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4月1日の「速報!拡大版」のために、今シーズンからプロ野球に新規参入を果たした楽天イーグルス率いる田尾監督に話を聞いた。
歴史に残る開幕戦の初勝利から一転、次の日は26−0というこちらも球史に残る大敗。
天国と地獄をわずか2日で味わった。
ペナントレース開幕5連戦を終えたこのインタビューの夜も、楽天はまた負けた。
佐々木・お疲れのところありがとうございます。
田尾・(苦笑いを浮かべながら・・)いやあ、またやられました。
佐々木・試合終わってすぐにきていただいて、ありがとうございます。
ゆっくりお話聞かせてください。
佐々木・まずはやはりあの初戦ですよね、感動的なゲームでした。
田尾・岩隈(投手)で何としても勝ちたいというゲームではあったんですよね。それを勝てました。チームにとって、本当に非常に大きな1勝でした。
佐々木・試合後、スタンドのファンのところまで挨拶に。どういう思いでした?
田尾・僕個人は、意外とそんなに感傷にふけってられるということはなかったんですよ。実際は次どうするかなと、そっちの方の方が頭にはありましたね。
岩隈で一つ勝っておかないと、今度いつ勝てるかわからないということも最悪、考えてましたからね。
佐々木・その心配通りに、次の日は26−0という歴史的な負けを喫してしまって・・。
田尾・僕にとっては、あれもいい経験と言ってしまえばそうなんですけど、
やはりファンの人たちに対してやってはいけない、非常に内容がないゲームをしてしまいましたんでね。同じやられるにしても、(相手に)向かって行ってやられてもらいたかった。やはり14のフォアボールの内容です。逃げたようなフォアボールでしたから。それだけが僕はちょっと残念でした。
佐々木・自分の思い通りにいかない歯がゆさもあるのではないですか?
田尾・いや、それはある程度、頭の中にはありました。こういうことはあるだろうなと。やはり実績のない選手が多いですし・・・・・。
そんな中でこれだけ注目され、プレッシャーを感じている状態が、いい方にも悪い方にもいく可能性は十分ありましたよね。あの大敗したゲームでは、やはりプレッシャーに負けたという選手が多かったということです。
だけど、結果が出なくてファームに落ちた選手にも、長い目で見れば、また挑戦できるチャンスはたくさんあるんです。
多分、そんな入れ替えが、このシーズンは何度も繰り返されると思います。だからチャンスはあるということを選手に持ってもらいたいし、相手に向かっていくそういう意識をもっと強くもってもらいたいというふうに思ってます。
佐々木・選手に話を聞くと、みんな歳が近いのでいいフインキではあるのだけれど、実は自分のことで精一杯と。チーム内の競争は激しいみたいですね。
田尾・それはもうベテランも若手も本当にゼロからスタートなんだからいいものをみせてくれた選手をゲームに使うと。ずーっとキャンプから、オープン戦、そして、公式戦と、同じようなスタンスでやってきてますんで。
佐々木・入れ替えもあるけどチャンスもあるということですよね。
田尾・結局、僕が見る限り、もうお前に任せたよって言って、結果をだせる選手はそんなに多くないんですよ。ということは任せたよじゃなくて、競争してるんだぞ、だからいいものを見せようという気持ちで野球をやってもらいたいんですよね。そうすると意外とプレッシャーってものが、マイナスに働かないでやれるんです。
佐々木・5連戦は1勝4敗。この結果はどう受け止めているのですか?
田尾・僕はあの5連戦は2勝3敗でいきたかったんです。
一つ何とか勝ちたいという気持ちでいましたけれど、結局、終わってみたら大差の3連敗、ソフトバンクにくらいましたけれども、僕はやっていてそんなに差はないと。
大きな失点を1イニングに3ゲームともやっちゃいまいましたけれど、これは打線がもうちょっと奮起してれば流れは変わってたと思いますよ。
ホッジス、ラスに、矢野にしても十分にローテーションピッチャーとしてやっていけると感じましたんでね、3連敗して残念ですけれども収穫はありましたね。
佐々木・田尾さんも、プロ野球改革元年といわれる年に、まさにその注目の新球団の監督なわけですから、いろいろ思うところもあるのではないですか?
田尾・まあ、それは最初からわかっていることですから。まあ多分、他の監督さんよりは、楽しいんじゃないかな、やることがいっぱいあって(笑)
佐々木・大変だろうと思っていましたが、むしろ楽しいとおもえるのですね。
田尾・負けはしましたけど、また明日もゲームができるんだっていう、また挽回できるチャンスがもらえるんだっていう気持ちでいますから。まだ5試合終わったところ。これからいくらでもチャンスあるんだなあっていうのが僕にとってはありがたいですね。
佐々木・ただ、やはりプロとして結果がすべてなわけで、そのためにはやはり選手。
巨人の渡邉前オーナーも、もっと補強をしたほうがいいとか、選手を貸してあげることも考えなければといった発言していましたね。
田尾・ああ、去年の日本シリーズ前の話ではですね。「エクスパンションドラフト」ということで、全球団2人ずつくらい(選手を)供給しようという話が出ていましたけれども、結局それが全然なくなりましたんで。そういう意味では確かに大変といえば大変なんですけれども、これは決まったことですからその中で我々が努力する。足りなければ何とかして戦力を補う。あるいは育てる、そういうものをやっていけばね。
とにかく負けるっていうことは、非常に悔しいですからね、なんとか、他球団と対等に戦えるチームを早く作りたいということで、今やっているとこなんですけども。
佐々木・なんだか他の監督達の楽天を見る目も温かいものがありますよね。
田尾・(困ったように顔を傾けて)それじゃあ困るんですよ、もう憎たらしいと思われるようなチームにならないといけないんですよ
佐々木・そうですね、それに球界のためにも頑張ってほしいという期待もあります。
田尾・こんなに注目されている中でプレーできて、選手は本当に恵まれていると思います。今、楽天のユニフォーム着ている選手たちの中には、この球団がなければ今年ユニフォームを着てなかったかもしれないという選手がかなりいるんですよね。だからそういう選手たちにとってはまたチャンスがもらえたんですから、まああんまり結果を気にしないで、ガンガンやってもらったらいいと思うんです
佐々木・選手達に田尾さんの印象を聞くと、気さくでやりやすい、とか選手に近い、とか確かに厳しいけれど、でも監督なんだけれど監督と思ってないところもある、などなど
聞く人聞く人同じような答えで。(笑)
田尾・(笑いながら)ちょっとなまぬるいのかもしれませんね。
佐々木・いやいや、親しみがある。
田尾・僕はファミリーだと思っていますから。だから息子あるいは兄弟に話をしているような感覚で選手と接しているつもりなんですよね。
厳しいことを言うっていったって、家族の中もで厳しいこと言う事もありますからね。
ファームに落ちる(選手)にしても、とにかく皆に幸せになってもらいたいという気持ちは非常に強いんです。だから、頑張れよ、大変だけど頑張れよってね。
他人事のようですけど、実際プロ野球界ってそうなんですよね、結果がでなきゃ厳しいんですけどね
佐々木・そういう田尾さんの愛情を選手も感じているというか、お兄さんっていう雰囲気なのかも知れませんね。
田尾・僕自身が晩年、まだやれるという気持ちの中でなかなかチャンスがもらえないという経験をしました。そういう意味では、今はベテラン勢が多いんですけれども
その人たちにとにかくチャンスを与えてあげて、結果がでなきゃもうしょうがないぞと。
ただ、(三木谷)オーナーも言っているようにですね、今、ユニフォーム着てる連中はみんな「楽天の創業者」なんだという気持ちをもってもらいたいということで、
選手としてもしだめになったとしても、まだ他にいろいろ使い道あるんじゃないかなと、そういうところまで考えてあげたい、と感じています。
佐々木・三木谷オーナーは補強に関してはどうおもっているのでしょう。
田尾・やはり、26対0という屈辱的なゲームを実際に球場でご覧になっている。ちょっと補強しないとという気持ちになられたようなところはありますよね。僕はもうちょっと対等にやれるという気持ちでいましたけれども、現時点ではいいものが出ていない、特に打線に。オーナーももうちょっと補強しようというような気持ちにはなられてるんですよね。
佐々木・ポケットマネーでですか?
田尾・そういう気持ちは非常にあると思いますよ
佐々木・どんなタイプの選手を今、補強したいですか?
田尾・やはり、大きいの打てるバッターがあまりいない。
山アとか、吉岡とかいますけれど、やはり全盛時から比較するとちょっと下り坂の方に今もうきてますから・・・。
そういう意味では、バリバリ大きいの打てるのが一人いるだけでもかなり打線が変わっていくと思うんです。やはり大きいの打てるのが中軸にいてこそ、小技のできる選手がいきてきますから。
佐々木・もし他球団から誰から一人あげるよ、と言われたら誰を思い浮かべますか?
田尾・今ぱっと浮かんだのは松中・・・じゃなくて城島ですかね・・・前から彼は(チームを)ひっぱっていけるなあって見ていましたからね
佐々木・城島選手!打てるし、女房役としてピッチャーをリードできるし!
(田尾監督、大きくウンウンうなずく。)
さて、今度はいよいよ地元仙台での開幕戦です。
田尾・東北のみなさんにとって、(プロ野球を)生で初めてみるっていう人がほとんどだと思うんですよね。そういう意味では、僕は本当に歴史的な試合だと思っています。
うちの家族もみんな見ておいてくれよっていうぐらいの気持ちでいます。どういうゲームになるかわかりませんけれども、本当にいいゲームを、みなさんにお見せしたいと思いますね。
佐々木・仙台も本当にもりあがっていますよね。
田尾・僕は選手・裏方さんだけじゃなくて、ファンの人たちもファミリーだと思っています。だからファンのみなさんにはファミリーの一員がグランドでプレーする、そういう気持ちで見ていただければありがたいと話してるんです。
佐々木・新しいチームということで何か目新しいファンサービスをしてくれるのではという期待もありますが、何か考えていますか?
田尾・・ファンサービスはね、今年に限ってはとにかく一つでも多く勝つことが一番の
サービスだと思っています。楽天のレギュラーはこの人ですよっということが認識された時点で、今度はその選手に本当の意味でファンの人たちにサービスをしてもらいたいと。
今年はまだそういう選手がいない。彼らは今、競争している段階なんですよね。
だから1年シーズン終わった時点で、ファンに認められる選手が数多く出てもらいたいなというふうに僕は望んでいますけど。
佐々木・田尾さん、スタジオで解説していたときよりも、若返られた気がしますね。
田尾・そうでしょう、なんか朝の目覚めもすごく気持ちがよくって、これまではなんとなく朝起きるのが辛かったんだけれど、今はどんなに疲れていても朝の目覚めがとてもさわやかで、なんだか楽しいんですよ。
そう言って田尾監督は笑った。
弱いのは承知している、だから腹をすえて、チームを育てようというそんな気概が
田尾さんの笑顔にはあふれていた。
4月一日、「速報!」がスタートした日は楽天イーグルスの地元開幕戦だった。
どんな試合になるかわからないけれど、いい試合をお客さんに見せたい。
そう話していた田尾監督は、この日の夜、最高の笑顔をフルキャストスタジアムでみせていた。
16−5。
地元初優勝だ。
寄せ集め球団と揶揄されることもある楽天だが、何かをするかも知れない「スリル」もそこにはある。しかし現実は厳しい。目下、チームは最下位。
田尾監督は今ある戦力の中で戦わねばならない。オーナーのポケットマネーは一体いつ
チームに届けられるのだろう。
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