【公式】卓球ジャパン!2022年4月9日OA
4月9日放送の『卓球ジャパン!』は、パリ五輪代表選考会「2022 LION CUP TOP32」(3月5〜6日)で優勝した早田ひな(日本生命)をピックアップ。早田の出身クラブである石田卓球クラブの代表・石田弘樹氏をゲストに招いて、大激戦となった長﨑美柚(日本生命)との決勝をDEEPに掘り下げた。
卓球を始めた4歳の時から早田を支えているのが石田卓球クラブの石田一家。クラブを立ち上げた石田夫婦、そして3人の息子全員がコーチとして活躍しており、小学4年から中学2年まで早田を指導した長男の弘樹氏は今現在も試合分析などでサポート。また三男の大輔氏は会社員を辞めて、早田の専属コーチを務めている。
そんな石田家の支えもあって、昨年はアジア選手権3冠など国際大会で大躍進。今回のTOP32でも準々決勝で東京五輪代表の石川佳純(全農)を下し、決勝進出を果たした。
決勝は早田vs長﨑というチームメイト同士の対決。「どっちが勝ってもハッピー!」と以前から両選手推しを公言しているMC武井壮はいつも以上に上機嫌だ。
決勝戦、序盤で流れをつかんだのは伊藤美誠(スターツ)を破って勝ち上がった長﨑。早田とは3戦3敗と分は悪いが、ロングサーブからのバックハンドを軸に攻略。早田としてはチキータからの得意パターンが作れず、レシーブでも迷いが生まれて全体的に後手後手になってしまい、第1、第2ゲームを奪われた。
第3ゲーム、少しずつフォアで攻めるプレーも出てきた早田は、長﨑リードの6-7でダイナミックな飛びつきを披露。
「あそこのフォアが入るのが早田選手の強み。中国の許昕選手みたい」とMC平野早矢香も驚きの跳躍力を見せた。
「球際が届くか届かないかが早田選手にとっては生命線になってくる。この何年かで球際の幅が広がったのが勝ちにつながっている」(石田)
そんな好プレーもあったが、終盤は長﨑にチキータでフォアサイドを狙われ、第3ゲームも早田が落とした。
しかし「0-3とは思えないくらい落ち着いた表情」と武井も言うように、冷静さは失わず、ただただ活路を見出すことに早田は集中していた。第4ゲームからはフォアの攻撃も増え、バックハンドでは長﨑のフォア、ミドルを突いて、相手を下げさせてミスを誘っていき、ついに1ゲームを奪い返した。ここから早田の猛追が始まっていく。
続く第5ゲーム、長﨑のロングサーブに苦しみ1-5とリードを許すが、早田もロングサーブで勝負にいって点差を縮め、4-5のレシーブでは相手のロングサーブに対して強烈なバックドライブ。
「早田選手はここで絶対ロングサーブが来ると読んで少し下がって、フォアハンドでも打てるボールをわざわざバックハンドで決めにいっている。"もうロングサーブは効かないわよ"という意識の表れ」と石田氏も分析。流れが早田に傾いていく強気のプレーだった。
そしてさらに8-8ではロングサーブを回り込んでストレートにフォアドライブ。
「バックで決まると、昔の早田だと(そのまま)バックハンドでいってしまい、それで失敗していた。今はそれをフォアハンでいく頭がついたのが大きな成長。最後は自分の武器、フォアハンドで勝負すると言う気持ちの強さがこのゲームの最後に出た」と石田氏。
第6ゲームも早田が奪って、ついに勝負は最終第7ゲームに。 先にチャンピオンシップポイントを迎えたのは長﨑だったが、この場面でも早田は冷静だった。
前のゲームでフォア前のボールに対して長﨑がチキータでミスしたことを覚えており、終盤はフォアミドル前にサーブを集めて13-11で勝利。ゲームカウント0-3からの大逆転で見事優勝を決めた。
敗れたが実力を出し切った長﨑も笑顔を見せ、2人で健闘を讃え合った。
「今日は真っ向勝負で負けていたので、そこをどうにか、自分もやりにくいけど相手もやりにくいところを探しながら、我慢してプレーすることができた。本当に一本の勝負だったので、そこを乗り越えることができ、自分自身に勝つことができて良かった。またひとつ成長したと思うので、ちょっとずつ自分の階段をしっかり登って、結果につながるようにしたい」と優勝インタビューで涙を見せた早田。
直後に行われたWTTシンガポールスマッシュ2022では、準々決勝に進出して中国の孫穎莎にストレートで敗退。
「ラリー自体はほぼ互角だと思います。サーブレシーブ、ちょっとしたミスが出てくるけど、そのあたりは対戦することで減っていくと思う。中国選手とどんどん対戦して、中国の細かなプレー、大きく速いラリーに慣れていくことが早田には必要」と石田氏。
また今後の課題として「今回の試合で長﨑選手が見せた長いサーブや意表をついたフォアへのチキータ。そのような相手が予想もつかないプレーを逆に早田選手が中国選手にやることで勝つチャンスが出てくる」と分析した。
そして世界卓球2022の日本代表の座も獲得。伊藤とともに日本のエースとして、金メダルへ向けた戦いが始まっていく。「今回のTOP32は、純粋に試合を楽しんでいて、自然な笑みが見られた。世界卓球でも楽しんでもらいたい」と石田氏もエールを送った。
「卓球ジャパン!」 BSテレ東で毎週土曜夜10時放送