2023年一発目となる1月7日放送の『卓球ジャパン!』は、日本男子の注目株、篠塚大登(愛知工業大)がスタジオ初登場。TOP32での張本智和(IMG)との大激戦を、卓球ジャパン!ファミリーの森薗政崇(BOBSON)とともにDEEPに解説してもらった。
WTT2大会で優勝するなど、2022年にブレークを果たしたのが張本と同学年、19歳の篠塚だ。
パリオリンピック選考ポイントでも、現在は張本智和に次ぐ2位。Tリーグでは木下マイスター東京に所属し「しのぴ」の愛称で多くの女性ファンを虜にしている。
今回ピックアップするのは、昨年11月に行われたTOP32の男子準決勝、篠塚vs張本。
「7、8回やって、まだ1回も勝てたことがない」という高い壁だが「初めて勝てるんじゃないかと思えた」と、張本の背中をとらえた一戦だ。
第1ゲーム、張本のチキータを防ぐべく、篠塚はロングサーブを軸に展開。 「ロングサーブはいざその場に立つと怖くて出せないことが多い。ポーカーフェイスで平然と出したというのが、いい流れを生んだ要因」と森薗も強気の戦術に感心していた。
狙いどおりチキータを封じることができ、第1ゲームを奪ったものの、篠塚を苦しめたのは張本の鉄壁のブロック。
「ブロックがうまいので何本帰ってきても打つ、という意識はしてた」篠塚だったが、なかなか打ち抜けず、そうなるとついつい力も入ってしまう。「自分で決めないといけないってなって、力が入ってミスというのが何本もあった」(篠塚)
パワータイプではない篠塚にとって、張本のブロックを攻略するのは容易ではない。
「やっぱり張本に勝とうと思ったらこっちもある程度打点の速さは必要。篠塚選手は懐が広くて少しずつ台から距離をとるので、攻めているように見えてじわじわ下げられているところもある」と森薗も分析した。
続く第2ゲームで森薗が「うまい!」と注目したのは3球目チキータ。
「チキータはレシーブだと難易度が低いけど、サーブの後は斜めに構えてる状態からすぐに戻って前に飛び込む必要があり、ただツッツキされたら詰まってしまうので、前にも後ろにも行けるいいバランスを保たなければいけない。それがすごく難しいのに、篠塚選手は簡単に入っていく」と世界卓球男子ダブルス銀メダルリストの森薗も羨ましがるプレーだ。
しかもやり込んだ末に身に付けたわけではなく、「感覚が身についちゃってますね」とサラリと答えてしまうあたり、さすが「水谷二世」とも呼ばれる天才サウスポー。
可愛らしいルックスは女性ファンからも人気で、MC武井壮はゴムのヘアバンドに注目し、森香澄アナも「かっこいいですよね」と絶賛。
密かに篠塚のクールさに憧れを抱く森薗が「僕もこの細いバンドに変えようかな」と言うが、「なんか森薗くんは昭和感が出るんだよね」と武井。
「僕も丹羽選手とか篠塚選手みたいにスタイリッシュな感じにしたい」と懇願するも、「いや、あなた"熱血"ですから、ハチマキとかでやってほしい」とバッサリだった。
試合は、徐々にサーブに慣れられ、第2、第3ゲームは張本に連取されると、「やることがなくなってきて、入れようとしてもミスをしてしまう」(篠塚)という苦しい状況になった第4ゲームも奪われた。
しかし、「もう後がないので吹っ切れる感じでどんどん振ってやろうって切り替えました」との言葉どおり、ここから篠塚の逆襲が始まっていく。
鍵となったのが第5ゲーム3-4でのレシーブ。それまではチキータが多かったが、フォア前のショートサービスに対してバックツッツキで返球。
「フォアでツッツキをしたらわかりやすいが、バックでやることによって少しコースがわかりづらくなる」(篠塚)
本人が語る深い技術&戦術解説に「それそれ!そういうのがめちゃくちゃ欲しい!ようやく『卓球ジャパン!』らしくなってきました!」と森薗も大興奮。
このレシーブが張本に迷いを生み出し、後半はチキータも効き始めて、第5ゲームは篠塚が奪い返す。
苦しい場面での勝負感が磨かれつつある篠塚だが、その要因はメンタル面の向上だ。
「なんで優勝できないんだろうって考えた時に、やはりメンタルが変わらなければ強くなれないと思った」と語り、以前は迷ったまま負けることが多かったが、最近は劣勢でも思い切って作戦を変更することができるようになったと言う。
メンタルの変化は番組中のこんな言葉にも現れている。森薗からの「自分の場合は、仕掛けてミスって流れを失ったらどうしようって怖くなるのだが、篠塚選手にはそれが感じられない。怖くないの?」という質問に対して、「やらなきゃ勝てないと思っています」と篠塚。
この力強いコメントには、先輩・森薗も「身に染みます」と感服しきりだった。