〜ばんしん傍聴席〜
第295回放送番組審議会報告

    (2月10日、12:00〜、於役員会議室)

冒頭、『教えて!ウルトラ実験隊』(1/25放送)で捏造と言われてもおかしくない事実の歪曲があったことについて謝罪した。
経緯は、制作会社のディレクターが花粉症対策について千葉大学大学院の教授を取材し、臨床試験中の治療法を“紹介”するため“再現”VTRを制作。番組の性格上“実験”VTRだと思っていた局のプロデューサーを含む他スタッフの「(実験なのに)結果が出ていない」という指摘を受けた担当ディレクターは、紹介VTRであることを説明せず、あたかも本当に実験し結果が出たかのようにVTRを作り変えてしまった。放送後、教授からの抗議で発覚した。
テレビ東京は、1/28に現状報告の記者会見をしてニュースでも報道。2/1には再度の記者会見でより詳しい結果報告をした。視聴者に対しては、2/1の番組冒頭でお詫びと訂正を行なった。視聴者からは厳しい意見がある一方、率直な訂正は評価するという反響もあった。社内の処分については、担当常務・局長を減棒、担当P2名を譴責とした。また、番組は2/8の放送をもって打ち切りとした。
番組のコンセプトをスタッフ間で共有できずコミュニケーションもしっかりしていなかったため、チェックできなかった。
事件後、すぐに制作局全員を集め注意喚起を徹底し、テレビ東京の番組を制作している制作会社110社には再発防止を訴える文書を送った。また制作現場だけの問題ではないので全社的な対策を現在検討している。


【審議の主な内容】

〈捏造実験問題について〉
2/1放送『教えて!ウルトラ実験隊』のお詫びと訂正の部分を試写後、この問題の審議に入った。

委員−『教えて!ウルトラ実験隊』は視聴率が良くなかったということだが、地味な“紹介”ではなく迫力のある“実験”で視聴率を取りにいった面があるのではないか。
局−視聴率が出ていないことに対し、局は制作会社に内容の強化を要請していた。担当ディレクターは認めていないが、焦って捏造してしまった可能性はある。

委員−仮説を実証するための実験は、厳格な手法を取らなければならないがそれができていない。実験のイメージを崩してしまったのでは。科学的な実験は厳しく行なわれるもので必ず成功するわけではないということを今後番組で取り上げる等のフォローをすれば、テレビ東京の真摯な姿勢を示せるのではないか。

委員−視聴者が喜ぶ結果ありきで、それに合わせて番組を作っていくという体質が制作現場にあるのではないか。科学番組でも同様に甘く考えたために起きた事件ではないか。

委員−取材時に担当ディレクターと千葉大学大学院教授とのコミュニケーションが取れていなかったということはないか。
局−それはない。担当ディレクターは最初から治療法の“紹介”という趣旨で取材依頼したからこそ、教授は再現VTRの収録に協力した。したがって、教授には多大な迷惑をかけた。局の謝罪を受け入れ、再度、番組に出演して正確な情報を述べてもらったことに大変感謝している。

委員−放送前に番組をチェックしてもらってはどうか。
委員−ジャーナリズムの観点に立つと、局が事前に取材対象者のチェックを受けるのは好ましくない。
委員−取材対象者にチェックを受けるということではなく、特に医療や科学を扱うケースでは適切な人材に監修してもらうことが大切ではないか。
局−今後、特に医療関係等の情報を扱う際には気をつけたい。

委員−この件に関し、テレビ東京のHPではどう対応しているのか。
局−HP内の番組サイトでお詫びと訂正を掲載し、現在も見られるようになっている。

委員−局の対応が迅速で真面目なものだったことは評価したい。

 

〈試   写〉
2月13日(日)午後10時54分放送
『ミューズの楽譜』



【出席者】
委員側- 福原委員長、松木副委員長、阿刀田委員、大友委員、加藤委員、白石委員、司委員、野崎委員、日比野委員
局側 -  菅谷社長、犬飼常務、熊村取締役、島川制作局長、和知スポーツ局長、高原報道局長、山口編成局長、
       三島番審事務局長