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2015年11月14日放送分

 

■特集

「なぜ相次ぐ?欠陥マンション問題の核心」

ゲスト:オラガHSC 牧野知弘氏

横浜市都筑区のマンション傾斜問題が発覚して1ヵ月、波紋は大きく広がっている。
くい打ちを担当した旭化成建材が調査を終えた2376件のうち266件でデータ改ざんなどの不正が見つかった。
企画、施工、販売で一流の大企業が名を連ねたマンションの不祥事はこれだけではない。
昨年は別の大企業が手掛けた東京港区、横浜西区のマンションでも欠陥が表面化した。
日本を代表する大企業が手掛けているにもかかわらず何故こんなことになるのだろうか?
ゲストの牧野氏はポイントを2つ指摘した。
1つは「青田売り」。
日本の消費者は建物が完成する前にモデルルームを見て購入を決める。
欧米では完成した物件を見もしないで高価な買い物をすることは考えられないという。
日本では戦後の住宅不足状態から高度成長時代に少しでも早く大量に住宅を供給するには「青田売り」は便利なシステムだった。
売り手からすれば早く資金を回収でき、負担が減る。
消費者にとってはインフレが進行して価格が上昇する前に住居を入手できた。
しかし引き渡し期日も価格も確定しているので、追加工事が必要になっても納期は遅らせるわけにはいかず、そのコストも利益を圧迫する。
マンション販売の純利益は通常5%程度、高くても8%にとどまるため、追加コストはできるだけ抑えたい。
これが欠陥を生む温床になった。
2つ目はマンション建設の場合、設計者と施行者が同じ会社であることが多いこと。
普通、大きい建物を立てる時には設計と施工を分ける。
設計者は設計通りに工事が行われるか、現場に足を運んで監視する。
施行者は設計に無理があれば修正を要求するなど、互いにチェックしあう緊張関係がある。
しかしマンションの場合は設計と施工を一括してゼネコンに発注することが多い。
別々に発注するよりコストが低く済むからだが、これがチェックの甘さを生む一因になった。
この2つは欧米の先進国にはない日本独特の習慣でいわば「マンション市場もガラパゴス化」(牧野氏)した格好だ。
マンション問題の解決策として牧野氏は、納期やコストにとらわれず良質なマンションを提供するために「青田売りから完成売りに転換すべき」という。
今回の不祥事はそのきっかけになれるとする。
マンションの価格は多少高くなるかもしれないが、安心して住めるほうが消費者にとってもメリットがある。
また新築にこだわるより7~10年経過した中古マンションがお勧めだとする。
欠陥があればこの間に表面化するので、欠陥が出ていないものを選べる。
新築へのこだわりも日本のガラパゴス現象の一つ。
税制や住宅ローン制度も現在は新築が中心になっている。中古市場を整備し、新築市場と同じ条件にするように政府もシステム作りを強化すべきだとしている。




■ブルベア羅針盤

「いつまで続く?原油安」

ゲスト:マーケットリスクアドバイザリー  新村直弘氏

原油相場の低迷が続いている。
基本的にはOPECが減産せず供給過剰が続いているためだが、背景には当初は価格低迷で減少するとみていたシェールオイル生産が減らず、新興国の需要低迷が続いていることがある。
しかしこの価格低迷で産油国の財政も厳しくなっている。
サウジアラビアの場合、原油価格が20ドルでも利益は確保できるというが、国の財政はその程度の利益では賄えない。
中東情勢の不安定化で軍事費が膨らんでおり、その他の経費も含めた財政を賄うためには約100ドルの価格水準が必要という。
しかし12月に開催されるOPEC総会では減産には踏み切らないと新村氏は見ている。
第1にこのタイミングで減産すれば、価格上昇で非OPECの生産が増加し、OPECのシェアは逆に低下してしまうからだ。
第2にイランの制裁解除で輸出再開が見込まれている。
スンニ派のサウジがシーア派のイランを利する減産には動かないと推測する。
新村氏はOPECが減産に踏み切るのは価格低下に堪えられなくなったシェールオイル生産者の撤退など非OPECが減産した後、時期としては来年夏ごろからとしている。


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