【柔道】東京五輪の切符をつかむのは!? 阿部兄妹、大野将平らが挑む<GSデュッセルドルフ>

柔道

2020.2.20

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阿部一二三・詩 兄妹 写真:西村尚己/アフロスポーツ

 2月21~23日(現地時間)にかけ、ドイツ西部に位置し世界的な見本市の中心都市のひとつデュッセルドルフでグランドスラム(以下GSと略)・デュッセルドルフが開催される。

 2月上旬に行われたパリ大会に続き今年2度目のGSだが、出場する日本の選手たちにとっては大きな意味を持つ大会になりそうだ。というのも、この大会結果を受けたうえで、今月27日には代表を選出するための強化委員会が開かれ、出場内定者が選出されると見られているからだ。

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 再激戦区と見られる男子66㎏級には当初丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(日本体育大)が出場する予定だったが、丸山は左ヒザ内側側副靱帯損傷の診断を受け、約3週間の安静が必要になったため欠場することになった。

 昨年、丸山は世界選手権で優勝するなど国内外で5大会連続で優勝したのに加え、阿部とのライバル対決も3連勝をマークし、一時は阿部を大きく引き離したかのように見えた。しかし11月のGS大阪大会決勝では阿部が一矢を報い、丸山の独走に待ったをかけた。

 GSデュッセルドルフで丸山が優勝すれば日本代表の座を手中にすると予想されていただけに、阿部との直接対決への期待は沸点にまで達していたが、それもお預けになってしまった。この階級の代表争いは4月福岡で開催の全日本選抜体重別選手権までもつれる可能性が高い。

 男子最重量級の100kg超級には2019年ワールドマスターズ同級優勝の原沢久喜 (百五銀行)が出場する予定だったが、左半膜様筋肉離れにより欠場することに。

 今年のGSパリでは同級準決勝で東京オリンピックの出場権を争う影浦心(日本中央競馬会)が絶対王者テディ・リネール(フランス)約10年ぶりに土をつけたばかり。ワールドマスターズを制したことで代表争いは原沢が一歩リードしているが、予断を許さぬ状況だ。66㎏級同様、100㎏超級の代表決定も4月の福岡までもつれ込むのか。

 この2階級とは対照的にデュッセルドルフで代表の座が決まりそうなのは、リオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを獲得している73㎏級の大野将平(旭化成)だろう。昨年の世界選手権でもこの階級の絶対王者としての力を見せつけたが、左手人差し指の負傷を理由に、GS大阪とワールドマスターズを欠場した。とはいえ、順調に回復しているようで年明けからは強化合宿に参加している。周囲の期待通り、ぶっちぎりの強さを見せつけて優勝すれば、男子の内定第1号も夢ではあるまい。

 一方、女子の方に目を向けてみると、52㎏級の阿部詩(日本体育大)が素根に続いて代表切符を手にする可能性が高い。今大会には昨年のGS大阪決勝では肩車による技ありで阿部詩を破ったアマンディーヌ・ブシャール(フランス)も出場する予定だ。

 過去両者の通算戦績は阿部が4勝1敗と大きく勝ち越しているが、直近の試合で勝利を得たブシャールのアドバンテージは大きい。2月18日、成田空港で行われた会見で阿部詩は「ブシャールにリベンジしたい」と宣言した。「前回の課題はしっかり練習してきた。自分の柔道をして、勝ち切ることを頭に置いて挑みたい」

 女子70kg級では新井千鶴(三井住友海上)が代表入りに王手をかけている。4年前には土壇場で代表争いに敗れ涙を呑んだ。その悔しさをバネに、2017年から2年連続世界選手権を連覇した。昨年12月のワールドマスターズ準決勝で敗れたサンネ・ファンデイケ(オランダ)への雪辱を果たしたい。


文=スポーツライター 布施鋼治