■ブルベア羅針盤
「上昇相場の復活は?」
ゲスト:SMBC日興証券 阪上亮太氏
8月下旬からの相場下落からなかなか立ち直れない株価。
これからどうなるのだろう?
ゲストの阪上氏は企業の業績と株価を比較すると現在は調整局面とみる。
12カ月先の予想EPS(1株当たりの利益)とTOPIXをグラフにすると、基本的には業績予想の上昇に連動して上昇軌道を描いてきた。
しかし最近は株価下落で両者がかい離している。
業績予想が崩れなければ、今の株価は割安になっている。
企業業績はアメリカの景気が後退に転じたり、大幅な円高になれば別だが、これらがない限り崩れそうもない。
上昇相場での調整場面は珍しいことではない。
これまでにも87年のブラック・マンデー、最近ではバーナンキショックなど、5つの例があり、これらの例をみると相場急落後、再び回復軌道に乗るまで2~3か月かかっている。
今回もこれに準じるとすれば11月あたりから上昇することになる。
それではこれ以上の下値はないのだろうか?
やはり過去の例と対比すると下値は高値から10%程度下落したあたりで現在はその水準に達してきている。
ただ上昇局面に入ってもV字回復にはならず、調整前の水準に戻るまで時間はかかる見通しで、戻っても最近の高値の2万800円あたりがメドとする。
阪上氏は再び上昇局面に戻った時には、その前とは上昇業種が変わることに注意したいとする。
過去の例を見ると急落前1年間に上昇した上位5業種と急落後に上昇した5業種は変わっている。
急落を見て政策対応などが出てくることなども影響するようだ。
今回もこれから反転上昇した場合の上位業種は、急落前にはあまり強くなかった業種から出てくる可能性もありそう。