写真を見ていただきます。岡田さんは氷の削り方や、きれいな形を保っていることを褒めてくださいましたが、トランさんは自分のかき氷は「ほうせき箱」のように複雑な味ではないと話します。そこで、岡田さんがこだわっているシロップとメニューの作り方を教えていただくことに。
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岡田さんによると、ほうせき箱のかき氷は、食べ進めるごとに味や甘さが変わるなど、いろいろな味が散りばめられているとのこと。ベースのシロップに何かを加えることで、メニューの数が増えていくそう。
岡田さんが作った300種類のメニューの中で、一番重要なベースのシロップがミルクシロップ。とろみがあるシロップは氷に染み込みづらいため、下地にミルクシロップをかけ、甘さを全体に行き渡らせるのだとか。さらにミルクシロップには、氷を柔らかくする効果も。
使用するのは、皇室の方も召し上がるという植村牛乳。この牛乳と氷糖蜜を合わせて作ります。氷糖蜜とは、グラニュー糖から氷砂糖を作る際、結晶にならなかった液体のこと。糖度は高めでまろやかなコクがあるのが特徴です。氷砂糖を作るメーカーは数社しかなく、氷糖蜜がとれる量もわずか。一般の店舗には出回らない貴重なものだとか。
ミルクシロップに使う材料は、牛乳と氷糖蜜の2種類のみ。植村牛乳900ミリリットルに300ミリリットルの氷糖蜜を入れ、かき混ぜれば完成。牛乳を煮詰めたり、練乳を入れたりしてみたものの、この作り方がベストだったそう。
「優しくて丸みのある甘さです」とトランさん。このミルクシロップにきな粉を合わる、白餡とフルーツを合わせて和風にするなど、さまざまな組み合わせが楽しめます。
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次に教えていただくのは、氷の削り方。シロップとの相性をよくするためにフワフワを抑えるなど、削り具合の調節も大切なポイント。「ほうせき箱」で使っているのは、トランさんも所有する「初雪」と「Swan」というかき氷機。どちらも削り具合をミリ単位で調整できる、プロ愛用のかき氷機です。
使う氷は「大和氷室」という純氷。純氷とは、専用の機械で48時間以上かけて凍らせた透明度の高い氷のこと。冷蔵庫の製氷機で作った氷は塩素や鉄分で白く濁っていますが、純氷は不純物を取り除いた水なので、無味無臭。結晶も大きく、硬くて溶けにくい特徴があります。
大和氷室は、奈良市にある「日乃出製氷」が製造。マイナス8℃の塩水プールに、美味しい奈良の水を入れたアイス缶を設置。水を泡で撹拌させながら冷却し、ゆっくりと凍らせることで透明度の高い氷に。72時間かけて凍らせているため、一般的な純氷より硬くて溶けにくく、薄くフワフワに削っても崩れないそう。口溶けもよく、頭が痛くならないのだとか。
トランさん、岡田さんが氷を削るところを見学させていただくことに。「とても手際よく作業されています」と感心していると、これまで岡田さんが40万杯作ってきたことを知り、驚愕!
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「ほうせき箱」では、皿の底にエスプーマを敷いてから氷を盛り付けていきます。ホーローなど金属の器に盛ると、下の方が凍ったり硬くなったりすることがありますが、エスプーマがあることで、冷えすぎで起こる氷の凍結を防げるため、最後までフワフワの食感に!
実はこのお話、これまで取材で話したことがないそうで、秘密を教えていただいたトランさんは「メルシーボークー」と感謝の言葉を。
最後に岡田さんから、シロップの御法度三カ条「甘すぎる」「濃すぎる」「かけすぎる」を教えていただいたトランさん。「かき氷の奥深さに感動しました。一生の思い出になりそうです」と伝えます。
すると岡田さんから、「ほうせき箱」が出店する長野県のイベントで、“トランさんオリジナルのかき氷を出してみませんか”という提案が! イベントは6日後。トランさんはどんなかき氷を作るのでしょうか。
今回は、フランス人の来日の様子をお送りします。
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お客さんを飽きさせない“味が変化するかき氷”
紹介するのは、フランスに住む「かき氷」を愛するトランさん。

ニッポンの夏を彩る「かき氷」。その歴史は古く、遡ること平安時代。清少納言が執筆した「枕草子」に上品なものとして登場。当時は、削った氷に植物の樹液をかけただけの質素なものでしたが、氷の保存が難しく、一部の貴族しか口にできない貴重な食べ物だったといいます。
明治時代。文明開化により製氷技術が急速に発展。製氷所ができると、氷を売っていた村上半三郎という人物が、日本初のハンドル式かき氷機を発明。それ以来、全国各地にかき氷店が続々と開店し、庶民に親しまれるように。
トランさんは6年前に家族でニッポンに行った時、初めて食べたかき氷に衝撃を受けました。美味しいニッポンのかき氷をフランスの人たちにも知ってもらいたいと、帰国後、日本語の専門書などで作り方を独学。トランさんが営むカフェでは、5年前から夏季限定メニューにしています。
使用しているかき氷機は日本製の「初雪」。薄く削れて食感が軽くなるそう。氷は、カクテル用の氷を作る氷屋さんに特注で作ってもらっています。冷凍庫から出した後に10分ほど待ち、氷全体の温度を上げてから削ると、刃を傷めず、薄く食感が柔らかい氷に。

氷が適温になったところで、自慢のかき氷を作ってもらうことに。刃の角度を調整して氷を薄く削り、こだわりのシロップをかけ、その上にさらに氷を。同じ工程をもう一度繰り返し、最後にシロップをたっぷりかければ、苺のかき氷が完成。
これまでに作ったかき氷のメニューは12種類ほど。パリのお客さんに大好評ですが、トランさんは「私のかき氷はまだまだです。シロップ作りは素人同然です」と話します。
ニッポンでかき氷を学んでフランスに広めたい、そんなトランさんをニッポンにご招待!念願の来日を果たしました。
向かったのは、“かき氷の聖地”奈良県。奈良には氷を祀る氷室神社があり、1600年前、神社の周辺に氷を貯蔵する氷室が点在。皇室との関わりも深く、かつてこの地で保管されていた氷が朝廷に献上されていたそう。
奈良市内はかき氷の激戦区で知られ、その数は30店舗以上。今回は、トランさん憧れのお店「ほうせき箱」店主の岡田桂子さんが受け入れてくださいました。9年前にオープンした「ほうせき箱」は、250席分の予約が数分で完売する人気店です。
人気の秘密は、奈良の厳選食材のシロップとエスプーマをかけたかき氷。エスプーマとは、食材やソースを泡状にする調理法。固定のメニューはほとんどなく、季節に合わせた食材で作っています。
これまで作ったかき氷は300種類以上。人気のわけは、種類の多さだけでなく、最後の一口までお客さんを飽きさせない工夫にあります。

トランさんは「岡田さんにお会いできて光栄です。ワクワクで言葉が出ません」と感動! ちなみに店名の「ほうせき」は奈良に昔からある言葉で、素朴なおやつを意味するそう。
早速、「ほうせき箱」のかき氷を試食。ヨーグルトエスプーマのかかった、キウイのかき氷をいただきます。すだちシロップがかかった氷をヨーグルトエスプーマで包み、レモングラスゼリーと奈良のさくらんぼをトッピング。暑い夏にぴったりの、爽やかでさっぱりとした一品です。

かき氷の中心には、味と食感に変化を出すため、レモングラスシロップとヨーグルトエスプーマを少々。そこにクラッシュしたレモングラスゼリーとキウイシロップをかけ、さらに氷をかけます。トランさんは「別の美味しさが隠れているなんて、楽しいかき氷です」と絶賛します。
かき氷には、冷えすぎた身体を優しく温める白湯がセットになっており、店内も26℃に設定、かき氷を美味しく食べられる環境にこだわっています。
ここで、トランさんのかき氷の写真を見ていただきます。岡田さんは氷の削り方や、きれいな形を保っていることを褒めてくださいましたが、トランさんは自分のかき氷は「ほうせき箱」のように複雑な味ではないと話します。そこで、岡田さんがこだわっているシロップとメニューの作り方を教えていただくことに。

岡田さんによると、ほうせき箱のかき氷は、食べ進めるごとに味や甘さが変わるなど、いろいろな味が散りばめられているとのこと。ベースのシロップに何かを加えることで、メニューの数が増えていくそう。
岡田さんが作った300種類のメニューの中で、一番重要なベースのシロップがミルクシロップ。とろみがあるシロップは氷に染み込みづらいため、下地にミルクシロップをかけ、甘さを全体に行き渡らせるのだとか。さらにミルクシロップには、氷を柔らかくする効果も。
使用するのは、皇室の方も召し上がるという植村牛乳。この牛乳と氷糖蜜を合わせて作ります。氷糖蜜とは、グラニュー糖から氷砂糖を作る際、結晶にならなかった液体のこと。糖度は高めでまろやかなコクがあるのが特徴です。氷砂糖を作るメーカーは数社しかなく、氷糖蜜がとれる量もわずか。一般の店舗には出回らない貴重なものだとか。
ミルクシロップに使う材料は、牛乳と氷糖蜜の2種類のみ。植村牛乳900ミリリットルに300ミリリットルの氷糖蜜を入れ、かき混ぜれば完成。牛乳を煮詰めたり、練乳を入れたりしてみたものの、この作り方がベストだったそう。
「優しくて丸みのある甘さです」とトランさん。このミルクシロップにきな粉を合わる、白餡とフルーツを合わせて和風にするなど、さまざまな組み合わせが楽しめます。

次に教えていただくのは、氷の削り方。シロップとの相性をよくするためにフワフワを抑えるなど、削り具合の調節も大切なポイント。「ほうせき箱」で使っているのは、トランさんも所有する「初雪」と「Swan」というかき氷機。どちらも削り具合をミリ単位で調整できる、プロ愛用のかき氷機です。
使う氷は「大和氷室」という純氷。純氷とは、専用の機械で48時間以上かけて凍らせた透明度の高い氷のこと。冷蔵庫の製氷機で作った氷は塩素や鉄分で白く濁っていますが、純氷は不純物を取り除いた水なので、無味無臭。結晶も大きく、硬くて溶けにくい特徴があります。
大和氷室は、奈良市にある「日乃出製氷」が製造。マイナス8℃の塩水プールに、美味しい奈良の水を入れたアイス缶を設置。水を泡で撹拌させながら冷却し、ゆっくりと凍らせることで透明度の高い氷に。72時間かけて凍らせているため、一般的な純氷より硬くて溶けにくく、薄くフワフワに削っても崩れないそう。口溶けもよく、頭が痛くならないのだとか。
トランさん、岡田さんが氷を削るところを見学させていただくことに。「とても手際よく作業されています」と感心していると、これまで岡田さんが40万杯作ってきたことを知り、驚愕!

「ほうせき箱」では、皿の底にエスプーマを敷いてから氷を盛り付けていきます。ホーローなど金属の器に盛ると、下の方が凍ったり硬くなったりすることがありますが、エスプーマがあることで、冷えすぎで起こる氷の凍結を防げるため、最後までフワフワの食感に!
実はこのお話、これまで取材で話したことがないそうで、秘密を教えていただいたトランさんは「メルシーボークー」と感謝の言葉を。
最後に岡田さんから、シロップの御法度三カ条「甘すぎる」「濃すぎる」「かけすぎる」を教えていただいたトランさん。「かき氷の奥深さに感動しました。一生の思い出になりそうです」と伝えます。
すると岡田さんから、「ほうせき箱」が出店する長野県のイベントで、“トランさんオリジナルのかき氷を出してみませんか”という提案が! イベントは6日後。トランさんはどんなかき氷を作るのでしょうか。
氷の最高峰「天然氷」を学びに栃木・日光へ
次に向かったのは、大阪。かき氷を深く知るにはフワフワに削れる機械も大切ということで、昭和25年創業、大阪のかき氷機メーカー「池永鉄工」の皆さんが、快く受け入れてくださることに。「ほうせき箱」でも使用されていたSwanを製造するかき氷機メーカーです。
まずは、歴代のSwanを展示しているショールームへ。四代目社長の池永一雄さんによると、速く細かくフワフワのかき氷を削りたいという要望に応えて進化していったそう。現在は、おしゃれなカフェに似合うようデザインを重視しているとか。

最新のSwanは100以上のパーツから作られており、全ての部品の加工から組み立てまで熟練の職人による手作業。氷をフワフワに削るために大切な部品はどれか質問すると、池永社長は「一個一個が全て大事」と語ります。「皆さんの物作りへの情熱に感服しました」とトランさん。
手動でハンドルを回すモデルから始まり、約30年前からフワフワに削るかき氷機へと進化したSwan。手動のハンドル式ができる前は、裏返したカンナで氷を削っていたそう。
昭和後期に流行したキャラクターの家庭用かき氷機で、池永社長自らかき氷を作ってくださることに。今とは違う粗い氷に、懐かしいブルーハワイのシロップをかけていただきました。

最後に池永社長から、プロのように削れるという家庭用Swanのプレゼントが! 「大切に使用させていただきます」と、大感激のトランさん。
「池永鉄工」の皆さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、栃木県日光。氷の最高峰「天然氷」について学びます。
天然氷とは、自然の中に造った池などに水を引き込み、自然の寒さで凍らせた氷のこと。純氷より長い日にちをかけて凍らせているため、より硬くて溶けにくく、天然の水を使用しているのでまろやかな味わいに。冬の数カ月にしか収穫できない天然氷は、流通量もわずか。氷の最高峰といえる逸品です。
現在、天然氷を作っている蔵元は全国で7カ所のみ。今回は、日光を代表する天然氷の蔵元、明治27年創業「松月氷室」の四代目・吉新昌夫さんにお世話になります。
「松月氷室」には、天然氷のかき氷専門店も。一番人気、生イチゴをふんだんに使ったプレミアムかき氷をいただきます。「口に入れるとスッとなくなる氷なのに、盛り付けた氷は溶けずにいます。味は柔らかくてまろやかです」とトランさん、天然氷の美味しさにスプーンが止まらず、ペロリと完食。

今年1月に収穫した天然氷を見せていただくことに。製氷シーズンは、寒さが最も厳しい1月。厚さ15センチになったところで切り出すそう。
昌夫さんによると、池に入れた水が1日に約1センチずつ下へ成長。理想的な厚さである15センチになるまで最低15日間かかるとのこと。途中で雨や大雪の予報が出た場合は、12センチほどで切り出す場合も。
雨が降ると、気圧の変化で氷の表面にヒビが入り、雨と一緒にゴミが氷の中に入り込むため商品価値はゼロになってしまいます。そして雪の場合は、積もった雪の重みで氷が沈下。池の端から水が溢れ、雪は水を含んだみぞれ状に。除雪ができなかった場合は雪が固まり、水ではなく雪を凍らせたものになってしまうのです。
天気は天然氷作りの生命線。雨や雪で完成前に商品価値がなくなった氷は、重機で割って最初からやり直し。悪天候が続けば十分な収穫をすることができず、シーズンを終えてしまうことも。
2月になると、雪が増えて氷作りに適さなくなるため、1月が勝負の月。「いかにチャンスを逃さないかが、我々天然氷職人の腕の見せ所」と昌夫さん。天気を読み違えないよう、勘を働かせなければなりません。
ニッポンの豊かな自然環境と、先人たちの知恵によって生まれた奇跡の氷。そんな天然氷を作る製氷池を見せていただきます。

大自然に囲まれた日光の山の中にある製氷池は、縦24メートル、横53メートル。一度に収穫できる氷は約125トン、かき氷にして約38万杯です。
製氷池の周りの木や山などにも理由が。太陽の高さの関係で、この場所は冬の間一切日が当たらず、完全な日陰になるそう。さらに、冬に冷たい風が吹き抜ける方角を空けています。「氷作りには最適な環境なわけですね」とトランさん。
池の底には、コンクリートではなく土が。土に水が染み込むため、きれいな水を循環させて水質を保っています。天然氷になる水は、山の湧き水が流れる沢から引き込んでおり、池に入れる前に何重にもろ過させてから使用しています。
「今の時季は、天然氷作りの仕事はお休みですか?」とトランさん。昌夫さんによると、仕事の9割はお店でのかき氷や氷の販売で、残りの1割は製氷池の保守管理。夏場に池を放っておくと水草や昆虫がはびこるため、この時期は鯉を放し、食べてもらっているそう。そこで、鯉を製氷池に引越しする作業をお手伝いさせていただくことに。
最初の作業は、鯉が生息しやすい池の環境づくり。まずは枯れ草などの掃除をしやすいように水位を下げます。水をせき止めていた板を外すと、池の水は下に流れる川へ。その間、池の周りの草刈りをします。

ここで、昌夫さんが持ってきたのが耕運機。池の中を耕して地面を軟らかくすると、池に鯉を入れた時に働きやすくなり、水が濁るそう。池の水が濁ると光が通りにくくなり、光合成ができないため、水草が生えなくなります。水草の根があると、氷を作る直前に耕した時に根の破片が残り、池を凍らせている最中に浮いてきて氷の中に入ってしまうのです。
放水開始から1時間が経過し、作業がしやすい水位に下がったところで池の中へ。熊手を使って大きな枯葉を回収し、さらに、鯉が食いつばんで水が濁るように、耕運機で土を丹念に耕していきます。
良い天然氷ができるよう、製氷池を耕すこと1時間。鯉の引越し作業の第1段階が無事終了。最後に再び排水口をせき止め、池に新鮮な沢水を入れ、鯉の引越し作業は、池に水が溜まったら行います。
作業が終わると、「松月氷室」の皆さんが歓迎会を開いてくださいました。テーブルには、郷土料理にお寿司と、豪勢な料理がずらり! 日光名物の湯波料理や、地元食材を使ったけんちん汁に舌鼓を打ちました。
翌日、いよいよ鯉の引越し! 移動させるのは、大きいサイズを10匹ほど。トランさんもちょうどいいサイズの鯉を選んで、バケツで製氷池へ。「バッチリですよ。完璧!」と褒めていただきました。
こうして、秋まで鯉たちの働きで水質を管理。それ以降は、厳しい冬が来る前まで池の水を何度も入れ替え、天然氷に適した美味しい水に仕上げていきます。
別れの時。「松月氷室」の皆さんに、貴重な天然氷を作るには多くの労力や時間が必要なことが分かったと伝えるトランさん。「将来はフランスでも松月氷室さんの天然氷を使い、天然氷を広めたい夢ができました」と話します。昌夫さんは「時間がもうちょっとあればいいのにな」と別れを惜しみました。

お土産として、「松月氷室」のTシャツをプレゼント。「もう松月氷室の一員ですね!」と喜ぶトランさんに「もちろん!」と昌夫さん。
「松月氷室」の皆さん、本当にありがとうございました!
イベントで、トランさんオリジナルメニューを提案!
滞在最終日、トランさんは長野県御代田町へ。「信州美食フィエスタ」に出店する、「ほうせき箱」の岡田さんと再会しました。
イベントでオリジナルかき氷を作ることになったトランさん。奈良を離れた後、滞在先でシロップに合いそうな食材を吟味し、「ほうせき箱」で学んだことを活かしてレシピを考案。そこにはフランスならではのアイデアが!
試作に使用するかき氷機は、池永社長のご厚意でお借りしたSwan。氷は「日乃出製氷」の大和氷室を使用します。「とてもいい味になりました」と自信を見せるトランさん。

イベント当日、「ほうせき箱」では岡田さんの他に、共同代表を務める平井宗助さんも参加してかき氷を提供します。そしてもう一人、なんと当番組の団長・織田信成さんも! 実は、かき氷好きが高じて岡田さんとも親交があり、今回助っ人として駆けつけたのです。
トランさん、まずは岡田さんのサポートとしてお店をお手伝い。メニューはあんずとすもも、さくらんぼを使ったかき氷1種類のみで、トッピングのさくらんぼが無くなり次第、販売終了です。
午前10時の開店早々、行列が! かき氷機はフル回転で、トランさんはシロップの入れ替えに大忙し。客足は途絶えることなく、あっという間に完売しました。
そしていよいよ、トランさんのオリジナル「ブルーベリーのかき氷」を岡田さんがチェック。ブルーベリーシロップをベースに、シナモンパウダーをかけた生クリームをトッピング。この来日で学んだことをたっぷり詰め込んだ、渾身の一品です。

「ブルーベリーにしたのは、長野の特産品だからです」と話すトランさんに、「素晴らしいね!」と岡田さん。試食すると「めっちゃ美味しいです」と、これまた嬉しい言葉が。
食べ進めると、エルダーフラワーのシロップが出てきました。エルダーフラワーは、フランスで人気のマスカットの風味があるハーブ。「ほうせき箱」で学んだ、飽きさせないための味の変化です。
さらに、フランスならではの隠し食材が。フランスの代表的なお菓子、焼いたメレンゲを細かく砕き、かき氷の中心部に入れて別の食感を演出。岡田さんは「メレンゲがいい具合に甘さを補ってくれて、バランスもすごくいいです」と絶賛!
岡田さんに教えていただいた、シロップの御法度三カ条を守ったというトランさん。全てのシロップに、氷糖蜜を使っています。かき氷好きの織田さんも、ひと口目から「めちゃくちゃ美味しい」と大満足! 岡田さんからもOKが出て、数量限定でお客さんに提供。皆さんに喜んでいただくことができました。
別れの時。岡田さんに多くのことを教えていただいたトランさんは、「フランスに戻ったら、教えていただいたことを活かしてお客さんをたくさん喜ばせたいです。本当にありがとうございました」と感謝を伝えます。
「すごく刺激をもらった楽しい時間でした」と岡田さん。奈良の思い出にと、鹿のTシャツをプレゼントしてくださいました。さらに、溶けたシロップも飲みやすい、かき氷専用のカップ型の器も! 最後に「パリに来てください!」「行きます! 本当に!」と再会を約束しました。
「ほうせき箱」の岡田さん、本当にありがとうございました!
かき氷を通して、さまざまな出会いと学びがあったニッポン滞在。「1週間があっという間の出来事でした。まだ夢のようです。氷作りからかき氷になるまでの全てを学べ、かき氷のことがもっと好きになりました」と語ったトランさん。来日してからかき氷愛が増したそうで、「今ではこんなに大きくなりました!」と両手を広げて表現してくれました。
トランさん、またの来日をお待ちしています!
月曜夜8時からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!
▼ニッポンにいる家族に会いたい!
9歳で両親とともにブラジルへ移民した大串あき子さん(72)。出稼ぎで日本にいる長女&三男に会うため、63年ぶりに祖国ニッポンへ まずは三重県津市に暮らす長女のもとへ。20年ぶりの再会に涙が…。
一方、三男は17歳で日本に来て以来、26年一度もブラジルへは帰らず顔を合わせていない。しかも、長女も連絡先がわからず行方知れずという…果たして、再会は叶うのか?
▼仲良しだった従姉妹に会いたい!
長女協力のもと、三男の行方を捜索する間にあき子さんは9歳まで暮らしていた故郷・北海道別海町へ。ここで当時、姉妹のように仲が良かった1歳下の従姉妹・キドカズコさんを探すことに! ブラジルから持ってきた写真をもとに当時の住所を訪ねるが…すでに別の方が暮らしていて再会することができず…東京23区の2倍はある広大な別海町で従姉妹・キドカズコさんを大捜索することに!
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。