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下処理と進化した冷凍技術により、今後全国各地に広がっていくことが推測される小松島市の高級鱧。6月29日(金)、小松島市が誇る高級鱧の味を知ってもらうべく、東京・原宿「南国酒家」において、試食会が開催された。試食会には、後藤田正純衆議院議員ほか、小松島市長、小松島の漁協関係者、地元加工業者、東京の料理屋・料理人、各種メディアが参加。鱧と一流中華の融合で生まれたステキな料理の数々がふるまわれた。
◆徳島県小松島産天然鱧の甘辛醤油かば焼き風
◆徳島県小松島産天然鱧のすり身、黄ニラ、アスパラガスのライスペーパー捲き揚げ
◆徳島県小松島産自家製XO醤オーブン焼き&バターナッツ南瓜&白ゴーヤ&やさいっ粉
添え
◆徳島県小松島産香り揚げ青山椒の香り
一通り、自慢の鱧料理を試食したところで、小松島市長・濱田保徳さんを取材。まずは、鱧と小松島市の歴史から…。
「小松島市は、2つの海が出会う最高の漁場です。太平洋と瀬戸内海が交わる紀伊水道は、非常に栄養豊富な海域として知られています。そんな海で育った鱧は本当に美味。小松島市の鱧は、昔から京都の料亭や祇園祭りで食されてきました。そしてやっと、骨切りや冷凍などの加工技術が追いついてきた。そんな経緯の中、これからは京都だけでなく、東京や関東の方にも定着して食べていただきたいなと思ったことから、今回のイベントを企画しました。鱧は、うなぎ以上のたんぱく質がありますし、何の料理にしてもおいしい。皮を千切りにして酢味噌、キュウリ、わかめと和えても美味しいですし、また新たな料理法を提案していただきたいという想いもあり、今回東京にお邪魔させて頂きました」
はたして、これらの加工技術はいつ頃から進化を遂げたのか。
「この5年くらいで、急激に進化したように感じます。最初は、活魚のまま京都に送ったりしていましたが、関東の方まで輸送するとなかなか採算が合わなかった。そこで今回、面倒な骨切り後の鱧を真空パックにして冷凍する…その技術が確立できたので、試食会を開催させてもらいました。地元企業、自治体職員と、漁協さん、農協さんがタッグを組んで、チーム一丸となって取り組んでいます。正直こういうコラボは新鮮ですし、普段はあまりないことなんですよね。自治体は自治体だけ、漁協は漁協だけでプロモーションするのが一般的なので。鱧に関して、我々はいつも一緒に行動をしていますので、そういう相互間の交流が生まれるのもものすごくいいことだと思います」
市長の濱田氏は、しいたけ生産の先駆者。農家出身の生産者であるということから、農業や漁業のつらさや厳しさをよく理解し、地元民にも大変親しまれているという。「大変なことがあればそれを見直していかなければいけない。変化に対する苦労を乗り越えてこそ幸せがある」と濱田氏は語る。
続いて話を伺ったのは、小松島市産業建設部商工観光課企業振興・商工観光担当の花房由佳さん。小松島市の魅力を問うと、こんな答えが返ってきた。
「小松島には山も川も海もあり、その地域産品が美味しいというのはもちろんですが、とにかく“人が優しい”んですよね。気候も穏やかで、何かにつけて“ちょうどいい町”なのかなと思います。気取らなくていいし、なんでも揃う。医療機関も充実しているので、暮らしていくにはちょうどいい環境だと思います。よく“都会でこの生活をしようとしたら何倍ものお金がかかるよ”というご意見を頂きますが、“そうか! 小松島にはそれだけの魅力があるんだ”と毎回幸せに感じます」
移住を考えている若者にも、おすすめの町なのかもしれない。
「徳島県はサテライトオフィスの誘致で有名な県ですが、小松島市も、ようやく企業の誘致や、産業・観光の振興に視点を向けることができるようになりました。観光面でも企業の呼び込みにおいても、地元の底上げとして、様々な事業を展開させていこうと検討しています。今回の鱧もその一環で、鱧と観光を結び付け、“小松島市と言えば鱧、鱧を食べに小松島市に行こう!”というひとつの商品ができればいいなと思っています」(花房さん)
テクノロジーが進展し、伝統的な小松島の漁業をさらに持続させる。豊かになった水産業が新たな人材を育成し、ひいては小松島のまち全体を盛り上げることにつながっていく。まちの活性化こそが、人と人をつなげる鍵となるのだ。
小松島市公式サイト:https://www.city.komatsushima.tokushima.jp/
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