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“ワンダフルな出会い”を求めて。ぼっちで楽しめる「東京狛犬巡り」

トラベル

テレ東プラス

2018.10.6

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「おひとりさま」という言葉もすっかりお馴染みのものとなりましたが、その醍醐味は何と言っても誰にも気を使わず自分のペースややり方で好きなことを楽しめる点にあるでしょう。この「ぼっち旅」では、自由気ままに1人で楽しむ街歩きのモデルケースを、それぞれのエリアごとにご紹介していきます。



狛犬天国なエリアを歩く


今回のぼっち旅は、東京の狛犬巡り。


旅の案内人は「狛犬を愛でる会」を主催するミノシマタカコさんです。


狛犬とは、神社に奉納、設置された守護獣像。


正式名称は「獅子・狛犬」と言い、アシンメトリーな霊獣が2体セットになっています。
一般的には、お寺にある仁王像と同じように向かって右側が「阿形(あぎょう)」、左側が「吽形(んぎょう・うんぎょう)」となっているところから、仏教の影響があることが考えられます。


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そんな狛犬のデザインは地域や時代によって様々。特に、江戸があった東京の狛犬は、さすが幕府のおひざ元!? 粋を求める町人文化のおかげか、洗練された狛犬に出会うことも多い場所。昭和初期より前のもので、震災や空襲から生き残ったものも多く、焼け跡やひび割れなど厳しい条件を生き抜いてきた痕跡と出会うこともあります。


今回はそんな多彩な狛犬が残る東京のうち、狛犬天国!な千駄ヶ谷の鳩森八幡神社から、四谷を経て、市谷の亀岡八幡宮まで歩いてみました。



狛犬天国! 鳩森八幡神(1)


JR千駄ヶ谷駅から徒歩5分の場所にある鳩森八幡神社は、富士塚もある居心地のいい神社。ここをスタートに選んだ理由は、なにより狛犬がいっぱいいるから! 初めて狛犬ハンティング(狛犬を見つけること)をするなら、最初はいろんな時代の狛犬が一気に見られる鳩森八幡神社がおすすめ。


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メインの拝殿前には文化11年(1814年)の狛犬。町人たちの化政文化が花開いた時代に登場した、威勢がいい表情の江戸狛犬です。足も太くてバランスがいいですね。ちなみに狛犬情報は台座に書いてあることも多いので、狛犬さんのお姿と一緒にチェックします。奉納した人たちの町名なんかがわかると、一気に親近感もわきますよ。


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台座と上に載っている狛犬の石が違いますよね。こういうことは多々あるんです。理由は作り直しだったり、時には上の狛犬と下の台座が様々な理由でシャッフルされていたり......。こちらの場合は、作り直しされているようですね。


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台座の足元には、なぜか獅子の顔の破片が。昔こちらにいた狛犬さんの一部なのでしょうか? 高い場所にあるとなかなか見れない狛犬の彫りをまじまじと見ることができるので、こういう出会いはちょっとうれしかったり。キレイな巻き毛ですよね。きっと、欠片になる前は立派な狛犬さんだったのでしょう。



鳩森神社(2) 富士塚のたもとにパグ風かわいこちゃん


鳩森神社には東京都指定有形文化財に指定されている富士塚があります。江戸っ子はたいそう富士山が好きだったようで、富士山を模した"富士塚"が都内のあちこちに残っているんです。こちらの富士塚は寛政元年(1789年)に作られたものとのこと。


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ここの入り口に一対の狛犬がいます。この位置&大きさは狛犬をまじまじと観察できるベストサイズ!


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「お前は犬か!」と言いたくなるようなこの表情。思わず、首回りをわしわし撫でたくなります。


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阿の方も「遊んで遊んで!」と言っているかのような錯覚に。なんて愛らしい狛犬さん。表情が動物っぽいデザインに出会うと、テンションがあがります。


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横からみると顔がつぶれているようにみえる! やっぱりパグっぽい......。


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後ろ側もチェックしてみると、尾立と呼ばれるしっぽのデザイン。先ほどの狛犬は、尻尾が体に巻き付くように流れている尾流れといわれる江戸後期にみられるデザインだったのですが、こちらはそれよりも少し古いものに多い尻尾の形なんです。年代を確認してみると「享保二十......」までは読めました。享保20年だとすると1735年。拝殿前の狛犬との年齢差は79歳。わずか80年の間に、彫りの深さや尾のデザインが大きく変わったことが伺えます。


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頭には穴! 狛犬を見て回ると、頭に穴が開いたものによく出会います。


実は古い木製狛犬のデザインをみると一角獣&ストレートヘアでした。この穴、木製狛犬を作る工程をまねて、角を入れるための穴として作った......という説もあるんです。狛犬はわかっていないことが多いからこそ、想像力が掻き立てられるのが魅力だったりします。



鳩森八幡神社(3) 富士塚に隠れた名品!


狛犬は鳥居や本殿の前にいるとは限りません。こちらの富士塚の中にも、ほかの石造物に混じってもう1対の狛犬がいました!


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もともと、違う場所にあったのでしょう。奥の狛犬は尾立デザイン、手前のだいぶ崩れている狛犬は尾流れ風のデザインです。時代も石工さん(狛犬を作った人)も違うのでしょう。


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正面から見ると、キリリとした顔が確認できます。


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神社の方によると享保時代のものとのことで、先ほどの富士塚入り口の狛犬さんと同じ時代。でも、ボディ全体に彫られて細かな彫り、足の毛の細やかさなどをみていると、こちらのほうが、手は込んでいるように感じました。


昭和初期まで狛犬は手で彫られていたことを考えると、これらはある種、工芸品。時代が同じでも作り手によって変わる個性を楽しむのも、狛犬鑑賞の魅力なのです。



鳩森八幡神社(4) 昭和初期のブロンズ製狛犬


参道にいる狛犬は、石だけとは限りません。ブロンズや陶器など、様々な素材のものがあります。こちらには昭和7年(1932年)のブロンズ狛犬がいました。


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いつの時代にも起きる区画整理。町が解散になったときの記念に奉納されたようです。きっと町名や町自体に愛着がある人たちが、ここにこの町名があったことを残したいと思ったのでしょう。台座からいろんな物語を想像してしまいます。


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狛犬は昭和初期によく見られるムキムキっとしたデザイン。時はまだ第二次世界大戦より前。奉納の前年、昭和6年には満州事変が起きています。戦争に向かっていたからでしょうか。この時代はマッチョな狛犬が好まれている印象です。



多武峯内藤神社 楽しい! 笑い顔狛犬


最初の鳩森八幡神社でたっぷり狛犬ハンティングをしたところで、次は四谷方面に向かいます。千駄ヶ谷駅を超え、新宿御苑沿いを歩いていくと、多武峯内藤神社があります。途中には「沖田総司逝去の地」なんて看板も。普段歩くことのない街の歴史に触れられるのも楽しいですね。


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神社は小さな街角の公園の奥にありました。入り口から狛犬さんが見えます!


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1700年代らしいデザインの1対。カクカクしているけど、細かいところまでしっかりとディテールが彫りこまれていますね。


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台座をチェックしてみると、寛政5年(1793年)とあります。石工さんの名前もありますね! 狛犬好きの中には、石工さんの情報をまとめている方もいるんですよ。それもまた、狛犬の楽しみ方のひとつなんです。


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そしてポイントは、この笑い顔! なんかいいことありそうですよね。表情がいい狛犬さんに出会うとうれしくなります。



『君の名は。』でも有名! 須賀神社の狛犬


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映画『君の名は。』のラストシーンに出てくる階段のすぐ横にある四谷須賀神社。絵馬もあの階段デザインということで、この作品好きなら階段と一緒に、一度は訪れてみたい場所かもしれません。この日も、階段のまわりで多くの人が撮影していました。


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メインの狛犬さんは、「昭和狛犬」や「岡崎型狛犬」と言われるタイプ。みなさんが狛犬と言われて思い出すのは、このデザインじゃないでしょうか。愛知県岡崎市の石工さんが昭和初期に作り出した、狛犬界のグッドデザイン賞だと思っています。いい狛犬はコピーされることが多いんですが、これのコピられ率はダントツかもしれません。


でも、ここの見どころ狛犬はこれじゃない! 境内の中にある天白稲荷神社には、1700年代の狛犬さんがいます。


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これが、デカ目! 他の神社でみた1700年代狛犬たちと、また違う個性を出しています。


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こちらもしっぽが立った、尾立デザイン。彫りもまだ、シンプルですね。享保13年(1728年)奉納と、ここまでの中では一番古いかもしれません。鮫河橋(さめがはし)の人たちが奉納したとのことで、現在で言うと新宿区若葉二、三丁目あたりになるのだそう。どんな場所か調べてみたところ、江戸時代中期には岡場所として知られていたようです。奉納した人たちの歴史に思いをはせるのも狛犬巡りの楽しみですね。



市谷亀岡八幡宮(1) 年代不詳ぶさかわ狛犬


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最後は市ヶ谷にある亀岡八幡宮へ。長い階段の途中にあるのが......。


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こちらのぶさかわ狛犬! ぶさいくかわいい!
遠方に避難していたそうで、古いけど状態良好。大空襲の大火で焼けることなく、キレイな状態で残っています。


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宮司さんによると、肩の盛り上がりデザインは、火消しが刺し子を着ている形を模したという説もあるとのこと。そういわれると、ちょっとぶさかわフェイスが凛々しく感じられてきます。



市谷亀岡八幡宮(2) 戦火に耐えた凛々しい狛犬


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本殿の前にある狛犬は、安政5年(1858年)と江戸時代後期のもの。


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でも尻尾のデザインは、当時は主流だったと思われる尾流れではなく、尾立です。それでも、彫りの立派さは目を引きます。


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ここ近くに大本営があったため、戦時中はかなり激しい空襲を受けたのだそう。戦火が長い階段をなめて上がってきたとのことで、狛犬さんにも炎に焼かれた痕跡が残っていました。都内の狛犬さんにはこういった焦げた跡に出会うことが多いのも特徴です。


今回の狛犬ぼっち旅は以上です。


全部を回って、ちょうど徒歩で3時間のルート。万歩計も1万を超え、狛犬と同時に「たくさん歩けた!」という満足感も得ることができました。


寺社仏閣と言えば、参拝に加え、御朱印やパワスポ巡りが主流ですが、個性豊かな狛犬巡りも発見が多くて楽しいもの。寺社巡りの際は、狛犬も一緒にチェックしてみてくださいね。

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。

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