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東京で出会える日本の古き良き原風景に泊まる。『ゲストハウスtoco.』の変わらない景色が生み出す魅力

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テレ東プラス

2019.8.19

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東京都入谷。ここは昔ながらの町並みが残る下町の住宅街。その一角に『ゲストハウスtoco.』はある。入口を一見しただけでは、ここが都内でも随一の人気を誇るゲストハウスとはイメージしづらい。しかし、入口を抜けて玄関まで進めば、まるで別世界にでも足を踏み入れた感覚になるに違いない。

『ゲストハウスtoco.』は、2010年に当時築90年だった古民家にバースペースを併設して作られたゲストハウスで、株式会社Backpackers' Japan(バックパッカーズジャパン)の設立と同じ年に開業し、約10年間の歩みを共にしてきた。ゲストハウスブームの草分け的存在となり、今でもゲストハウス好きの旅行者の間では真っ先に名前の挙がる宿として人気を博している。

今回は、Backpackers' Japanの既存店舗全てのオペレーションを統括する藤城さん案内の元、東京オリンピックが開催される来年、ちょうど10周年を迎える『ゲストハウスtoco.』の魅力を、余すところなくお伝えしていきたい。

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toco_20190819_02.jpg▲住宅街の中にひっそりとある『ゲストハウスtoco.』の入口

別世界へのエントランスとして、
また特別な時間を共有できる交流空間として


「会社の理念を達成できるような空間には常にしたいなと思っています。『ゲストハウスtoco.』でいうと、このエントランススペースが会社のコンセプトを体現している空間になっていますね」そう話すのは、藤城さん。

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入口から先のエントランススペースは、カラフルな階段が印象的な可愛らしい空間に仕上がっている。昼は宿泊者のリビングスペースとして、夜は近所の人など誰でも利用できるバースペースとして、宿泊している、していないに関わらず、さまざまな人が訪れる憩いの場となっている。温かい色味の壁やレトロな家具が、旅行者の長旅での疲れを癒し、はじめて訪れる人の緊張を解いてくれるように感じる。そして、その先に広がる別世界へ自然と期待が膨らみ、優しく誘い出してくれるような感覚になる。

toco_20190819_04.jpg▲職人さんのアイデアを元に、ツリーハウスをイメージして作られたというバーカウンター。

toco_20190819_05.jpg▲夜になると地元のお客さんや宿泊客が、垣根を超えてバースペースで語り合う。

夕方までの時間帯は、バーカウンターは間貸しされており、個人のオーナーさんがコーヒーやフードを提供している。また、エントランススペースでは、もともと繋がりのあった作家さんとイベントやワークショップを行うなど、宿泊やバー以外のコンテンツも提供している。

「それが『ゲストハウスtoco.』を知ってもらう機会に繋がればいいですね」

toco_20190819_06.jpg▲エントランスやドミトリースペースにも多く飾られているドライフラワーが気の利いた空間を演出している。

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宿泊するだけの場所ではなく、それ以外のコンテンツも提供し、アクティブに内と外の世界をつなぐことで、予定調和に収まらない交流を生み出している。

人の手で作られたものの素晴らしさや、作り手の熱量や意匠を隅々まで感じる雰囲気が、『ゲストハウスtoco.』のエントランスには満ちていた。「来年迎える10周年の際も、このエントランススペースを使って何か企画をしたい」と藤城さんは話す。

「懐かしさに誘われる感覚」 風格ある日本庭園と100年の味わいを帯びた木造家屋


案内されるままエントランスを抜けると、歴史を感じる立派な庭と昔懐かしい母屋があらわれた。ここから広がる空間が『ゲストハウスtoco.』最大の魅力であり、創業者の本間さんが一目惚れで契約を決めたというのも頷ける。

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池や灯籠、飛び石のありようがそのまま歴史を伝えており、この建物ができた100年前のことをつい想像してしまう。庭の奥には石を積んだ大きな山があり、これは『下谷坂本富士(したやさかもとふじ)』という富士塚で、富士山信仰が盛んな江戸時代に造られ、重要有形民俗文化財に指定されている。そんな歴史に思いを馳せたくなる雰囲気がこの庭には満ちている。富士塚が隣接していることもひとつの要素となり、この庭の風格と魅力は生まれているのだろう。

toco_20190819_09.jpg▲庭に面した開放感のある長い縁側。

母屋に足を踏み入れた瞬間、年月と共に自然に熟成された木の香りを感じ、ここが東京都内であることをつい忘れてしまうようだった。

「当時の大工さんたちと相談しながら、物件そのものの魅力を最大限に活かすように作りました」

縁側やガラス戸、障子に至るまで綺麗に整備されており、縁側の床をはじめ、使用されている木材は年月と共に味が出て、艶めいている。

toco_20190819_10.jpg▲両サイドにカーテンが付いているためプライバシーも保たれている。

二段ベットタイプのドミトリーも、清潔に保たれており整備が行き届いている印象だ。掃除中のスタッフの方に「ドミトリーベッドの写真を撮りたい」と言ったところ、他の作業をやめてすぐさま写真を撮りやすいようにベッドメイクしてくれた。

ゲストハウスのスタッフさんは、フランクで話しやすい印象があるが、『ゲストハウスtoco.』のスタッフさんもとてもフレンドリーで気の良い方たちだった。庭側のベッドの障子を開ければ、晴れた日には庭から気持ちの良い綺麗な光が差し込んでくる。藤城さん曰く、「ここで一日読書をするなどして過ごす宿泊客もいますね」とのこと。窓を開けた時に入ってくる心地よい風や静かに差し込む光の中ベッドに寝転ぶことを想像すると、一日中ここで過ごしたくなる理由もわかる気がする。

toco_20190819_11.jpg▲最近では、日本人の宿泊者も増えてきているという。

照明の光も自然に近い質感で、日本家屋にマッチしている。細かな配慮が感じられるインテリアが物件の魅力を最大限に活かしている。

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ドミトリーの先にある共用のダイニングスペースは、大きめのテーブルが設置されており、料理以外にも、宿泊者が談笑をするスペースなどとしても使用されている。筆者が取材に訪れた際も、外国人の宿泊客が話しており、にこやかに挨拶を交わしてくれた。また、調味料や食器も豊富に取り揃えられており、使い勝手のいい仕様になっている。

toco_20190819_14.jpg▲キッチンスペースも広く清潔で、家のような落ち着きがある。

toco_20190819_15.jpg▲廊下にさりげなく飾られている花が絵になる。

テラス付きの個室は大正時代の洋間で、印象的な小窓のあるノスタルジックな部屋だった。

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また、女性専用のドミトリールームは、DIYしたという二段ベッドが部屋と非常に馴染んでおり、庭を階下に一望できる素敵なベランダが付いている。

toco_20190819_18.jpg▲二階のドミトリールームにある、背もたれが編み込みになった趣ある椅子。藤城さん曰く、「家具は、部屋の雰囲気に合うように買い付けたり、DIYをしている」という。

「変わりゆく時代の中でも、変わらない景色を」


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"日々移ろう風景と、変わらない景色の中"
"旅立った人がまた気持ちよく"
"帰って来られる場所であるよう"

まさにそのステイトメント通り、空間やゲストに対し、作り手やスタッフの細かな気遣いが至るところに感じられる。来年は、オープン10周年という節目を迎える。『ゲストハウスtoco.』は変化する時代の中、これからもこれまでも変わらない景色で、「あらゆる境界線を越えて、人々が集える場所を」という思いの元、日本の古き良き原風景を体験させてくれる数少ない場所として、下谷の街にひっそりと佇み続けるのだろう。

【店舗情報】
『ゲストハウスtoco.』
公式サイト:https://backpackersjapan.co.jp/toco/
住所: 東京都台東区下谷2-13-21
TEL:03-6458-1686

※この記事内の店舗情報は、2019年7月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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