「チアリーダーを夢のある職業にしたい」Bリーグ チア指導者が語るアツい想い

その他

2019.10.11

b01.jpg
B1横浜ビー・コルセアーズのチアリーダーズ「B-ROSE」/B-CORSAIRS/T.Osawa

空前の盛り上がりを見せる日本バスケットボール界。2016年に開幕したBリーグも全国各地で日に日に存在感を増しており、10月3日には、Bリーグ4シーズン目がスタート。バスケットボールはいまや日本を代表する人気競技に生まれ変わろうとしている。

そんなBリーグのコートを華々しく彩っているのは、プレーをする選手だけではない。華麗な衣装を身に纏った"チアリーダー"も、いまではすっかりバスケットボールの見どころの一つ。今シーズンは彼女たち"チアリーダー"にも注目だ!

「チアリーダーを夢のある職業にしたい...」

b02.jpg
B-ROSEディレクター・植村綾子さん/B-CORSAIRS

B1に所属する横浜ビー・コルセアーズの主催試合を観戦に行くと、統率の取れた激しくも美しいダンスに目を奪われる。ビー・コルセアーズのチアリーダーズである「B‐ROSE」。しかし、彼女たちをディレクターとして指導する植村綾子さんは、「日本では、本場のアメリカに比べたらチアリーダーのステイタスはまだまだ低い」と、使命感に漲った眼差しで語る。

「チアリーダーを夢のある職業にしたい...」

植村さんの熱い想いに迫った。

チアリーダー・植村綾子さんの歩み

b03.jpg
練習を指導する植村さん/B-CORSAIRS

3歳から20年間に渡ってモダンバレエを学ぶ傍ら、体操教室で新体操にも取り組んできた植村綾子さん。幼い頃からダンスとともに歩んできた人生において、チアリーディングと出会ったのは、ある意味で必然だったのかもしれない。「大学に入学し、さまざまな新入生歓迎イベントがある中で、チアリーディング部のパフォーマンスを見ました。女子高育ちだったので、体育会の風を浴びたかったし、これまでのダンスの経験も生かせる。それに何よりチアの人たちが輝いていたので、『この部活に入ろう』とすぐに決断しました」

大学のチアリーディング部で活躍しながら、卒業後もチアを続けたいと思っていた頃、顧問の先生から紹介されたのが、鹿島建設だった。鹿島建設は、アメリカンフットボールチーム「鹿島ディアーズ」を持ち、植村さんは、専属チアリーディングチーム「鹿島ディアーズ チアリーダーズ(KDC)」の一員となった。

「一般社員として働き、17時15分の業務終了後に週3回、社内の大会議室に集合してチアの練習をします。仲間にも恵まれて、本当に楽しい日々でした。週末は専属チアリーダーとしてアメフトの応援に行き、負ければ悔しくて涙する。第二の青春ではありませんが、社会人になっても、それほど熱い気持ちで好きなことに打ち込めたことには今でも感謝しています」

KDCでは、5年間のキャプテンを含め、プレイヤーとして8年間を全力で走り切った植村さん。その間、社会人アメリカンフットボール「Xリーグ」のオールスターチアリーダーズ「VENUS」や、Xリーグ東日本チア運営委員長や、アメリカンフットボール日本代表チアリーダーズに選出されるなど、活躍の場はKDCだけに留まらなかった。

チア指導者に転身

植村さんは29歳でプレイヤーを引退。現在は、一般社団法人プロフェッショナルチアリーディング協会のディレクターとして、バスケットボールやアメリカンフットボールを応援するチアチームの指導にあたっている。

「チアリーダーの振り付けはもちろん、選手を勇気づけるため、チームを勝利に導くためにはどうしたらいいかなど、チアにまつわるあらゆることを考えるのがディレクターの仕事です。また、チケットを購入して観戦に来てくださる観客のみなさんをエンターテインメントで楽しませることもチアリーダーが担っています。チアリーダーがどんなパフォーマンスをし、どういうエンターテインメントをお届けしたら、お客様に喜んでもらえるか。そういったことも考えています」

プレイヤーだった頃は、「自分がいずれ指導者になろうとは思ってもいなかった」と植村さんは笑う。ただ、KDCに在籍当時は、指導者やディレクターのような役割の人がいなかった。自分たち自身で、「どうすれば選手や観客のためになるチアにできるか」と工夫しなければいけなかった環境や経験が、現在の下地を作ったと植村さんは考えている。

植村さんの指導を受けた何人ものチアリーダーが、その後、本場アメリカのNFL(プロアメリカンフットボールリーグ)やNBA(男子プロバスケットボールリーグ)のチアリーディングチームで活躍している。

"チアリーダー"と"チアガール"は違う!? Bリーグ チア指導者が語るアツい想い

植村綾子 プロフィール
一般社団法人プロフェッショナルチアリーディング協会ディレクター、横浜ビー・コルセアーズチアリーダーズ「B-ROSE」プロデューサー兼ディレクター。
3歳から始めたモダンバレエ、新体操の経験を活かして、大学ではチアリーディング部などに所属。卒業後は、日本社会人アメリカンフットボールXリーグのチアリーダーとして活躍。「NFAチアリーダーズ・オブ・ザ・イヤー」を四度受賞に導く。現在は、豊富な経験を活かし、プロチア協会ディレクターとして、複数のチアリーディングチームをディレクション。バスケットボール日本代表オフィシャルチアリーダーズ AKATSUKI VENUS(R) presented by PASONAの指導にもあたっている。また「B-ROSE」のプロデューサー兼ディレクターとしては、後進の育成にも尽力。3児のママとしても奮闘中。