『涙の早田ひな物語』女子は日本生命がKA神奈川との激闘を制して3連覇達成【Tリーグファイナル】

2021.02.27
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2021.02.27

日本生命レッドエルフ Photo:Itaru Chiba

Tリーグの年間王者決定戦、2020-2021シーズン プレーオフファイナルが2月27日にアリーナ立川立飛で開催。2連覇中の日本生命レッドエルフがシーズン1位の木下アビエル神奈川を3-2で破って3連覇を達成した。

日本生命レッドエルフは、今シーズンは別々に出場していたツインエースの平野美宇と早田ひなが揃っての出場という万全の体勢。一方の木下アビエルは、今シーズン17勝をあげたポイントゲッターの木原美悠が国際大会参戦のため欠場という苦しい状況だ。

<第1マッチ>長﨑美柚/浜本由惟 vs 平野美宇/前田美優
<第2マッチ>石川佳純 vs 森さくら
<第3マッチ>木村香純 vs 早田ひな
<第4マッチ>長﨑美柚 vs 平野美宇


■第1マッチ 長﨑美柚/浜本由惟 vs 平野美宇/前田美優

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第1マッチのダブルスは、今シーズン12勝をあげた木下アビエルの長﨑美柚/浜本由惟、日本生命は平野美宇/前田美優と、両チームのエースペアが激突。両ペアの今シーズンの対戦成績は1勝1敗の五分だ。

第1ゲーム、序盤でリードを奪ったのは日本生命ペア。レシーブではストップを多用し、大きいラリーに強い木下ペアに対して台上から仕掛けていく。

また、サーブではロングサーブを混ぜて長﨑に得意のチキータをさせない作戦で6-2とリードを広げた。しかし、木下ペアも相手のストップ戦術を読んで、じわりじわりと追いつくと、最後はロングサーブを長崎が強烈なフォアドライブレシーブで決め、逆転で木下アビエル神奈川が取る。

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第2ゲームは、前田が表ソフトでのバックハンドでうまくコースを突き、また絶妙なロングサーブで、第1ゲームと同様に6-2とリード。そのまま逃げ切り、今後は日本生命ペアがゲームを取り返した。

6-6からスタートとなる最終ゲーム。平野が1本目はフォアフリック、2本目はストップという巧みなレシーブで相手を崩して、日本生命が2本連取。9-6となり、あとがなくなった木下の長﨑も果敢にチキータでレシーブを攻めたがミス。結局、相手に1点も取らせず、5連続ポイントを決めた平野美宇/前田美優が、重要な第1マッチを奪い、先制点をあげた。


■第2マッチ 石川佳純 vs 森さくら

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日本生命レッドエルフが先制し、続く第2マッチ、木下アビエル神奈川はエースの石川佳純が登場。昨シーズンのMVP、森さくらと対戦した。

今シーズン、昨年12月25日の対戦で森にストレート負けを喫している石川。エースとして負けるわけにはいかないこの一戦、序盤から非常に落ち着いたプレーを見せる。

攻めの展開では威力よりもコース取りを重視し、相手の逆をつくプレーで9-4とリード。レシーブでもナックル性のボールを織り交ぜ、森の3球目攻撃を封じていき、11-7で第1ゲームを奪う。

第2ゲームも、甘く出てきた森のロングサーブをフォアドライブで決め、1本目から隙のないプレーを見せた石川。しかし、森も負けてはいない。

固さも抜け、少しずつ持ち前の力強い両ハンド攻撃が出始めると、ラリー戦でも石川を上回り中盤では5本連取で8-4と逆転に成功。10-9と追い上げられたが、バック対バックのハイレベルなラリーを制して、第2ゲームを奪い返した。

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これで勢いに乗った森が第3ゲームもリード。石川も両サイドを厳しく突くが、体制を崩しながらも森がことごとく打ち返し、得点することができない。8-2と森がリードを広げ、ここから石川が4本連取で8-6となり、日本生命ベンチがタイムアウト。


次のプレーを石川が得点し、8-7では森がまさかのサーブミスで8-8とついに同点となる。森リードの9-8では、石川がフォアドライブでらしくない空振りのミス。しかし、最後まで精神的に崩れなかった石川が10-10に追いつくと、13-11で取った。

第4ゲームも森の粘り強さに苦しんだ石川だったが、最後はバック対バックのラリーから、相手のフォアサイドに強烈なバックドライブを叩き込んで勝利。エースが見事な戦いぶりで第2マッチを取って、木下アビエル神奈川が1-1のタイに戻した。


■第3マッチ 木村香純 vs 早田ひな


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第3マッチは、今シーズンからTリーグに参戦し、活躍を見せている大学生プレーヤーの木村香純、そして日本生命のエース、今シーズン14勝の早田ひなが激突。両者の対戦成績は1勝1敗で、開幕戦では木村が早田を破るという鮮やかなデビュー戦勝利をあげている。

第1ゲーム、回転量の多いフォアドライブで得点を重ねた早田がリードし、11-7で先制。木村はなかなか自分から攻める展開が作れず、数少ない攻めの場面では点が欲しいために強くいきすぎてミスが出てしまった。

第2ゲームは、攻め手を増やした木村が序盤で4-1とリードするも、落ち着いてサーブ、レシーブで崩した早田が5-5とすぐに追いつく。相手の強打を封じるハーフロングのサーブ、レシーブでは長めのツッツキをバックサイドに送って、木村のミスを誘った。

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ここから互いに1本ずつ取り合う流れとなったが、9-9で木村がサーブからの展開で2本連取。ループドライブとスピードのあるドライブをうまく織り交ぜるプレーで第2ゲームを奪った。

第3ゲーム、中盤で流れをつかんだのは木村。クロスに集まる早田のフォアドライブに対してバックブロックで確実に返球し、その後の前陣でのラリー戦も次々と制し、7-4とリード。早田が2本取って、7-6となったところで木下アビエルベンチがタイムアウト。

2本連続でサーブエースを奪った早田が8-8で追いつき、その後10-10のデュースとなる。木村がサーブエースで11-10とし、次のプレーは早田に3球目フォアドライブを打たせてカウンターで狙い打ち、第2ゲームに続いて木村が連取した。

第4ゲーム、焦りのある早田のドライブミスなどが重なり、6-4と木村がリード。しかし、コンパクトなスイングに切り替えた早田がミスのない堅実なプレーで5本連取で6-9と逆転。このまま逃げ切りたい早田だったが、うまく流れに乗ることができない。

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木村に3本連取を許して9-9と追いつかれ、ここで日本生命ベンチがタイムアウト。しかし、次のプレーは木村が3球目バックドライブで得点し、最後は木村のサーブに対して早田がフォアドライブでミスし、木村が勝利。エースとして絶対に勝ちたかった早田だったが、12月25日以来、久々のTリーグ出場ということで試合勘が鈍ったか、まさかの敗北を喫した。


■第4マッチ 長﨑美柚 vs 平野美宇

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初優勝まであと1勝となった木下アビエル神奈川は長﨑美柚が第4マッチに登場。あとがなくなった日本生命レッドエルフは、ダブルスで長﨑を下しているツインエースの一人、平野美宇が迎えうった。

第1ゲームを先取したのは、威力のある両ハンドドライブが武器の長﨑。台上からの強烈なバックドライブなどで7-5とリード。ここから2本連続で平野のボールがエッジインというアンラッキーな展開になったもののメンタルは崩れず、よりアグレッシブなプレーで4本連取し、11-7で取る。

第2ゲームは、序盤こそ長﨑の攻めに苦しんだ平野だったが、中盤からはミドルへの攻めなどクレバーなコース取りで4連続ポイント。最後も落ち着いたチキータレシーブで、長﨑のミスを誘って、第2ゲームを奪い返した。

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第3ゲームは、サーブが冴え渡った平野が流れに乗っていく。ロングサーブで相手を崩し、ミドルへのレシーブを読み切って3球目フォアドライブを叩き込むなど、再び4連続ポイントで5-3とリード。しかし、長﨑も平野のサーブをチキータで攻め、離されないようなんとか食らいついていく。

平野リードの9-7から9-8となったところで、日本生命ベンチがタイムアウト。平野が取って10-8となり、次のプレーでは苦しい体勢でフォアドライブをねじ込んだ平野が11-8で逃げ切った。

第4ゲームは、サーブを出す位置を変える作戦で平野のレシーブを崩した長﨑が主導権を握る展開に。またレシーブでもフリックで先に攻めていき、平野を両サイドに揺さぶり、長﨑が第4ゲームを奪う。

そして6-6から始まった最終第5ゲーム。長﨑が取れば、木下アビエル神奈川の優勝が決まる。7-7となり、長﨑がストレートにチキータレシーブを放つが、これを待っていた平野がフォアでカウンター。しかし、次は長﨑がナックルレシーブで平野のバックサイド深くを突いてミスを誘う。8-8では、長﨑が3球目フォアドライブで攻めるが平野が絶妙なブロック。

しかし、次のプレーは再び長﨑がフォアで攻めて得点。互いに一歩も譲らない手に汗握る展開だ。9-9で平野の3球目バックドライブを長﨑がフォアでストレートに狙いリード。優勝まであと1ポイントとなったが長﨑のバックハンドがオーバーミスで10-10。そして1本ずつ取って11-11。

平野がミドルにフォアドライブレシーブを決めて11-12。最後は平野の下回転サーブを長﨑がネットミスし、平野が勝利。絶体絶命まで追い詰められた日本生命だったが、エース平野の意地の勝利で、ビクトリーマッチへ望みをつないだ。


■ビクトリーマッチ 木村香純 vs 早田ひな

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そして、優勝を決める最後のビクトリーマッチ。木下アビエル神奈川は、エースの石川ではなく、木村を起用するという驚きのオーダー。対する日本生命レッドエルフは早田。第3マッチに続き、再び木村vs早田の対戦となった。

序盤、互いに1本ずつ取り合う展開。冷静にミドルを突き、コース取りの巧さで得点する木村。そして早田は力強いフォアドライブで果敢に攻めていく。3-3から早田が自分のサーブで2連続ポイント、5-3とリードを奪う。ここで木下ベンチがタイムアウト。少しずつ流れを掴んでいった早田は、6-4では木村のチキータに対してカウンターのバックドライブで得点。

8-6でもコンパクトなバックハンドで木村のフォアサイドを攻めていくなど、強気のプレーでリード。9-6から木村がレシーブミスをして10-6、早田は優勝まであと1本。次は木村がロングサーブをバックサイドに出して、早田がレシーブミス。10-7となって今度は日本生命ベンチがタイムアウト。

しかし木村が土壇場の4連続ポイントで追いつく。次のプレーは早田が絶妙なストップレシーブからのフォアドライブで得点。11-10、最後は木村のバックサイドを切るフォアドライブでフィニッシュ。エースの早田が最後の最後で苦しみながらも、木村にリベンジを果たし、チームの3連覇を決めた。

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■早田ひなコメント

今シーズン、初めて有観客の試合で、そのパワーが力に変わりました。第3マッチは思うプレーができなかったけど、ビクトリーマッチで使ってくれた監督に感謝したいし、最後はエースとして勝利を届けたいと思っていて、強い気持ちで望んで、3連覇できて良かったです。

試合前にチームメイトが「ひなちゃんなら絶対勝てる」と言っていただいて、絶対勝てると言う気持ちで試合に入ることができました。

今シーズンはなかなか全員が揃うことがなかったけど、今日は本当に最後集まったなという感じで、また普段一緒に練習している中高生も応援に来てくれていて、そこでしっかり優勝することができて本当に良かったです」

■日本生命レッドエルフ 村上監督

3番で木村選手が早田をやっつけて、早田が自分で物語を作って、そして5番で締めた。『早田ひな物語』でしたね(笑)。大阪からジュニアの選手も駆けつけてくれたし、日本生命の関係者の方々もコロナ禍の中応援に来てくれてありがたいですし、Tリーグにふさわしい良い試合ができたと思います。今日はありがとうございました!

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【ノジマTリーグ プレーオフファイナル】
木下アビエル神奈川 2-3 日本生命レッドエルフ

<第1マッチ>
長崎美柚/浜本由惟 1-2 平野美宇/前田美優
11-8/6-11/6-11

<第2マッチ>
石川佳純 3-1 森さくら
11-7/9-11/13-11/11-8

<第3マッチ>
木村香純 3-1 早田ひな
7-11/11-9/12-10/11-9

<第4マッチ>
長崎美柚 2-3 平野美宇
11-7/8-11/8-11/11-6/11-13

<ビクトリーマッチ>
木村香純 0-1 早田ひな
10-12

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