【チャンピオンズC みどころ】群雄割拠なダート界で覇権を握るのは誰だ

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2021.12.5

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ダート界の覇権は長いようで短いもの。特にJRAではダートGIそのものが年間で2つしか行われない。それだけにダートのチャンピオンは同一年に制圧しそうなものだが......

この10年でフェブラリーSとチャンピオンズCを同一年に制した馬はたったの2頭だけ。東京ダートのマイル戦と中京ダートの1800mとでは求められる適性が異なるとはいえ、一度掴んだ王座は盤石ではないことがよくわかる。

そしてそれは、日本競馬界においてダートは群雄割拠の時代に突入したということでもある。高いレベルで競い合うからこそ様々なジャンルで王者が生まれる。

先の11月にアメリカ・デルマー競馬場で行われたブリーダーズCディスタフで日本馬のマルシュロレーヌがダートの本場ともいうべきアメリカのトップホースを相手に勝利したのも決して偶然ではないだろう。

日本競馬界において、今最もホットとも言えるダートGI......それがチャンピオンズCの正体なのかもしれない。エントリー16頭中9頭がGIホースという豪華メンバーとなったが、今年の主役を担うのはやはり、桜花賞馬のソダシだろうか。

思えば秋華賞の大敗直後に須貝尚介調教師から「次走はチャンピオンズC」と発表された際、競馬界はちょっとした騒ぎになった。

春に桜花賞を勝ったクラシックホースがその年の12月にダートGIを走るというのは前代未聞のこと。しかもソダシはダートで一度も走ったことがないのだから、一見すると無謀な挑戦に映るのも無理はないだろう。

だが、ソダシのプロフィールを紐解いていくと、彼女がダートでも走れる要素があることに気づかされる。

まずはその血統。父のクロフネは現役時代にダートでは2戦2勝。ともにレコードタイムを塗り替える走りを見せ、今もなお「日本競馬界史上最強のダート馬」の名をほしいままにしているダート巧者。

そして母ブチコも現役時代はダートで4勝を挙げた実力馬。一族を辿れば芝での勝ち鞍よりもダートの勝利数の方が明らかに多い。

加えて今回は斤量も54キロと他の馬と比べて3キロも軽いという好条件。芝よりも力がいる舞台なだけに斤量が軽くなればそれだけ有利になることは明らか。

純白の桜花賞馬が初めての舞台となるダートでもあの軽やかな走りを見せるか、興味を持つファンも多いはずだ。

思えばソダシの父、クロフネがダートで圧倒的な成績を残して競馬ファンに衝撃を残したのは20年前のこと。

クロフネはその後、故障で現役を去ることになり、その後予定されていた海外遠征等がすべて夢に終わったが、娘ソダシは果たして、その夢を引き継げるか――まずは初ダートとなる今回の走りに注目したい。

 いくら桜花賞馬だからと言って、初めてダートを走る3歳牝馬に完膚なきまでにやられるわけにいかないのがこれまでしのぎを削ってきたダート界のトップホースたち。

中でも昨年のチャンピオン、チュウワウィザードはこのレースの連覇が懸かっている。

キャリア22戦、すべてダートでしか走ったことがないという生粋のダート馬である彼は堅実なレース運びを武器に交流GIで2勝。

そうして迎えた昨年のチャンピオンズCでは中団から動いて押し切るという強気なレース運びを見せてJRAでのダートGI初制覇を飾った。

そのまま国内ダートGIを制圧するかと思われが、春はさらなる強敵を求めてサウジC→ドバイWCへ駒を進め、ドバイWCでは2着に大健闘と常にGI戦線でトップを張ってきた。

JBCクラシックではあと一歩届かない3着に終わったが、一度使ってからの上積みを考えれば今回が狙い目となってもおかしくない。ディフェンディングチャンピオンとして無様な競馬を見せることはないだろう。

 チュウワウィザードが連覇を目指す古豪としたら、さしずめダート界の新星となるのはテーオーケインズだろうか。

 中団から鋭い脚を見せる脚が魅力で注目を集めていた期待のホープは昨年の東京大賞典がGI初出走。ここでは壁が厚く6着に終わったが、その後はトントン拍子で3連勝。

とうとう帝王賞ではチュウワウィザードらのトップホースを差し置いてGI初制覇を果たした。

仮に今回、ソダシが前に付けることで、各馬のマークが前掛かりになることでペースが上がるのであればこの馬にだって当然チャンスは巡ってくる。

しかもこのコースは1度しか走っていないとはいえ、その1度のレースで圧勝している経験があるのも見逃せない要素だ。

 もう1頭、忘れてはならないのがカフェファラオだろうか。

春にフェブラリーSで本来の力を見せた若きダート王はその後、かしわ記念5着、芝の函館記念で9着と鳴かず飛ばず。昨年のこのレースも6着に終わるなど決して相性がいいとは思わない。

しかし、仮にもフェブラリーSダートの新王者に名乗りを上げた実力馬。久々の実戦とはなるが、これまでの戦績を見ると間隔を詰めるよりも却って好成績を収めている。揉まれ弱い馬だけに大外枠という枠もプラスとなることが考えられる。

 純白の女王が父娘制覇を果たすか、ディフェンディングチャンピオンが意地を見せるか、それとも新星が新たな覇権を握るか――今年のチャンピオンズCは白熱した一戦になりそうだ。


■文/福嶌弘