「鹿沼組子」の職人に学んだ外国人が、帰国後、驚きの進化!:世界!ニッポン行きたい人応援団

ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(毎週月曜日夜8時54分 ※8月25日は夜8時)。

今回は「ニッポンにご招待したら人生変わっちゃった!」をお届けします。

【動画】「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回

江戸時代から続く組子の技術を学ぶ


紹介するのは、アメリカ在住の「組子」を愛するジョニーさん。

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今、世界中の注目を集めているニッポンの木工装飾「組子」。組子とは、飛鳥時代から続く日本建築の装飾技法。釘は一切使わず、小さな木の部品を組み合わせて繊細な幾何学模様を作り上げます。
古くから障子や欄間などの建具に用いられ、現在は成田空港や東京スカイツリー、超一流ホテルのロビーや客室にも組子が。

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7年前、地元で開催された組子教室に参加したジョニーさんは、美しさと技術に感動。
組子作りの奥深さに魅了され、その後も独学で研究し、テーブルやランプなど様々な作品を作っています。中には、400個のパーツを組み合わせ、1週間かけて完成させたものも。

組子の基本は、45°、22.5°、67.5°の3つのパーツ。このパーツを削り続けること1時間…ジョニーさんは、この作業が一番楽しくて好きなのだそう。

ニッポンにはまだ一度も行ったことがないジョニーさん。家のローンもあり、経済的な余裕がないものの、ニッポンでどうしても叶えたい夢が。200種類以上ある組子のうち、ジョニーさんが作れるのは5つ。「ニッポンで職人さんから伝統の模様をたくさん教わって、組子の技術をもっと磨きたい」と願っています。

そんなジョニーさんを、ニッポンにご招待! 2023年に念願の初来日を果たしました。

真っ先に向かったのは、栃木県の「日光東照宮」。建物の窓や門に施された装飾にジョニーさんは感動! 東照宮の造営後、全国から集められた職人の一部が移り住んだのが、日光の南に位置する鹿沼市です。良質な杉やヒノキに恵まれ、江戸時代から木工の街として栄え、組子が発展。鹿沼組子として300年以上受け継がれ、ニッポンで随一の組子の街になりました。

そんな鹿沼市でジョニーさんの熱意を伝えたところ、伝統工芸士の吉原幸二さんが受け入れてくださいました。吉原さんの作品は、前ローマ教皇に贈呈されたことも。3人の息子さんも、全員、伝統工芸士に認定されている組子職人です。

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吉原さんのご自宅には、玄関の引き戸や居間の障子など、至る所に組子が。中でも高い技術が求められる「投網」を見せていただき、「想像以上のものを見て圧倒されました」とジョニーさん。江戸時代から伝わる、伝統の鹿沼組子を間近で見ることができました。

そしていよいよ、組子を教えていただくことに。吉原さんが選んでくださったのは、桐、七宝、桜亀甲の3つ。習得できれば、作れる模様の幅も格段に広がります。

教わる前に、ジョニーさんが自分で設計した道具を見ていただきます。部品をはめて、鑿(のみ)で先端を同じ角度にカットするもので、実は吉原さんたちも、似た道具を使用。わずか数ミリの精密な部品を大量に作るために、鑿ではなく鉋を使用して複数の木を削っています。

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この鉋が進化したものは、刃がV字になっており、2つの部品の両端を削ることができます。一度にたくさんの部品が作れることにジョニーさんは驚き! まとめて削った方が、部品ごとの誤差も生まれにくいのです。

初めに教わるのは、桐の組子。まずは、長男・秀美さんがお手本を見せてくださいます。
木の長さを揃えたら、薄い刃の入った「毛引き」と呼ばれる道具で、部品の真ん中に切断ギリギリの深さまで溝を入れます。ジョニーさんが挑戦すると、強く引きすぎてしまいました。

続いて、部品の両端をカット。1回目は浅い刃の鉋をかけ、2回目に深い刃の鉋で切り落とす「2度引き」で切断します。1度で切り落とすよりも断面が滑らかになるそう。
そして、切断ギリギリで止めた部分を折り曲げて枠に。普通は3つの部品が必要ですが、この方法なら2つで済みます。接合部分が減ることでズレも起こりにくくなり、美しい仕上がりに。

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こうして、寸分違わず作った5種類32個の部品を木枠にはめていくと、桐の模様が完成!

この日の夜、吉原さんの自宅に招かれたジョニーさんは、妻・美和子さんの心づくしの料理をいただき、初めてのタケノコやタラの芽を堪能。来週ニッポンに来るジョニーさんの彼女に、京都でプロポーズする計画で盛り上がりました。

翌朝、円が連続してつながる模様「七宝」を教えていただきます。正三角形の枠に3本の部品をはめますが、曲線にする分だけ長くするのがポイント。

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木片をそのまま曲げると折れるため、お湯に5分ほど浸します。試しに曲げた部品を入れると、きれいにはまったように見えますが、少し長いよう。
1つの枠だけでなく、全体として見た時のバランスで、曲がり具合を調整する必要が。職人の感覚を頼りに、1ミリ単位の美意識が求められるのです。
先ほどより短い部品に作り直して、七宝が完成!

続いて教わるのは、独学ではどうしても分からなかった「桜亀甲」の模様。木枠の隅には、「きっころ」と呼ばれる部品を使います。V字の溝は、鉋でセンターを掘ることがポイント。

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ジョニーさんが挑戦すると、溝がセンターから大きくズレてしまいました。さらに、切り始めと最後に力が入りすぎているため、深さにもバラつきが。苦戦しつつも、均一に力を入れることに集中し、OKをいただきました。

このきっころを、先ほど作った七宝模様の隣にはめて完成。綺麗な仕上がりに、ジョニーさんは大満足!

そして別れの時。ジョニーさんは「私を受け入れてくれたことに感謝します。皆さんは素晴らしい先生でした」と伝え、ホテルの部屋で作ったメッセージボードを渡します。「ジョニーさんがいなくなると思うと、ものすごく悲しい」と吉原さん。

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そんな吉原さんからは、部品をまとめて削り出せる鉋とカット台が贈られます。さらに、ジョニーさんが作った組子も!

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この撮影が終了した2日後、ジョニーさんの恋人・アシュリーさんが来日。ジョニーさんは「京都でのプロポーズが成功した」と報告し、その映像も届けてくれました。

あれから2年…ジョニーさんからのビデオレターを、吉原さんと息子さんたちのもとへ。
プロポーズから1年後、アシュリーさんと結婚したジョニーさんは、家庭を持ったことで、より一層、組子作りに励んでいます。ニッポンで作った作品を寝室に飾り、自分を奮い立たせているそう。

お土産にいただいたカット台と鉋は今も大切に使っており、以前は1時間かかっていた作業が、5分まで短縮。来日前は部品を1枚ずつ手作業で削り出していたため、誤差も多くズレが目立ちましたが、いただいた道具で練習を重ね、隙間なくはまるようになりました。

そして、ニッポンで学んだ技術で作り上げた作品も。鹿沼組子の原点、麻の葉模様をあしらったキャビネットや、七宝を使ったミニテーブルを見せてくれました。

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一番の大作は、組子で作った照明カバー! ニッポン滞在中、曲線に組み上げた作品に感銘を受けたジョニーさん。帰国後、教えていただいた技術を駆使して挑戦しました。
湾曲させるために応用したのは、七宝で教わった技術。お湯で湿らせたタオルをあてながら曲げたそうで、「ニッポンで教えていただいた技術のおかげで、作品のバリエーションが格段に増えました」と話します。

そして、ニッポンで修業したジョニーさんの噂が広まると、組子に関する講演の依頼が殺到。来日前から行っていた組子のワークショップは、100人を超える参加者が集まるように。

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そこで、初心者でも簡単に楽しめる組子のキットを開発。初心者でも作れるよう、材料とカット台をセットにしています。
ニッポンで鉋の使い方を教えていただき、道具の大切さを実感したそうで、キットにも道具を入れようと考えたそう。このキットが大好評で、販売した数は1000個以上!

さらに、イギリスの出版社からの依頼で組子の専門書を執筆することに! ジョニーさんの作品も掲載予定で、世界各国で販売される話も出ており、「皆さんに教わったおかげで、私の組子人生は劇的に進化しました」とジョニーさん。

進化は止まらず、ニッポンで最も苦戦した部品「きっころ」を正確に作れるマシンも自作。部品を曲げるための台も作ったそう。曲げた部品をはめてできたのは、桜と七宝を組み合わせた梅の花で、秀美さんは「上手い、すごい」と感動します。

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実はジョニーさん、本に載せる予定の新作をニッポンに送っていました。早速見ていただくと、皆さんからお褒めの言葉が。吉原さんからは「100点に近い」と嬉しい言葉をいただきました。

最後にジョニーさんは、「ニッポンで皆さんに組子の技術を教えていただき、情熱と愛情を肌で感じたおかげで、ますます真摯に取り組めるようになりました。またいつか、お会いできる日が来ることを楽しみにしています。組子大好き!」とメッセージを送りました。

ジョニーさんをニッポンにご招待したら、組子作りにますます磨きがかかり、組子の魅力を世界に広める活動に励んでいました!

月曜夜8時からは、「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!

▼ニューヨークで料理人として働くアメリカ人のマックスさん。トビウオから取れる“あごだし”の奥深さに心を奪われ、日々独学で研究を続けている。本物のダシの取り方を学ぶために日本へ!

▼福岡にある日本でも珍しいあごだし料理の専門店。店の入口には壁一面に大量の焼きあごがずらりと並ぶ。自慢のしゃぶしゃぶ料理などあごだし尽くしの料理に舌鼓を打ち、日本語で「あごが取れるほどうまい」と大感動する。

▼福岡にある「茅乃舎」は、日本中に一大あごだしブームを巻き起こした火付け役。今回は、テレビ初公開「茅乃舎」の究極だしの取り方を特別に教えてもらえることに!

▼自分で焼きあごを作ってみたいと願っていたマックスさんは、焼きあごの一大産地、長崎・上五島へ!初めて見る水面を飛び回るトビウオに大感動!昔ながらの製法にこだわる職人からその極意を学ぶ。

▼週に1度“天ぷら”をつくるほど熱中しているカナダ人のニールさん。高校でデータ解析を教えており、情報収集が得意なはず。しかし、ネット情報だけの天ぷらの作り方が正しいのか不安を抱えていた。

▼ずっと憧れだった銀座にある「てんぷら近藤」へ!世界で最も有名な天ぷら職人から作り方の極意を教えてもらうのだが、そこで驚愕の事実を知ることになる…。

▼そして、1年を通じて旬の魚が手に入る好漁場である新潟県へ!素材の良さを最大限引き出すスゴ腕の天ぷら職人のもとで修行をさせてもらえることに。ノドグロやアマダイなどの美味しさを極限まで引き出す秘訣とは?
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