中国撃破でメダル確定の10歳差・大吉ペア 吉村真晴が語るベテランの矜持と涙の理由【世界卓球】

2025.05.23
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吉村真晴・大藤沙月 PHOTO:World Table Tennis

<2025年5月17日(土)~5月25日(日)世界卓球選手権ドーハ大会(個人戦)/カタール>

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大藤沙月(ミキハウス)の「大」と吉村真晴(SCOグループ)の「吉」を掛け合わせた「大吉」ペア。

その縁起のいいニックネームの通り、10歳の年の差ペアの2人は「世界卓球2025ドーハ(個人戦)」<5月17日(土)~25日(日)>の大舞台で混合ダブルスのメダルを確定させた。

3回戦はパリ五輪銀メダルの北朝鮮ペアにストレート勝ち。準々決勝では世界最強・中国の若手エースペアを3-1で下す快進撃だ。

吉村の同種目におけるメダル獲得は石川佳純さんと金メダルを手にした世界卓球2017と2015、2019(ともに銀)以来4度目。世界卓球初出場の大藤にとっては記念すべき初のメダルだ。

大会5日目の21日(水)現地時間午前11時過ぎに始まった第1試合。

メダルのかかる大一番に満を持して臨んだ吉村/大藤は、林詩棟/蒯曼との初対戦で自分たちの武器であるサーブを軸に主導権を握った。

「サービスで相手ペアを上手く崩して、自分のパワーボールで押していくことが出来たら勝てるんじゃないかというイメージはあった。まさか試合でこれほどハマると思わなかったし、改めて大藤さんのサービスの威力を実感しました」

サーブを起点に吉村のフォアハンドが炸裂。第2ゲームにはバックハンドも火を噴いた。大藤も負けていない。男子世界ランク1位の林の豪打にひるむことなく応戦する。

対策として、林のサーブに対するレシーブのコースや種類を工夫し相手のリズムを狂わせた。この戦術が奏功し競り合いの第3ゲームを13-11で死守。

勢いに乗った第4ゲームでは8-3リードから吉村にミスが連続し、「林詩棟の甘くなったボールを大藤さんに狙ってもらおうとして、ちょっと行き過ぎてしまった。本当に『ごめん!』っていう気持ちだった」と本人。

しかし、大藤は「8オールに追いつかれてしまって流れが悪かったんですけど、(吉村さんが)思い切って打ってくれたらそれでいいやと思った」とその時の心境を振り返った。

その大藤の信頼に応えるように、吉村は大藤のサーブ3球目をフォアハンド強打で決め嫌な流れを断ち切り勝利。

勝負がついた瞬間、床に仰向けに倒れ勝利を噛み締めた吉村の目には涙があふれた。

「石川さんと世界卓球の舞台でミックスを組ませていただいて、今回は大藤さんと。結構プレッシャーを感じていた。ミックスダブルスに出るイコール、メダルを取れなきゃいけないと思っている部分があるし責任だとも思っていた」と涙の理由を語る吉村。

31歳、ベテランの矜持である。

さらに「30歳を超えてメダルが取れると思っていなかったので嬉しい」とも。

この日は奇しくも、ベンチに入った男子代表の岸川聖也監督の誕生日。

世界卓球のメダルという最高のプレゼントをもらった岸川監督は「昨日、北朝鮮ペアに勝った時点で(中国ペアにも勝つ)チャンスはあると思った」と語り、「でもまだ試合は続くのでしっかり切り替えたい」と銀メダル以上をかけた準決勝を見据えた。

準決勝は香港不動のエースペア・黃鎮廷/杜凱琹と対戦する。


(文=高樹ミナ)

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