石川佳純が「世代交代」の声を一蹴する5年ぶり逆転V5!レジェンド水谷隼も共感【全日本卓球】

2021.01.18
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2021.01.18

石川佳純 Photo:Itaru Chiba

 新型コロナウイルス感染再拡大による緊急事態宣言が出された大阪市で「天皇杯・皇后杯 2021年全日本卓球選手権大会」が幕を下ろした。

大会最終日の1月17日に行われた男女シングルス(一般の部)決勝。女子ではともに東京五輪代表の石川佳純(27=全農)と伊藤美誠(20=スターツ)がフルゲームの激闘の末、石川が5年ぶり5度目の優勝。ゲームカウント1-3に追い込まれてから3ゲームを奪い返す大逆転勝利で見事、女王に返り咲いた。

 男子では優勝候補の張本智和(17=木下グループ)を準決勝で下し、自身初のシングルス決勝に臨んだ及川瑞基(23=木下グループ)が、同じくシングルス初優勝を狙う森薗政崇(25=BOBSON)にチャンピオンシップポイントを握られてからの大逆転優勝。昨年、男子ダブルスで優勝した及川がシングルスでも初の王者に輝いた。


全日本のタイトルから遠ざかった疑心暗鬼の4年間

 どれだけ多くの人が胸を熱くしただろう。勝利の瞬間、両手を突き上げ喜びを噛み締めた27歳のベテラン石川は過去4度(2010、13、14、15年)全日本女王に君臨しながら、ここ4大会は成長著しい10代の選手の後陣を拝し王座に手が届かなかった。

 5年ぶりの優勝まで長かった。もう全日本選手権のタイトルは取れないのではないか。そう思ったこともあったという。

「もう無理なんじゃないかと思ったこともあるし、そう言われることもいっぱいあって......。でも、そうじゃないってことを卓球が教えてくれたし、(身近にいる)いろんな人が信じてくれた」

 高速かつパワーを増していく近年の女子卓球にあって、ボールの回転量やコース取りでラリーを組み立てていく石川の卓球は「古い」「時代遅れ」などと言われることもあり、自身も「自分のプレースタイルだったり年齢だったりをマイナスに考え落ち込むこともあった」と打ち明ける。

 そんなとき支えてくれたのはコーチや練習パートナー、家族がくれた「全然やれるよ。もっともっと自分の可能性を信じて」という力強い言葉だった。

「あぁ、そうだよな。自分で自分を信じないとダメだよな」

苦しかった自分を振り返ると涙がこみ上げてくる

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石川佳純 Photo:Itaru Chiba


レジェンド水谷も世代交代のプレッシャーに共感

 東京五輪代表で全日本選手権歴代最多の10回の優勝を誇るレジェンド水谷隼(31=木下グループ)も、「若い選手に負けると『世代交代』の声が耳に入ってきて、気持ちのコントロールが難しい」と石川の置かれた立場に共感する。

 これに対し「1度の負けを引きずってしまったり、自分自身を疑う気持ちが出てきてしまったりすることが多くなる」と深く頷く石川。しかし、世界ランク3位の日本のエース・伊藤美誠(スターツ)を下した今回の結果に「自分自身に勇気をもらえる優勝になりました」と胸を張る。

 特に石川が勇気を出したというプレーが最終ゲーム9オールの場面でストレートに叩き込んだ2本のフォアハンドだ。

「9-5でリードしててチャンスボールを2回ミスして9オールになったときは、あちゃーって、正直思ったんですけど、最後は自分が得意としているフォアだと思ったので、思い切って回り込んでストレートを狙っていきました。クロスに打っても絶対ブロックされると思ったので」

 今までの自分だったら距離がありオーバーミスする確率の低いクロスに打っていたはず。だがリスクを恐れていては伊藤に勝てない。今こそ攻める気持ちを!

そう自身を奮い立たせて決勝点を決めた石川は、「やはりチャレンジすることでしか結果は取れないんだなって改めて感じました。今までのプレースタイルで勝つのは難しかったと思う」と言い、「自分自身を変えていく、チャレンジしていくという気持ちで今までと違う攻撃を、勇気を持ってできたことが勝因だったと思います」と締めくくった。

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石川佳純 Photo:Itaru Chiba

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石川佳純 Photo:Itaru Chiba

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