ビール片手に隅田川を行く、東京再発見の旅。都内水上バス巡りをぼっちで満喫してみよう

「おひとりさま」という言葉もすっかりお馴染みのものとなりましたが、その醍醐味は何と言っても誰にも気を使わず自分のペースややり方で好きなことを楽しめる点にあるでしょう。今回は自由気ままに1人で水上バスに乗り、知っているようで知らない東京の新たな魅力を探してみます。
水上バスはただ乗るだけでも面白い!

東京でもたまにみかける観光用の水上バス。むしろ観光ではなく、日常使いにぴったりの穴場だということをご存じでしょうか?
都内で水上バスを運航しているのは主に2社。東京都公園協会が運営する「東京水辺ライン」と、民営の「TOKYO CRUISE」です(そのほか、短距離で小型クルーザーを運行している「アーバンランチ」などもあります)。
どちらも隅田川及び臨海部を運航していて、浅草やお台場などの観光スポットをつないでいます。運航スケジュールやルートは少しずつ違うため、ホームページをチェックして条件に合うものを選ぶのがポイント。水上バスのデザインで選ぶ、というのもありです!
というわけで、今回は東京水辺ラインさんの水上バスに乗り込みます。こちらは浅草駅最寄りの「墨田区役所前」発着所。

団体でなければとくに予約する必要はなく、発着場の窓口でチケットが買えます。ちなみに、無人乗り場の場合は船内で購入。電車やバスぐらいの手軽さです。ただ、その日の天気によって急な変更もあるので、念のためホームページをチェックしておきましょう。
今回の目的地はお台場海浜公園。運賃は距離によって変わり、ここからだと1130円です。電車を使うと500円前後なので、600円ほど上乗せするだけで船の旅が実現できちゃうわけです。600円で非日常を体験できるって、ちょっとお得じゃないですか?
しかも船内は飲食物の持ち込みが自由! なんとアルコールもOKです。船内にもノンアルコールの自販機がありますが、優雅な船旅と洒落込みたい方は、軽食やお酒を持ち込んじゃいましょう。
ちなみに、オープン前だったので入れずじまいでしたが、発着場にはお洒落カフェも併設されています。

さてさて、無事チケットを手に入れていざ出発!
こちらが今回乗り込む水上バス「さくら」です。

渋い......! 飾り気のない外観がむしろ非常に味わい深いです。ちなみに、東京都所有の船なので、有事には救援物資を運んだり、人の輸送を行う防災船にもなります。格好良いですね。
いざ乗船。浅草からお台場へ
9時50分、「墨田区役所前」発着所を出発。約1時間の水上ぼっち旅のスタートです。
ルートは以下の図の通り(東京水辺ラインの公式ホームページより)。急行便に乗り込んでいるので「越中島」と「聖路加ガーデン」には停泊せず、「浅草寺二天門前」、「浜離宮」を経由して「お台場海浜公園」を目指します。

さっそく展望デッキに向かいます。
気持ちよく晴れた空の下、風を切って進む水上バス。視界いっぱいに広がる青のグラデーション。

発車して10秒くらいで「あ、来て良かった......ぼっち旅・完......」と思うほどの満足感。
右手にはスカイツリーも。東京に住んでいたってこんなに間近で見る機会があればテンションは上がります。

さて、しばらく風を浴びた後は船内へ。
外観からは想像のできない、レトロな喫茶店のような雰囲気です。

こちらは風を感じられるデッキ。

そして展望デッキ。

写真でお気づきの方もいるかもしれませんが、そう、ほとんど人がいません。この日は平日ということもあり特にガラガラだったそうですが、大体いつでも着席できないほどの混雑はないとのこと。
好きなボックス席に座って、しばらくコーヒーブレイクに入ります。ぽかぽかと差し込む日光に、エンジンの規則的な重低音。ときどき水鳥の鳴き声も。

窓をのぞき込むと、川面がきらきら輝いています。

窓から外を眺めていると、休憩中の鳥やジョギングをしている人など、いろんな発見があるのも魅力です。展望デッキにいるとたまに子どもが手を振ってくれるので、その場合はぜひ全力で答えましょう。

穏やかな時間が、満員電車に慣れた心に染み渡ります。この誰にも邪魔されないひとときこそ、ぼっち旅の醍醐味と言えるのではないでしょうか----。
14の橋をくぐる

ただぼんやりと乗船しているだけでも贅沢な気分に浸れる水上バスですが、ほかにも外せない見どころが。それは----橋! 浅草~お台場海浜公園までの道のりで、なんと14もの橋の下をくぐることになります。
「橋の違いなんていちいちわからない!」という人でも大丈夫。くぐる橋が近づいてくると、船内にアナウンスが流れて橋の名前と歴史を教えてくれるんです。
たとえばこちらは「厩(うまや)橋」。西岸に幕府の厩(馬を飼う小屋)があったことから名付けられたそう。

そしてこちらは、地下に東京メトロ半蔵門線が通っている「隅田川大橋」。この橋をくぐったあたりから一気に高層ビル群が増えて、下町から都会的な雰囲気になっていきます。

橋の形や歴史がわかるのも面白いですが、驚くのが橋げたとの近さ! 「永代橋」をくぐるときには頭上注意のアナウンスがかかるほどです。写真を見てもわかる通り、本当にすれすれです......。

実は隅田川は、パリのセーヌ川と友好河川の提携をしている仲。こちらの中央大橋は、フランスのデザイン会社が設計しています。

さらに、中央大橋の中間部分にはパリ市長から寄贈された彫刻『メッセンジャー』があります。こちらは水上バスからの眺めがベスト。

また、水上バスでくぐる橋のなかでも忘れてはならないのが「勝鬨(かちどき)橋」。かつては、大きな船を通すために橋が真ん中で分かれて跳ね上がる眺開橋として人気を集めました。

今はもう眺開橋としての稼働は停止していますが、下をくぐりながら当時の面影を見ることができます。

低めの橋を次々にくぐり、最後に遭遇するレインボーブリッジの壮大さも一見の価値ありです!

どれだけ見つかる? 川縁のロマン
川から街を眺めると、歩いているだけでは見つからないものがまだまだたくさん見つかります。
松尾芭蕉の銅像が動くという「芭蕉庵史跡展望庭園」や、

移転して誰もいなくなった築地市場。

警笛を流しながらくぐる「浜離宮水門」も迫力があります。

そして都会のど真ん中に突然現れる「浜離宮」。

そしてあっという間に「お台場海浜公園」発着場に到着!
お台場に用事がない人は、すぐに折り返しの便がでているのでUターンするのもOK。

純粋に水上バスに乗るもよし、隅田川近辺をもっとよく知りたかったら、みどころマップもあるのでおすすめです。

いかがでしたでしょうか。東京に住み慣れている人ほど、東京を再発見できる水上バスに乗る楽しみは多いのではないかと感じます。
ちょっとした非日常を味わいたくなったときには、ぜひぶらりと水上バスに乗り込んでみてくださいね。

【取材協力】
公益財団法人 東京都公園協会
公式サイト:https://www.tokyo-park.or.jp/waterbus/
※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。