経済ドキュメンタリードラマ「ルビコンの決断」

バックナンバー

2009年4月16日放送
第1話 リストラか?賃金カットか?町工場の決断
詳しい内容
町工場の経営者・長倉貞雄(前田吟)が“ワークシェアリング導入”を決断し、従業員の家族を集めて趣旨を説明する。しかし従業員小林の妻(久本朋子)は「給料減らされたら生活できない」を猛反発し説明会は紛糾した。2008年秋のリーマンショック以来、製造業の業績悪化は目を覆うばかりである。下請けの中小の町工場では受注が激減し、前年比50%を割り込むところも出てきている。この危機を人員削減によって人件費を抑制するリストラでしのぐのか、あくまで雇用を維持しながら生き残りを図るのか、経営者の多くは今、悩んでいる。こうした中、社員をリストラしないで仕事や賃金を分かち合う“ワークシェアリング”を導入する会社が増え始めている。大阪の部品メーカー「アスク」はこの1月、会社存続のため、社員52人で“ワークシェアリング”を始めた。残業と休日出勤をなくし、給与を最大で3割削減。「仕事は半減した。しかしリストラでは、優秀な人材を失うことにもつながる。会社は生き残れない・・・」経営者の長倉貞雄は、葛藤の末、ワークシェアリングの導入を決断した。 家計を預かる社員の妻たちを集め、理解を求めると・・・ 夫が60歳の妻は「ありがたい、おかげで職を失わずに済んだ」と語る。その一方、夫が30代の妻は「住宅ローンと子供の教育費、これ以上切り詰めろと言われても・・・」と反発する。一言で「ワークシェアリング」と言っても、そこには世代間の違い、人それぞれのドラマがあった
場面写真
大浜報道キャスターのあとがき
「ワークシェアリング」

昨年末頃からでしょうか、日本でも緊急避難的な措置としてワークシェアリングが語られはじめ、政労使協調して雇用を守る手段として推進する運びになっています。痛み分けの発想はある意味、日本的なものの考え方に合致したものかもしれません。日頃、ニュースで取り上げるときには、経営者と従業員の関係、もしくは従業員同士のジレンマに目を奪われがちだったのですが、今回番組でも取り上げた通り、決断を迫られるのは従業員の家族でもあるわけです。当たり前のことのはずなのに、すっかり見落としていました。

家計の問題のみならず、生き方や価値観をも大きく変える可能性を秘めた措置なのです。父親が家にいる時間が多くなる。本人以上に家族にとっては大きな出来事なのですね。給料が少なくなり、家で過ごす時間が長くなる。後ろめたい気持ちを引きずっている父親とどう接していくのか。父親自身はどのように自分を納得させるのか。会社や社会のせいにしていても当然始まりません。自分ならどうするのか?番組の本番中にもかかわらず、シュールなセットの真ん中で、そんなことを考えていました。日頃からの家族との信頼関係が問われますね。こちらの思いは単なる独りよがりではなかったのか?お金を稼ぐ以外に家族に何を与えられるのか?不景気の中、ワークシェアリングを経験した人たちが、景気が回復した後に、どんな価値観を持った労働者になっているのか。今から興味がつきません。

2009年4月16日放送
第2話 黒人大統領誕生物語 バラクとミシェルの決断
詳しい内容
米国第44代大統領バラク・オバマが黒人初の大統領の座を勝ち取るまでの心の葛藤を描いた。そこには「暗殺の恐怖」との心の戦いがあったのである。イリノイ州のコミュニケーション・オーガナイザー(地域活動家)だった若きバラク・オバマ(ダンテ・カーヴァー)は、黒人ら貧困層の生活改善を実現するため、政治家を志す。しかし妻のミシェルには、過去に黒人指導者が暗殺された歴史があったことから夫の命を心配して反対。バラクは妻を説得し了解を取り付けるのだった。バラクはその後、米国政界の階段を一気に駆け上がったが、そこにはやはり暗殺の危機が・・・。ドラマでは、バラク・オバマが、同時多発テロやイラク戦争で揺れる米国の中で、勇気と野心を持ってイリノイ州議会議員、合衆国上院議員、民主党大統領候補、第44代大統領へと駆け上がっていく様子を描いている。
場面写真
大浜報道キャスターのあとがき
「オバマの決断」

自らの命の危険を顧みずに大統領選挙に打って出たオバマ氏。大変な決断と使命感です。

しかし、それ以上に唸らされたのが、彼の家族の決断です。番組の中で徳光和夫さんの口から明らかになったように、オバマ大統領というのは大変な恐妻家なのだそうです。他人事とは思えません。妻の名誉のために書き記しておくと、我が家の場合は私が好んで妻を私以上に自立した女性に導いたのですが。。。話をオバマファミリーに戻します。

大統領選挙への出馬にあたって、命が危険にさらされるのは、オバマ氏本人だけではなく、家族でもあります。妻のミシェルさんが嫌だと言えば、おそらく彼は出馬しなかったのでしょう。しかし、彼女は共に命を懸ける道を選ぶ。さらにここから先が、私などには到底マネできないのですが、二人の幼い娘たちまでも公衆の面前に出してくるわけです。娘たちの存在を隠すことはできないにしても、ハリウッド俳優の様に少なくともメディアには露出させないというようなことは簡単にできるように思うのですが、あの家族はその道を選ばない。家族は運命共同体という覚悟、意識が生半可ではありません。

私は疑り深い人間なので、彼の演説を聞くたびに感動はするものの、一方で魔法のように人々を魅了する弁舌は一歩間違えると歴史に残る独裁者にもなりかねないと不安が頭をよぎるのですが、今回の番組で彼の「家庭第一主義」を見ていると、価値観の根底には名誉欲ではなく、娘たちが大人になった時に今より良い世界を残しておきたいという使命感が勝っているのかもしれません。仮に彼が暴走しかけたら、ミシェル夫人がガツンとお灸をすえるのでしょう。そんな姿もドラマで観てみたいものです。