ニッポンで見た風景を模型に!世界一の高校鉄道模型部とジオラマ作りに挑戦:世界!ニッポン行きたい人応援団

ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時)。

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写真で見たニッポンの風景を大捜索


今回は、オランダの日本祭りでニッポンを愛する人を大捜索! 今年で12回目の開催となる「ジャパンフェスティバル」は、オランダ最大級の日本祭り。日本食の屋台にわさびの実演販売、伝統芸能のワークショップまで、ニッポンにまつわる様々なブースが。

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番組の特別ブースを設置し、106人の来訪者が。沖縄古武道を教わりたい方、ニッポンでの歌手デビューを夢見る方、ニッポンの料理道具や沖縄方言に興味がある方など様々。
そんな中、気になったのが、オランダ在住の「ジオラマ」を愛するハウブさん。昔からニッポンに強く惹かれ、魅力的な風景を模型にしています。

風景や場面を立体的に再現するジオラマ。ニッポンでは「情景模型」とも呼ばれ、情景作家・山田卓司さんの作品は世界的な模型コンテスト「ユーロ・ミリテール」の情景部門で金賞に。ミニチュア写真家・田中達也さんの展覧会は韓国で19万人を動員するなど、精巧さが海外でも高く評価されています。

その背景ともいえるのが、身近な世界を小さくして楽しむニッポンの文化。古くからある、盆の上に石や砂を置き山や川の景色を表現する「盆景」、箪笥や鏡台などを精巧に小さくした「雛道具」の他、現代でもカプセルトイや食玩、ミニカーなど、ミニチュアの世界は日本人にとって子どもの頃から身近な存在です。

そんなニッポンのジオラマ作りに対する、並々ならぬ想いを語るハウブさんの作品を見せてもらうことに。
工房の中を案内してもらうと、模型を作る人たちを描いた作品が。2020年、オランダの模型制作者No.1を決めるテレビ番組「クラインマーファイン」に参加したハウブさんは、こちらのジオラマを完成させて優勝。これをきっかけに、プロの模型制作者として独立しました。

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去年は、大仏やコンビニなどニッポンらしい要素を盛り込んだ大作も。まだニッポンには一度も行ったことがないハウブさんは、ジオラマを作るため、何千枚ものニッポンの写真を収集。1枚の写真に惹かれ、調べるうちに長野県の穂高駅の近くだと判明しました。
そこで、穂高駅を参考にした駅を中心に、約4か月かけて架空の田舎町「空座町」を作ったそう。

ハウブさんがニッポンで叶えたい夢は、ジオラマのきっかけとなった写真の場所を直接見ること。そして、ニッポンのジオラマ作家に会い、電車に乗りたいと話します。

そんなハウブさんを、ニッポンにご招待! 初来日を果たしました。

実は、飛行機に乗る直前、お客さんから「ニッポンの鉄道模型を設計してほしい」との依頼が。ジオラマのきっかけになった写真の場所・穂高に行き、自分の目で見たニッポンの風景をジオラマにして、滞在中に完成させることに!

長野県のJR松本駅から大糸線に乗り、ジオラマで再現したいニッポンの風景を探す旅がスタート! 山々や田園風景を楽しみ、穂高駅に到着すると、写真では確認できなかった踏切警報機や道祖神(外から来る悪を遮る神様)に興味津々。
早速、写真の場所を探して聞き込みを開始。レンタルサイクル「しなの庵」の店主・宇留賀宏亮さんが教えてくださったのは、穂高駅から一駅分離れた場所にある田園地帯。自転車を借りて向かいます。

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道中、田んぼと用水路が。写真を参考に田んぼのジオラマを作ったものの、水路の存在には気づいていなかったそうで「今回のジオラマにぜひ入れたいですね」とハウブさん。
さらに、わさび田の風景にも感動。穂高のことをもっと知りたいと、おそば屋さんで信州そばと本わさびを堪能しました。

そしていよいよ、宇留賀さんに教えていただいた田園地帯に。写真と同じ雰囲気の場所を見つけ、電車が来るのを待って同じ画角で写真を撮ることに。しかし見比べてみると、残念ながら今撮った写真には背景の山が写り込んでいません。

気を取り直して、再度地元の方に聞き込みを。すると、マラソンのトレーニングをしていた方から、穂高から車で1時間かかる白馬かもしれないとの情報が。日暮れも近づいているため、この日の探索は中止することに。

翌朝、白馬に移動し探索を再開。地元の方に聞きながら探し歩くこと1時間、送電線や石積みの形、背景の山の形が写真と同じように見える場所が。

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写真を撮って見比べてみると…季節の違う風景ですが、背景の山の形、電車の後ろに見える茶色い家、田んぼの石垣の形が一致していると判明。ハウブさんは「ずっと憧れていた場所と同じ場所に立てるなんて、ここに辿り着くまでの道も含めて最高でした」と感動!

その後もジオラマに入れたい要素を撮影し、ニッポンで作るジオラマをデザインします。
メインのイメージは、今日見た田園風景を走る鉄道。さらに、豊かな水や橋、雪深い地域ならではの高く傾斜した民家と木々など、穂高と白馬で見つけた様々な要素が盛り込まれました。

大人気ジオラマ作家の作品に感動


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ハウブさん、ジオラマ作りの前に訪れたかった場所へ。向かったのは、東京・有明で開催された「国際鉄道模型コンベンション」。全国のプロモデラーやメーカーが集まる、日本最大級の鉄道模型の祭典です。
実は、このイベントにハウブさん憧れのジオラマ作家・MAJIRIさんが。制作の様子を発信するYouTubeチャンネルは、ジオラマ関連では異例の登録者数約29万人(2026年11月現在)。MAJIRIさんと対面したハウブさんは大感激! 約3か月かけて作り上げたという東京駅のジオラマを堪能しました。

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憧れのMAJIRIさんの案内で、有明にある世界最大級の屋内型ミニチュアミュージアム「スモールワールズTOKYO」へ。展示の目玉は、MAJIRIさんが約6か月かけて制作した渋谷のジオラマ。渋谷駅にスクランブル交差点、センター街までが精巧に再現された80分の1スケールの渋谷に、約5000体の人形が。日常の風景の再現を重視しているそう。
描かれているのは2020年頃の渋谷ということで、今はもう無くなってしまったお店も。何気ない日常の変化に気づかせてくれるタイムカプセルのような作品になっており、ジオラマが持つ可能性を改めて実感したハウブさんでした。

MAJIRIさん、本当にありがとうございました!

世界一の高校鉄道模型部とジオラマを制作


向かったのは東京都小平市の女子校「白梅学園清修中高一貫部」。こちらに、ジオラマで世界一に輝いた鉄道模型部があります。
模型の鉄道を走らせるための自然や街並みを作る、鉄道模型部。「全国高等学校鉄道模型コンテスト」では規定サイズのジオラマの出来を競い、2024年に岐阜の観光名所を描いた作品で日本一に。翌年は昭和30年代の日光を再現した作品で、2年連続日本一の快挙を成し遂げました。

さらに、現在3年生のメンバーは、2025年にドイツで行われた世界大会にも参加。13カ国、24の大人のチームに混じり、唯一の高校生ながら最優秀賞を受賞。世界一の称号を獲得しました。

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今年のコンテストで優秀賞を受賞した作品を見せていただきます。2年生6名で作り上げたのは、京都府北部・伊根町の美しい風景に京都丹後鉄道を組み合わせ、そこに暮らす人や訪れる人を描いた作品。部員6名の人形も、ストーリーを一つ一つ決めて置いています。
ハウブさんは「レベルが高くてびっくりしました」と驚き!

顧問の中澤亜紀先生によると「作り終わって完結ではなく、模型を見にきてくださった方のイメージや、『ここ行ったことあるよ』『行ってみたいな』とか、会話を通して完成する」とのこと。白梅学園が強豪校たる所以は、模型の中にストーリーを盛り込む女性ならではの目線にあるのです。

今回、そんな鉄道模型部の皆さんが、世界一に輝いたテクニックを伝授しつつ、ハウブさんのジオラマ作りに協力してくださることに。
制作したいジオラマのデザインを部員の皆さんに見ていただくと「おぉ~!」と歓声が。
皆さんから意見をいただき、そこに暮らす人々や田んぼのカカシを追加した設計図が完成しました。

ジオラマ作りに協力してくださるのは、部員の中でも人物を作るのが得意な西島さんと、木や川など自然物を作るのが得意な関根さん。まずは必要な材料を揃えるため、100円ショップへ。

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購入したのは、接着剤や建物の窓となるプラ板の他、爪楊枝や茶漉しなど。「ニッポンの100円ショップは模型用品の宝庫ですね」とハウブさん。身近な100均グッズが、どのようにしてニッポンの風景に生まれ変わるのでしょうか?

続いて向かったのは、ハウブさんがずっと来てみたかったという場所。世界的鉄道模型メーカー「カトー」が鉄道模型製品の製造・販売を行う、「ホビーセンターカトー東京」です。
実は、ハウブさんが滞在できるのは、この日を含め3日間。しかし、これから作ろうとしているジオラマは、サイズや要素を考えると1週間以上はかかります。
そこで、顧問の中澤先生が、鉄道模型コンテストを通じて親交のあるカトーさんにハウブさんの熱意を伝えたところ、ジオラマ制作に集中できるよう、店内の一室を特別に貸していただけることに!

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鉄道模型部の指導を行う、鉄道模型コンテストの理事・寺崎浩司さんも加わり、制作開始。まずは、木製の土台に設計図を書き写していきます。

ジオラマのテーマは「ニッポンの田園風景」。オランダでも田んぼのジオラマを作ったことはあるものの、出来には納得していないそうで「ぜひニッポンの美しい田んぼの作り方を知りたいんです」と話していたハウブさん。世界一の鉄道模型部の知恵を借りながら挑みます。

下書きをした木の土台に、スタイロフォームと呼ばれる発泡スチロールに似た素材を重ね、地形の凹凸を。固定するのに使うのは、100円ショップの爪楊枝です。

地形のベースができたところで、ハウブさんが取り出したのは民家の部品。白馬で見た家を図面にして、模型の元になる型紙データを自作。そのデータを寺崎さんのお知り合いのジオラマ作家さんに出力していただき、部品にしました。

部品を組み立てること2時間、ようやく民家の模型の原型が。しかし、作業部屋を使えるのは、店舗が閉店する夜8時まで。番組スタッフに撤収を促され、「家は明日完成すると思いますが、全体が仕上がるかは正直不安です」と。制作に費やせるのは残り2日。果たして、ジオラマは完成するのでしょうか?

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翌日、民家の塗装から始めたハウブさん。丹念に塗ること3時間、白馬で見つけた雪国特有の勾配のある屋根の民家が、5時間かけて模型になりました。
一部が風化した屋根や、壁の雨染みまで忠実に再現。カーテンはトイレットペーパーを使い、汚れを入れて風化した感じに。「めっちゃきれいにできている」と西島さん。

ハウブさんが家を作る間、人形作りをしていた西島さん。1体がわずか1センチほどの白いフィギュアに、爪楊枝を使って色塗り。そのままでは爪楊枝の先端が太いため、削って細くしています。筆に比べて硬く、細かいところを塗りやすい上に色ごとに使い分けられるため、人形作りに最適なのだとか。

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さらに、既製品はポーズが限られるため、ボツになった人形のパーツを切って貼り合わせているそう。出来上がりを見ると、元は座っているポーズだった人形が、田植えをする女性の姿に。首にかけた帽子には、カットした爪楊枝が使われています。この出来栄えに、ハウブさんは感心。

家の周りに立つ木々は、関根さんが担当。オランダフラワーと呼ばれる、オランダ産の小さな木を乾燥させた素材を小さくちぎり、幹につけていきます。幹は、小さな銀杏を刺すための銀杏串。幹に丁度いい太さなのだとか。

この作り方に、「すごいですね」とハウブさん。オランダフラワーを使う時は着色し、そのまま木として使っています。
関根さんによると、木の上は小さく、下の方は大きくちぎることで、木の三角形のフォルムをイメージ。自然に生える木の造形を意識しながら丁寧に枝葉を重ねていくこと30分、ようやく1本の針葉樹ができました。

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今度は、竹串の代わりにカトーの幹の部品を使い、枝が横に広がる広葉樹を。スプレーで全体をチョコレート色に染めたら、緑色のスポンジを粉状にして振りかけて葉っぱに。
最初は薄い色を使い、古い感じをイメージ。その後、新緑を思わせる明るい色を使います。
こうして、新緑が鮮やかな初夏の針葉樹と広葉樹が完成。「今後は私もこの作り方を参考にさせてもらいます」とハウブさん。

昼食後は、ベースの地形に色を塗り、カトーの線路と鉄橋を取り付け。そこに、列車の振動や騒音を抑えるための線路の砂利、バラストを敷いていきます。バラストは、軽石をのりで固めて再現するのが定番。
「大糸線のバラストは茶色かったので、その風合いも再現します」とハウブさん。寺崎さんによるとニッポンは湿度が高く、列車の走行で石に付着した鉄粉が錆びて赤茶色に。
ニッポンの景色を忠実に再現したいと、線路や砂利の風合いも細かく色づけしていきます。

時刻はあっという間に夕方5時。西島さんは人形、関根さんは植物作りを急ピッチで進めますが、細かな作業の連続で疲れが。

さらに問題も。川を作るため、川底に石を敷き詰めるのですが、「シーニックセメントを使うと20時までに乾かないから、そのままレジンで固めるしかないかもしれません」とハウブさん。
シーニックセメントとは、素材を固着させる水溶性接着剤。本来は、これを川底に流して石が固着するのを待ち、その上から水の役割を果たすレジンという樹脂を流す予定でした。
しかし、レジンも固まるのに一晩かかるため、夜8時の閉店前に流す必要が。

どう見積もっても時間が足りないため、石が浮く可能性を残したまま、直接レジンを流し込んで固めることに。「上手く固まってくれることを祈るしかないですね」(ハウブさん)。

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最終日。もし昨晩流したレジンで川底の石が浮いてしまっていても、作り直すことはできません。レジンの様子を確認すると…「大成功です!」とハウブさん。石が浮くことなく、きれいに固まっていました。

ここからは、仕上げの工程。民家の周囲に木工用ボンドを塗ると、100均の茶漉しで着色した木くずを振り、土の代わりに。さらに、静電気を発生させる装置に草となる素材をセット。これを使えば、草が立った状態で植えられるのだとか。

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すると、寺崎さんのお知り合いが、白馬で見つけた「道祖神」と呼ばれる地域の守り神を持ってきてくださいました。ハウブさんが写真を元に制作した3Dデータを、3Dプリンターで出力してくださったのです。
そして、関根さんが作った木々や植物を植えると、いよいよハウブさんが最も知りたかった田んぼの作り方を教えていただくことに。

中澤先生が取り出したのは、稲の苗になる歯ブラシの毛。毛先が細いタイプの歯ブラシに色を塗って10本ほど取り、カットして接着剤で束ねると、一つの苗になります。
昨日レジンを固めて作った水田に園芸用の鉢底ネットを載せ、ネットに沿ってレジンに穴を開けたら、歯ブラシで作った苗をその穴に植えていきます。「本物みたいに植えるなんて思いませんでした!」(ハウブさん)。
ハウブさんも田んぼ作りに加わり、2時間かけて完成。そこに、腰に手を当てるおばあちゃんや手を振り合う人々など、西島さんが作った人形を。背景となる写真をつけたら…3日間かけて制作したジオラマが完成!

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豊富に流れる水と豊かな自然が表現され、白馬で見つけた家の周りには、関根さんが枝葉を重ねた木々が。西島さんが作った、ハウブさんや田植えをする人々の姿も見えます。
今回の旅の結晶が、皆さんの力を借りて1つのジオラマになりました。
「これがたった3日間でできたなんて、信じられません」(ハウブさん)。協力してくださった皆さんに感謝を伝えました。

別れの時。「完成できたのは皆さんのおかげです。また会える日を楽しみにしています」とハウブさん。
関根さんは「3日間めっちゃ楽しかったです、ありがとうございました!」と、西島さんも「短い時間でどれだけ早く、どれくらいクオリティ高く作れるかという(ハウブさんの)技術力がすごいなって思ったし、貴重な3日間だったと思います」と伝えます。ハウブさんは最後に改めて感謝を伝え、皆さんと握手を交わしました。

白梅学園鉄道模型部の皆さん、本当にありがとうございました!

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帰国を前にハウブさんは、「他の人と作るからこその学びがたくさんあって、すごく勉強になりました。憧れの場所に行けて、彼女たちとジオラマを作ることができて、本当に今、胸がいっぱいです!」と語ってくれました。

ハウブさん、またの来日をお待ちしています!
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
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