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エンバーミングとは

エンバーミングとは?

エンバーミングとは、遺族と亡くなった方がより良いお別れをするために、遺体の修復・化粧、殺菌・消毒、防腐処置などを行う技術です。
長期入院でやせてしまい面影がなくなった方や、事故などで顔に傷がある方も、写真などを参考にしてできる限り生前の姿に近い状態に修復できます。また、遺体内の体液を、血管を通じて防腐・消毒のための薬液と交換し、全身に浸透させることにより、長期(*)の安置が可能になります。薬液には赤みを帯びた色素が混入されているので、体内に薬液を循環させることで、より自然な血色を取り戻すこともできます。
遺体を消毒し、血液・体液を防腐・消毒液と置き換えることで、腐敗を防止して体内の病原菌などを殺菌することが出来るので、感染症などで亡くなった方とも、清潔で安心感のあるお別れが出来ます。
すぐに火葬を行う日本では、葬儀の準備に追われて慌ただしく告別式を迎えることも多いですが、エンバーミングは、長期間(*)の保存が可能なため、海外など遠隔地にいる遺族を待って、納得のいく葬儀の準備をすることもできます。遺族の心の負担を軽減することも、エンバーミングの目的の一つと言えます。

(*)日本遺体衛生保全協会(IFSA)の自主基準では、エンバーミングを行う条件として「献体、海外輸送などの特別な目的の場合を除き、死後50日以内に火葬又は埋葬するとの証明又は制約のないときは、エンバーミングを行ってはならない」とされています。

一般的なエンバーミングの処置過程

1,処置台に遺体を安置し、服を脱がせた後に全身を消毒剤入りの洗浄剤で洗浄、硬直を解くマッサージをします

2,口腔などをていねいに消毒し、髭を剃り、目や口を閉じて顔の表情を整えます

3,小切開を施し、血管を通じて薬液を全身に注入、体液を排出し、全身に薬液を浸透させやすいようマッサージします

4,薬液を浸透させたのち、腹腔内の体液や血液を吸引し更に腹腔用の薬液を注入し、小切開の跡などを修復します

5,もう一度全身を洗浄し、髪をシャンプー・リンスし、体を拭きます

6,ドライヤーで髪を乾かし、遺族の希望の服を着せ、化粧・修復をします


エンバーミングの歴史

その始まりは古代エジプト文明にまでさかのぼり、いわゆる「ミイラ」として、およそ4億人がエンバーミングをしたといわれています。その目的は、体は死者の魂が還ってくる場所であり、きれいに保存することが必要であるという「宗教的な理由」と、遺体を通じて伝染病を発生させないためという「衛生面の理由」でした。「エンバーミング」の語源は「イン・バルサム」で、王の遺体をミイラにする際に、バルサムという名前の樹液から作った油に浸したことが由来です。
その後、ギリシャ・ローマ時代に入るとエンバーミングは行われなくなり、再び注目されたのは1861年のアメリカ南北戦争の頃です。国土の広いアメリカで、戦死した兵士たちを故郷へ運ぶにあたり、遺体を保存するためにエンバーミングが必要になりました。
1865年のリンカーン大統領の葬儀では、遺体はエンバーミングされ、ワシントンからニューヨークを経てイリノイ州スプリングフィールドまで運ばれました。会葬者は16万人、見物人は50万人で、これを機にエンバーミングは全米に広く普及することになりました。
その後、ケネディ大統領、マリリン・モンローもエンバーミングをして葬儀が行われました。毛沢東やレーニンも葬儀の際にエンバーミングされ、現在でも生前と変わらぬ姿で眠っています。


エンバーミングの歴史

1974年 池田章氏が川崎医科大学で系統解剖のためのエンバーミング技術を導入
1988年 埼玉県川口市に日本初のエンバーミングセンター開設
1995年 阪神淡路大震災の際に、外国人エンバーマーが遺体処理に活躍する
2000年 全国のエンバーミング実施数が年間1万件を超える
2003年 東京と大阪で日本人エンバーマー養成を開始
2004年 日本におけるエンバーマー資格認定を開始

 

主に火葬が行われる日本では、亡くなった方の9割以上がエンバーミングを受ける北米ほど認知されてきませんでしたが、近年、よりよいお別れをする技術として注目を浴びています。
海外でしか取得できなかったエンバーマーライセンスも、2003年に国内に養成学校が出来たことで、日本遺体衛生保全協会(IFSA)が自主基準に基づき資格認定試験を実施し、2007年9月現在では日本人のIFSA認定エンバーマーも51人となっています。
また、全国に稼動しているエンバーミング施設は30箇所(2006年現在)にまで増加、1988年には年間191件だった実施件数も、2006年には1万5554件にまで増えています。

 

 

 



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