【卓球】女子W杯 伊藤美誠 宿命のライバル対決&銅メダル決定戦をDEEP解説!

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12月5日放送の「卓球ジャパン!」では、8ヵ月ぶりの国際大会となった女子ワールドカップ2020<11月8~10日/中国・威海>での、伊藤美誠の準決勝、孫穎莎(中国)との宿命のライバル対決、そして自身初の獲得となった銅メダル決定戦を取り上げた。世界卓球2012男子団体銅メダルの松平賢二をゲストに迎えたDEEP解説だ。

伊藤の孫との対戦成績は2勝5敗で現在3連敗中と強敵だ。それもそのはず、孫は中国で行われた「東京五輪模擬大会」で3冠(女子団体、女子シングルス、混合ダブルス)という中国最強の呼び声が高い選手なのだ。その強さは何といってもパワフルな両ハンド。小柄な女子にもかかわらず球威は男子並みだと松平は言う。

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第1ゲーム、孫は伊藤のバックに長いサーブを出す作戦。この作戦を平野は「短いサーブを出すと伊藤から色々なレシーブが返ってくるので、それを避けて得意の単調なラリーに持ち込むため」と解説する。伊藤はときおりそのサーブをレシーブから狙い打って得点するが、それでも孫は決して長いサーブを止めず、試合は徐々に孫のペースになっていく。

孫を崩す糸口として平野が注目したのは、伊藤5-8からのラリー。長いラリーの末に、伊藤がバックハンドで短く前に落として孫の体勢を崩し、次のボールを狙い打ったのだ。

「孫は左右の揺さぶりに対しては絶対に崩れない。孫選手を崩すには前後しかないのでは」とDEEPな解説。とはいえ、孫のパワフルなボールを短く止めるのは至難の技だ。

伊藤はあっと言う間に6-10と追い詰められたが、なんとここから追い上げて10-10。勝負はわからない。

追い上げムードの伊藤はここで文字通り「とっておき」のサーブを出す。孫のフォア前にそれまでの下回転とまったく同じフォームでこの試合で初めて上回転を出したのだ。しかし孫はこれを迷わずフォアハンドフリックで伊藤のフォアを抜き去った。伊藤の上回転サーブを完全に見切っていたのだ。これが決め手となって第1ゲームは10-12で孫。

惜しいゲームを落とした伊藤は続く第2、第3ゲームも落とし、ゲームカウント0-3と追い詰められた。しかし、ここから伊藤の覚醒が始まった。

第4ゲームは、出だしから2点より離れない一進一退の展開となり、9-9。ここで伊藤は孫のフォア側にハーフロングサーブを出したが、卓球台のサイドに出てしまう。孫はこれを逃さずサイドラインの横でフルスイングのフォアドライブ。誰もが抜けたと思ったボールだったが、伊藤はこれをフォアハンドで思い切りクロスに叩いて得点。

この場面に驚いた松平が「今のわざと出したんですかフォアサイドに?」と聞くと、平野は本人に聞かないとわからないがと前置きした上で「サイドに出す意識はしていたと思う」と解説。通常はフォアのサイドラインから出た緩いボールはチャンスボールであり、それを打たせて狙うなどというのはあまりに危険で戦術として成り立たない。やはり伊藤の戦術は常識を超えている。

土壇場での伊藤のスーパープレーに唸った解説陣だったが、次の伊藤のサーブを今度は孫がこの試合で初めてバックハンドでストレートに抜き去った。

「うわー」「アナタもかー」「アナタも凄いんかー」(笑)

スーパープレーの応酬に笑うしかない松平と武井だった。

10-10からのラリーでは伊藤が平野のセオリー通り、前に落とす絶妙なボールを入れて攻撃に結びつけ、このゲームを12-10で取りゲームカウント1-3と返した。

第5ゲームは覚醒した伊藤が積極的に回り込んでフォア強打を入れて11-4と奪取し、これぞ伊藤美誠というプレーを見せたが、第6ゲームは地力を発揮した孫に4-11で取られ、同世代ライバル対決は2-4で孫に軍配が上がった。

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この敗戦を平野は「中国女子のボールは回転量やピッチが独特であり、試合がなかったことでそれに対する慣れが少なかったはず。今回それを再認識できたのではないか」と期待を込めた。

伊藤が初のメダルをかけて3位決定戦で対戦したのは中国から帰化した欧州最強のカットマン、ハン・イン(ドイツ)。リオ五輪で日本女子団体の決勝進出の夢を打ち砕いた強敵だ。

しかし始まってみると伊藤はこの猛者をまったく問題にせず、まるで伊藤の技の品評会のようにめった打ちにして4-0勝利。

「ハン・イン選手の特徴であるツッツキに対してまったく苦にしていない」(平野)

「カットマンに対して回転をかけると回転が残ってやりにくいはずなのに、伊藤選手はサーブもレシーブも自分で思いっきり回転をかけて平気」(松平)

文句のつけようがない堂々たる銅メダルだった。

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