レトロ横丁、八幡浜伝統の漁、絶品塩パン、愛媛県大洲から八幡浜、佐田岬まで空の景色をお届け:空から日本を見てみよう plus
「空から日本を見てみよう plus(11月30日(木)放送分)
「もしもし?そこのアナタ、たまにはわしらと一緒に空から日本を眺めてみるというのはどうじゃろう? 楽しいぞ!」。雲のおじいさん(くもじい、声:伊武雅刀)とくも少女(くもみ、声:柳原可奈子)が日本全国の空を飛び回って各地を詳しく紹介、視点を変えて上空から日本各地を見て回る新感覚バラエティーが「空から日本を見てみよう plus」です。

今回は前回同様、引き続き愛媛県を見て回ります。大洲から八幡浜そして、蛇のようにくねくねしている佐田岬を目指して飛んでいきます。城下町の大洲を出発し、四国の西の玄関口である八幡浜を通り、日本で最も細長い佐田岬半島を目指します。
道中に見かけた崖っぷち和風高床式ジャングルハウス!? 宙に浮く高床式ハウス!? の正体も明かしていきます。それではそろそろ出発しましょう。

今回のルートは、先述した通り愛媛県の大洲から佐田岬です。予讃線の伊予大洲駅あたりからスタートし、八幡浜駅を通って、伊方町から佐田岬半島に入り、その先端を目指します。
大洲市は大洲城を中心に発展した城下町で昔ながらの古い町並みが残ることから"伊予の小京都"とも言われています。「出ました小京都!」(くもみ)。ちょっと先に伊予大洲駅が見えてきました。肱川は、長さが103kmもありますが、源流と海に流れ出る河口との直線距離は、なんと18kmしか離れていません。「それだけ曲がりくねってるってことですよね」とくもみ。

おっと、お城が見えてきました。先ほども紹介したように大洲市は城下町です。ということは? そう、ここが大洲城です。このお城は鎌倉時代末期に築城され、江戸時代には藤堂高虎などによって修築されました。明治時代に天守閣が一度解体されましたが2004年に木造で復元されました。

「ちなみに大洲城は肱川の舟運によって大いに栄えたんじゃぞ」とくもじい。かつて大洲は港を意味する「津」を用いた「大津」と表記されていました。「由来は大きな川港ちゅうことじゃ」とくもじい。川港に集まった木材などは、肱川を下り長浜まで運ばれ、そこからさらに全国へと運ばれていました。「そういえば前回、長浜で聞きました」とくもみ。

「現在でも、かつての城下町では、江戸および明治の面影を残す町並みが残っておるぞ」(くもじい)。「いい雰囲気です」(くもみ)。「くもじい!今でも船は活躍しているんですか?」とくもみ。何やら川に船が浮かんでいます。それを見たくもじい、「おお、あれは観光客向けの鵜飼の屋形船じゃ」。

おっと川の右手に赤レンガが目立つ立派な建物があります。赤レンガに瓦屋根、くもじいの大好物な建物の匂いがしますがその正体は?ということで行ってみると、そこは「おおず赤煉瓦館」という建物でした。元々は大洲商業銀行として建てられました。

赤煉瓦館のスタッフ小路めぐみさんによると「大洲はもともと製糸業が盛んでしたので繭を貸し付けておりました」とのこと。「繭じゃと?」とくもじい。最盛期には、市内に37もの製糸工場が出来、製糸業の発展にともない銀行が設立され、繭を担保に融資を行っていたといいます。「なるほど・・・」(くもみ)。
おっと、煉瓦館の裏に何かあります。看板にポコペン・・・という文字。その下に矢印と「こちらです」と書かれています。気になるので行ってみましょう。着いた先には何やら古めかしい建物が並んでいます。「商店街?」とくもみ。人が集まっているので、覗いてみると、懐かしいベーゴマで遊んでいます。
大洲まぼろし探偵団本舗のスタッフ清水恭美さんによると「昭和30年代をイメージして造られた横丁とのこと」。昭和レトロな雰囲気が懐かしさを感じさせます。

この横丁は「ポコペン横丁」。4月から11月は毎週日曜日、12月から3月は、第3日曜日に営業される「幻の横丁」です。二十軒の店が軒を連ね。先ほどのベーゴマや昔ながらの遊びが楽しめます。

数人の若いグループに「今日は何でここに来たのか」と聞いてみると、森美希さんと金子桃子さんが「今日は綾美の誕生日」(金子さん)、「誕生日ガールを連れてきました」(森さん)と答えてくれました。グループ仲間の二宮綾美さんのお誕生日だったんですね。「Happy birthday dear 綾美~♪」とくもじい。
空に戻り肱川が大きく曲がっている場所に来ました。「この辺りは、川幅も広く川面に新緑や紅葉が鏡のように映り込み風情ある光景を作り出す肱川随一の景勝地"臥龍渕"(がりゅうぶち)じゃ」とくもじい。

おっと、その臥龍渕の崖のジャングルみたいな所に和風の家が建っています。よく見てみると、茅葺屋根の建物の土台が京都の清水寺のような懸け造りで建っています。この建物の正体は?その建物とおぼしき場所に行き、中にお邪魔してみます。順路と書かれた看板が見えます。見学できる場所なんですね。

建物の入り口に人がいました。その人にこの建物は何かと聞いてみました。この方、この山荘の主任、宇都宮厚子さんでした。「臥龍山荘という名前なんですけれども、明治の貿易商が残してくださった建物と素敵なお庭なんです」と答えてくれました。ここ臥龍山荘は、臥龍淵にたたずむ3千坪の山荘。木蝋貿易で財を成した大洲出身の豪商河内寅次郎の別荘で1907年に完成しました。「わしは崖っぷちの建物が気になる」とくもじいが言うので、その建物に行ってみます。中に入って気になる景色を眺めてみると、とっても美しい景色が目に飛び込んで来ました。

「この建物は"不老庵"と名を付けています」と宇都宮さん。「肱川に漕ぎ出すような船にも見立てて」(宇都宮さん)。崖にある建物の正体は、臥龍山荘不老庵でした。先ほどの説明にあったように、臥龍淵を眼下に見る崖の上に建ち、建物そのものが船に見立てて設計されているとのこと。「この高さの意味はあるんですか?」とくもみ。すると「今では学校ができて申し訳ない、残念なんですけど、あの建物の上の辺りに向かって中秋の名月が1年に1度ゆっくり上る」と宇都宮さん。「その登り始めた月、角度が良くなった時に、この目の前の肱川の水面に当たった光が、不老庵の部屋の中の天井に薄っすらと(映る)」のだそうです。「明治時代の憎い演出」とくもじい。
空に戻り肱川をさらに進んでいきます。おっと、右手の方に先ほどのような懸け造りの建物があります。ここも先ほどの臥龍山荘と関係があるんでしょうか?「それにしても大洲は懸け造りが流行っちょるんか?」とくもじい。いったいこの2つ目の建物の正体は?

ここは「少彦名(すこなひこな)神社」の参籠(さんろう)殿。1934年に造られ、2011年から修復されました。「何に使う建物なんですかね」とくもみ。答えてくれたのはおすくな社中の板倉 勉さん。「直会(なおらい)っていうかね。」「直会?」(くもみ)。「行事をした後にお酒を飲んだりする場所」と板倉さん。

入り口は、神社らしいたたずまいですが、中はどうなっているのでしょう? 中に入って見ると、広々とした空間が広がっています。まるで何も置いてない講堂や道場のようです。
「気になる中からの眺めは?」とくもみ。目線が高い位置から、周囲を一望できます。「いやあ・・・わしも是非ここで一杯やってみたいもんじゃ」とくもじい。眺めよりお酒なんですかね。
「そもそもなんでこんな場所に建てたんですか?」とくもみ。その疑問に板倉さん「技術よね。」と即答。「これだけのものができるという大工の棟梁さんの力よね。ここで造ってみようという」(板倉さん)。「技術アピールか!」とくもじい。ちなみに社殿は、参籠殿から伸びる階段を上った先にあります。「大洲、まさかの懸け造り天国じゃ」(くもじい)。
城下町の伊予大洲駅から、予讃線沿いに八幡浜駅を経由し、港町八幡浜を目指します。伊予鉄南予バス大洲営業所には「RL型バス」というレトロなバスが動態保存されており月に1回、実際に走っています。
大洲には青島という島があります。この島、島民15人に対し、100匹以上の猫がいます。見に行きたいところですが、そっとしておいて欲しいとのことで今回はパスします。

山を越えたら八幡浜市に入ります。「八幡浜は海に面していることから、古くから漁業が盛んで太刀魚やアジ、ハモなど実に様々な魚が水揚げされる港町じゃ」とくもじい。一気に山を越え、ずいーっと進むとちょうど目の前に八幡浜港が見えてきました。かなり大きな港です。「かつて八幡浜は、海上交易で栄え、現在でも九州の別府港と臼杵港との間に1日20往復のフェリーが運航されています。「九州への玄関口なんですね」(くもみ)。

すると、港にフェリーっぽくない船が係留されています。漁船でしょうか?この船は、「海幸丸」。八幡浜伝統のトロール船です。八幡浜は古くから天然の良港として栄え中型トロール船団の基地になっているのです。最盛期には27統(54隻)を数えたといいます。現在では、昭和水産が所有する1統(2隻)のみの操業となっています。ということで見学のために船に乗せてもらいます。
「そもそもトロール漁業って何ですか?」とくもみ。トロール漁業は、底引き網漁業の一種。八幡浜では2隻で1つの網を引く二艘引き漁業を行っています。まず船が向かうのは、八幡浜からおよそ3時間、愛媛県と大分県の間にある漁場。移動中することがない乗組員は爆睡中。
そして3時間後。午後1時、突然船内にけたたましく鳴り響くベルの音。次々と船員たちが起き上がってきました。いよいよトロール漁業が始まります。巨大な網が海の中に吸い込まれていきます。この網、どれくらい引くんですか?というくもみの質問に「えーっとね。多分3時間くらい」と船員の塚崎弘樹さんが答えてくれました。「その間が寝る時間」。えっとまた3時間寝るんですか?

乗組員はコンスタントに3時間程度睡眠を取るライフスタイルなんですね。そして2隻で網を引くこと3時間。午後4時にまたけたたましいベルの音が船内に鳴り響くと、船員さんたちが甲板に上がってきました。網が揚がって。何やら大漁の予感。ぱっと見エイだらけです。エイの下にいろいろな魚がひしめいています。ちなみにエイは雑魚なので海に返します。

船員さんたちが木の箱を大量に並べ始めました。船員の松本裕文さんによると「これから魚を選別する」とのこと。これらの木箱は獲れた魚を種類とサイズ別に選別するためのトロと呼ばれる箱。皆さん手際よく、魚をポイポイと選別して行きます。この作業がトロール漁業の中で、最も人手と手間がかかる作業なんだそうです。選別された魚は氷漬けにして冷蔵。ここでの迅速な作業が鮮度を保つといいます。「時間との戦いじゃな」とくもじい。
選別が終わったと思ったら、もう次の網入れの準備をしています。選別を終えた船員さんたは、このタイミング(夕方6時半)で食事を取ります。午前1時に2回目の網揚げ。今度も大漁です。そこから、夜中を通して選別作業を行います。

早朝6時、次に船が向かうのが高知県の足摺岬周辺。午後1時に3回目の網揚げです。ものすごい量の何かが網に入っています。1回目、2回目と比べてぶっちぎりの大漁です。揚がったのは、ほぼ全部というくらい大量のヤリイカがかかっていました。それにしても半端ない量です。あっという間にイカの入った箱がうずたかく積み重ねられて行きます。

あまりの量の多さに船1隻では選別し切れないと判断。片船を呼んで、半分を渡します。ヤリイカの選別は5種類。大きさ、状態を一瞬で判断して区分けしていきます。
このイカの選別、どのくらいかかるんでしょう? 船員の秦 嵩太さんによると「12時間くらいやないすか」とのこと。「網を揚げてからですよ。うちが選別する間に片船がまた網揚げて、さっきうちが渡したみたいに片船からもらうんで、また同じくらいボコッと増えるけん。終わらんのですよ」と秦さん。選別に12時間、船員さんたちの中には「もう(選別を)飽きた」なんて言いう人も・・・。確かに大変な作業です、頭が下がります。ひたすら選別を続け、夕方の5時半にようやく終わりました。

何箱くらいになったんでしょうか? 井上泰宏さん曰く「片船にあげたん入れたら600くらい」とのこと。ものすごい数ですね。この後、市場まで戻り、獲った魚を揚げて終わるのかと思いきや、取って返して再度、網を下すとのこと。休む暇もありません。出港から32時間、船が八幡浜に戻ってきました。荷揚げ後にもう次の漁に出港。トロール漁ってものすごいハードワークです。

ちなみにトロール漁で獲れた魚は、網元直営店のトロール市でいただけます。オーブンで焼いたヤリイカを使ったイカの丸焼き定食は、イカが2本入って1,000円というお手頃価格です。
港の先に見えている島「黒島」は無人島です。ここで八幡浜港をぐいっと回り込み八幡浜市街を見下ろします。すると、市役所の裏手にかわいらしい煙突の家が見えます。港町らしくない洋風の建物です。気になるので行ってみます。

ここは、1997年にオープンした「パン・メゾン八幡浜店」。八幡浜では誰もが知る有名店で約150種ものパンを販売しています。
同店で人気ナンバーワンの商品が「塩パン」(77円)。パン・メゾン代表取締役の平田已登志さんによると「パン屋さんはどうしても夏場にパンが売れないもんですからね。何か夏に売れるものをがないかと思いましてね」。何か夏場に売れるものをと考えたのだといいます。

「やっぱり八幡浜ですからね。魚市場の人とか漁師さんたちが夏は大変汗かきますのでね。ちょっと塩気のある塩分を含んだものが良いかと思いまして、この塩パンを考え付いたんですね」と平田さん。当の漁師さんたちには売れているのかというと、「ご覧の通り、もう老若男女皆さんに買ってもらっている」とのこと。
塩パン作りは毎日午前3時から始まります。フランスパン生地にバターを乗せ、甘みのある岩塩をかけます。塩の産地だけは絶対に秘密とのこと。
午前6時半に開店。最初のお客さんから、真っ先に塩パンコーナーに向かいます。一人で何個も買っていくお客さんもいます。塩パンファンのご一家大西茂邦さん、サナエさん、健吾さんたちによると「なんかパリッとして中がしっとりして、絶妙な塩とバターのバランス」とのこと。

閉店の夜7時に集計してみると、1レジで1880個、2レジが1518個、合計で3398個も売れました。塩パンおそるべし。
塩パンを堪能したら、国道197号に沿って八幡浜の内陸側も見て行きます。さらに日本で最も細長い佐多岬の先端へ。もちろん、この先の道中も見逃せないポイントが盛りだくさん!残りは見逃し配信でチェック!
【番組概要】
番組名:「空から日本を見てみようplus」
放送局: BSジャパン BS7ch 全国無料放送
放送日時: 毎週木曜 夜9時放送
番組公式HP:http://www.bs-j.co.jp/sorakara/