『現代卓球最長ラリー』766回を誇る日本最強カットマン・佐藤瞳のプレーをDEEPに解説【卓球ジャパン!】

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【公式】卓球ジャパン!2022年4月30日OA

4月30日放送の「卓球ジャパン!」は、世界卓球2022の日本代表で、日本最強のカットマンと言われる佐藤瞳(ミキハウス)をゲストに迎えた"佐藤瞳スペシャル"。

攻撃卓球全盛の中、粘って粘って粘りまくるプレーで活躍する佐藤の強さの秘密、そしてカットマンの魅力をDEEPに掘り下げた。

佐藤が卓球を始めたのは小学校2年のとき。自分でカットマンを選んだのかと思いきや「コーチに誘導されました(笑)」と佐藤は語る。背が高かったことと、ひとりぐらいカットマンがいた方がいいんじゃないかという感じだったという。

「でも、カットマンじゃなかったらここまで来られなかったと思います。本当にカットマンになってよかったです」(佐藤)

相手が嫌になるほど返し続けるカットマンのプレーは、ときに"エンドレスリターン"とも呼ばれる。



その例が2020年オマーンオープン女子シングルス決勝での佐藤と加藤美優(日本ペイントホールディングス)の一戦だ。現代卓球の試合の平均時間は約30分と言われるが、この試合では実にその3倍以上の1時間38分もかかり、現代卓球の最長試合に認定された。

相手にとってやっかいなスタイルであるカットマンだが、打たれても打たれてもフェンス近くまで下がって、ときにアクロバティックな姿勢で返し続けるプレーは観客を魅了する。

「なんか違う競技みたい。空中でボールが止まって見えるし、無駄な力が入っていないフォームも美しい」と、以前からカットマンの華麗なプレーに憧れているMC武井壮は、佐藤のプレーを見てため息をつく。

しかし、守ってばかりいては勝てないのが現代卓球。

「カットだけだと勝てる相手が限られるので、攻撃は絶対条件だと思います」(佐藤)

ところが、その守備と攻撃の両立が難しい。その理由はプレー位置と重心にあるとMC平野早矢香がDEEPに解説する。

「カットと攻撃とでは位置が違うんです。攻撃は前にいないとしにくいですが、その位置ではカットのコントロールが難しくなります。また、カットは上から下に切り落としますが、攻撃は前に踏み込んでいきますから重心移動も違います」

こうした困難を克服するためにカットマンには膨大な練習量が必要だ。佐藤の練習は毎日朝8時から夜9時に及ぶという。

そんな佐藤が自ら選んだ「忘れられない名勝負」の一つ目は、リオ五輪金メダルの丁寧(中国)に2連勝した試合。



地元・北海道で行われた2019年ジャパンオープンの女子シングルス2回戦で、佐藤は丁寧と対戦した。前の対戦で負けたとき、丁寧のつなぎボールに対するカットのミスが多かったので、そのボールを攻撃する作戦だったと佐藤。

もっとも会場を沸かせたのは第4ゲーム0-0からのラリーで、69回ものラリーの末に丁寧のミスを誘い、会場を大いに沸かせた。こうしたプレーの末に4-2で五輪金メダリストに勝利した。

そして同じ年のグランドファイナル女子シングルス1回戦でも丁寧と対戦。中国・鄭州での試合だったが「良いプレーをするとどちらの応援かわからないほど会場が湧いたので、それほどアウェイ感はありませんでした」と佐藤。

このように観客を味方につけてしまうのがカットマンだ。結果、ファインプレーの連続で、またもや金メダリストを4-2で破ってしまう。

「暴れれば暴れるほど佐藤瞳のクモの巣に絡まっていく感じでしたね」(武井)

「"丁寧に2回勝った"とか私も言ってみたかったですよ」(平野)

「あれ?平野さんは・・・何回お勝ちになったんでしたっけ?」(武井)

武井の問いかけに無言でうつむきながら指で"ゼロマーク"を出す平野がキュートであった。



「忘れられない名勝負」の二つ目は、世界卓球2019での橋本帆乃香(ミキハウス)と組んだ女子ダブルス準決勝、伊藤美誠(スターツ)/早田ひな(日本生命)との一戦。台湾ペアを破って初のメダルを決めた後の試合だけに印象深いという。

前半は佐藤/橋本がカットで翻弄して先に2ゲームを取ったものの、逆転負けを喫した。伊藤の速いスマッシュを警戒していたが、巧妙なサーブやレシーブからの早いタイミングの攻めに屈した。

伊藤/早田は味方にすると頼もしいが、敵にすると本当に手強い相手だ。

「全方位的にやっかいですよねこのペアは」(武井)

番組の最後は歴代の名カットマンのスーパープレー特集。ジュ・セヒョク(韓国)、ギオニス(ギリシャ)、石垣優香らとともに紹介された佐藤のプレーは、2017年カタールオープン女子シングルス1回戦、リー・ジエ(オランダ)の一戦。

両者ともに意地の粘り合いとなり、続いたラリーはなんと766回。しかもラリーの終わりはミスではなく、隣のコートからボールが飛び込んでの中断だったというから恐れ入る。

「促進ルール(※)に持ち込むために10分経たせたかったが、この1本は結構大事だから粘った」と佐藤。大変な集中力だ。

このラリーは"現代卓球最長ラリー"に認定された。

※1ゲーム10分以上経っても両選手の合計得点が18点未満の場合に適応され、レシーブ側が13回返球できるとレシーブ側の得点となるルール。

「卓球ジャパン!」 BSテレ東で毎週土曜夜10時放送