人はなぜ虫を食べるのか? 昆虫食ショップ「TAKEO」の三浦みち子店長に聞いてみた

グルメ

テレ東プラス

2019.10.18

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たんぱく質が豊富で、食糧問題の解決策としても注目されている昆虫食。日本の食文化にはあまり根付いていないが、世界を見渡せば日常的に食べられている地域も多い。

飽食時代といわれる今、あえて今の日本で昆虫を食べる必要はない。しかし、居酒屋などには昆虫メニューを置く店もあれば、コオロギで出汁をとったラーメンに行列ができることもある。物珍しさなのか、罰ゲームなのか......はたまた、昆虫って実は美味しいのか? 昆虫食ショップ「TAKEO」の三浦みち子店長に、その魅力を聞いてみた。

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昆虫は楽しさにあふれた食のラストフロンティア


──率直に聞きたいのですが、昆虫食の魅力とは何なのでしょうか?

「やはり"楽しさ"ではないでしょうか。最近では食事ってただ美味しいだけでなく、インスタ映えなど、一種のエンターテイメントのような体験が求められていますよね。日本では食材として昆虫に触れる機会がないので、目新しさは大きいのではないでしょうか」

──和洋中さまざまな料理に食べ飽きた人でも、昆虫食には未知の体験があると。

「昔食べたことがあるという人も、恐らく佃煮が多いのではないでしょうか。日本では昆虫といえば長く保存食という位置づけでしたが、最近では昆虫をどうやって美味しく食べるかが考えられるようになりつつあります。とはいえ、まだまだ調理法も開拓しきれていないので、未知の体験がまだまだ残されている分野だと思います」

──子供が夏休みの自由研究として、昆虫を食べに来たこともあったそうですね。

「やっぱり、子供は好奇心の塊ですから、興味があるようですね。そういう興味本位という部分では、最近では大人の方もテレビなどで昆虫食を知って、食べてみたいと思われる方が増えているようです。爬虫類などのペットにエサとして虫をあげている方が、同じものを食べてみたいと来られることも多いですね」

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──三浦店長自身は、昆虫食のどこに魅力を感じていますか?

「個人的には驚きですかね。『これって食べられるんだ』という発見です。例えば、『日本では昔ゲンゴロウが食べられていた』と聞いた時にはビックリしました。今の街中には森がないので、なかなか昆虫を見る機会がありませんが、昔は田んぼなどで普通に採られていたそうです」

──春に潮干狩りに行くような感じで、昔はいろいろな虫を採って食べていたという。

「同じ感覚だったんでしょうね。ただ、最近では農薬を使うようになったので、あまり数を見なくなり、採るのも大変になってしまいました」

昆虫の中でも旨味があるのがバッタ目、コオロギは旨い


──TAKEO様の通販サイト上でのコメントを見ると、「美味しい」というコメントが多く観られました。そもそも、昆虫とは美味しいのでしょうか?

「うちで扱っているものの多くは加熱乾燥しているので、サクサクとした食感が楽しめると思います。味でいうとバッタ目が美味しいですね。コオロギなどはグルタミン酸などのアミノ酸が多く含まれているので、エビのような旨味がありますよ」

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──そういえば、店頭に"20%がコオロギなパスタ"というアイテムがありましたが。

「知っている人には、コオロギの旨味を探していただける一品ですね。もっと手軽に食べられるものでは、『コオロギパスタ揚げ この商品の20%はコオロギです。』があります。先ほどのパスタを揚げたもので、オヤツ感覚でサクサクと食べられますよ」

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──これは、昆虫そのものの姿をしていないので食べやすいですね。確かに旨味が感じられて美味しいです!

「コオロギはたんぱく質が豊富なので、粉末をプロテイン代わりに、水に溶いて飲んでいる方もいらっしゃいますよ。最近ではプロテインもさまざまな種類のものがありますが、選択肢の一つになっているようです。お肉にアレルギーをお持ちの方が、パンに練り込んでいるという話も聞きました」

──昆虫が食の選択肢の一つになりつつあるわけですね。コオロギ以外にも、美味しい昆虫のことをもっと教えてください!

「岐阜でよく食べられている"へぼ飯"なども美味しいですね。ハチの幼虫の炊き込みご飯なのですが、コッテリしていて、イクラのような食感があります。今でも、現地に行けば提供しているお店がありますし、一般家庭でもお祝いなどで食べられているようですね」

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──昆虫食というと長野県や山梨県のイメージも強いですが。

「ざざ虫やカイコなどですね。ただ、まだまだ珍味に近い位置づけで、一定数は好きだけど、『なんで食べるの?』という人も多いんです」

お客さん登場、きっかけは『ザ・ファブル』!?


三浦さんに話を聞いていると、店にお客さんがやってきた。千葉県にお住まいだというこの男性は、子供の頃に先生が弁当に入れてきた、イナゴの佃煮を何度か食べたことがあるという。

「先週末には台風の被害にあった地域にボランティアで行ってきて、何か起きたときに虫とかも食べることになるのかなと思って、試しに来てみました。『ザ・ファブル』という漫画に昆虫を食べるシーンがあって、ちょっと興味があったんです」

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この日はサソリなどをお買い上げ。娘さんがいるようで、どうやら一緒に食べてみるらしい。さらに、店頭で売られていた「コオロギアイスもなか -しょうゆ味-」にも興味を持ったようだ。

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どうやら、コオロギのサクサクとした食感が気に入ったよう。サソリの入った袋を手に、大満足の笑顔で帰っていった。......そんなにコオロギは美味しいのだろうか?

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三浦さんに聞いた「コオロギの旨味」が気になったので、ついつい釣られて頼んでしまった。最中の下をのぞいてみると、コオロギの集団が顔を出す。どうやら粉末のコオロギも振りかけているらしい。ご当地アイスは数あるが、なかなかないトッピングだ。

さて気になる旨味だが、みたらし風のあまじょっぱいタレの中に「何かがいる」。確かにこれは旨味だ。調味料のように、コオロギが味に深みを与えている。だが、やはり一番はサクサクとした食感だろう。最中以上にサクサクと香ばしい歯ごたえがある。奇をてらったわけでなく、アイスのトッピングとして、コオロギが実に好相性なのだ。

「ぜひ、スプーンでコオロギそのものの味も確かめてみてください」(三浦さん)

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はい、コオロギそのものを味わってみます。乾燥しているからか、味は思いのほかにタンパクだ。何に近いかというとエビやカニかもしれないが、香りはもっと香ばしい。三浦さんは「ゴマっぽい風味」と言っていたが、確かに鼻に抜ける香りは、ゴマといえるかもしれない。

最初は興味本位だったが、昆虫は決してマズくない、どころか美味しいのかもしれない。キャンプなどに行ったとき、繁みで虫を見かけたら、食べてしまっても大丈夫なのだろうか?

「ちょっとだけ楽しむのであれば問題ないですよ。この夏にはセミを食べましたが、捕まえやすくて美味しかったです。ただ、虫は菌や毒をもつものもあるので、必ず火を通してください。また、甲殻類に近い生物なので、エビやカニのアレルギーをお持ちの方は注意が必要ですね」(三浦さん)

最近、食に感動がないという人は、そのテリトリーを昆虫まで広げてみてはいかがだろうか。未知の体験と美味しさに、意外とハマってしまうかも?

【取材協力】
TAKEO
営業時間:13:00~18:00
定休日:土曜日
住所:東京都台東区松が谷1-6-10
URL:https://takeo.tokyo/note/shop-info/

※この記事内の店舗情報は、2019年10月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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