でんかのヤマグチは創業45年の東京・町田にある地元密着型の電器店である。ヤマグチは、14年前、たいへんな危機を迎えた。町田に大型量販店が相次いで出店。ヤマグチは安値競争では到底勝ち目はない。売り上げはみるみる減って赤字転落。山口勉社長(前田吟)は瀬戸際に立たされた。経理を担当する妻・雅江(萩尾みどり)も心配した。そこで山口社長は「価格競争ではかなわないなら、別の手段がある」と究極のサービスで対抗することを決断し、ベテラン営業マンの熊沢茂(松村雄基)たちに宣言した。しかしこれまで売り上げノルマで勝負していた熊沢は「同じものを高い値段で売るのはとても無理です」と大反発。山口は苦境に立たされた。